どうも、がんばらないネコです。Twitterで活動しているサッカー分析ブロガーです。
今回はバルセロナ対レアルマドリードの内容から、ラ・リーガ優勝候補たちの現状を見ていきましょう。
この記事は、以下の内容をお送りします。
この記事は次のような人にオススメです!
- 試合の振り返り(勝因と敗因)
- バルセロナの現状
- レアルマドリードの現状
今シーズン初のクラシコであり、前半戦で非常に重要な一戦となるであろう試合。
今回の記事は試合の内容、両チームが現在持つ課題を詳しく解説していきます。
今回の記事で読めば、「レアルの勝因」や「バルサとレアルの現状」などを知れますよ!
サッカーが好きな方や興味がある方は、ぜひ最後までご覧ください。
それでは、どうぞ!
【クラシコ分析】事前準備だけで勝敗は決まらない
シーズンが始まって2ヶ月半。両チームとも主力が抜けたこともあり、チームを作り直している最中でのクラシコでした。
今回のクラシコは、準備した作戦が機能したバルセロナ、試合中に見事な修正をしたレアルマドリードといった印象でしたね。
では、両チームのプレーを具体的に振り返ってみましょう。
バルセロナ:レアルの弱点を見事に突いた作戦
まずレアル守備の弱点としては、「サイドに起点を作られると中央の守備が疎かになること」です。
詳細は「レアル現状」で書きますが、適切なバランスをまだ見つけていないレアル守備は中盤に大きな穴を作りがち。
ブラガ戦の失点シーンは、完全に弱点を露呈していた場面でしたね。
バルセロナはその弱点を逃さず、3ー5−2のWBを使った攻撃を仕掛けましたね。
WBでバルベルデとベリンガムを引き付け、手薄になった中央から攻めることで、試合を有利に進めようとしてました。
先制点の場面は、運の要素が絡んでいたとはいえバルセロナの狙い通りだったでしょう。
中央で4対2の数的優位を作り出しているので、効果的な作戦であったことがわかります。
続いて、レアル攻撃の弱点は「チャンスメイク力の不足」です。
詳細は「レアル現状」で書きますが、最後の崩しの場面でのアイディア不足は否めません。
この点に関しても、バルセロナは受け身気味の守備をすることで、見事に弱点を突いていましたね。
中盤へのプレスではなくエリア内の守備を優先することで、アイディア不足の攻撃に誘導しレアルの攻撃を停滞させていました。
以下はクロースからチャンスを作った場面ですが、バルサの守備ブロックの位置が低く、クロースへのプレスが積極的でないことがわかります。
クロースからの高精度のパスが通りましたが、やはりエリア内を固めるバルサ相手に確率の低いシュートを選んだカルバハルでした。
以上のようなバルサの戦術によって、両チームのシュート本数は同じでも、決定機はバルサの方が圧倒的に多かったです。
ただ、あれだけ有利に試合を進めチャンスを作っていた中で、追加点を奪えなかったことがバルセロナ最大の失敗といえます。
レアルマドリード:高い柔軟性でバルサを破壊
バルセロナの作戦に苦戦したレアルですが、まずは前半40分ごろに中盤の守備強度を改善しました。
この修正は純粋なWGを起用していないバルセロナにとっては苦しいもので、レアルの期待以上にバルサを停滞させたと思います。
続いて、モドリッチやカマヴィンガ、ホセルを投入し、バルセロナMFがDFラインに吸収される動きを利用し中央を支配。
エリア内の守備を優先するバルセロナは中央を空けがちなため、レアルがそこを突くのは当然。
以下のように、立て続けに中距離からの攻撃を行うレアル。
そして、修正によって増えた中距離からの攻撃で同点弾を奪います。
バルセロナは、作戦通りのプレーでガビがエリア内に降りてクロスをクリア。
しかし、その結果として中央に大きなスペースができ、ベリンガムがそのスペースにポジショニング。
そして、ベリンガムの神ミドルが炸裂し、良い時間帯に同点にしましたね。
もちろんこのようなミドルはシーズン通して何回も見られるものではないですが、レアルの修正が導いた結果です。
同点にされたバルセロナはロメウを投入、そして中盤へのプレスを優先させる修正しましたが、不十分と言わざるおえない。
シャビの修正力不足なのか、前にプレスに行くMFの代わりにハーフスペースを守る選手がいなくなるという大きな失敗。
この隙をレアルが見逃すこともなく、70分台にハーフスペース起点でチャンスを2回作る。
そして、後半アディショナルタイムに待望の逆転弾を奪います。
ガビはカルバハルへの対応を優先。しかし、CBは空いているハーフスペースではなく中央に移動。
そのスペースを天才モドリッチが逃すこともなく・・・
ボールが転がっていったのは幸運ですが、完全にバルサを崩していることに変わりはなく、必然の逆転弾を奪いました。
前半と打って変わって、見事な柔軟性でバルサを葬り去ったレアルでしたね。
正直、「実力通りの結果が出た」と言える試合でした。
バルセロナ現状:武器のない整理されていないチーム
ここでは、バルセロナの現状を見ていきます。
クラシコに敗戦し、ラ・リーガ4位に転落したバルセロナには数多くの課題がありますね。
その中でも特に気になるものを見ていきます。
課題①:武器と呼べるものがない
まず1つ目の課題は「武器と呼べるものがない」です。
昨シーズンは何といってもデンベレという超強力なWGがおり、右サイドがストロングポイントでした。
ただ今シーズン開始直前にPSGに移籍が決定し、新たな武器を探す必要ができましたが、現状まったく見つからない。
現在は個人で崩せる選手がおらず、連携もまだまだ。中堅や下位相手なら問題ないですが、強豪に対しては大きな問題に。
まだシーズンが始まって2ヶ月半ですが、攻撃の破壊力は著しく欠いていると思いますね。
課題②:ポジションバランスが悪い
2つ目の課題は「ポジションバランスが悪い」です。
個人的に一番気になる課題で、中盤に人が多すぎるために攻撃が停滞している印象があります。
現在最強と言えるシティやアーセナルを見ると、中央とサイドを満遍なく使っていますよね。
今のバルセロナはFWを含め6〜7人が中央に集まり、悪い意味でWGのポジションを空けることもあります。
このようなプレーはサイドを捨てて中央を守ればいいので、止めやすい攻撃でしかないです。一時期の日本代表かな?
昨シーズンまでの課題が中央からの攻撃だったとはいえ、サイドを捨ててしまっては元もこうもない。
早急にどうにかしてほしいですね。
課題③:攻守ともにチグハグ
3つ目の課題は「攻守ともにチグハグ」なことです。
シャフタール戦失点直前のプレー。
今シーズン、悪い意味で自由に攻撃している場面が目立ちます。
先ほども出ましたが、シティやアーセナルが自由な攻撃をしている場面はほとんどない。
だからこそ、ネガティブトランジションがしっかり機能し、試合を支配したまま勝利できるんです。
トランジションのことをしっかりと考慮して攻撃しないと、今後CLなどで強豪とやり合った時に必ずやられます。
この点は早急に解決しないと、CLでまた結果を残せずに終わる。
また守備面でも大きな課題があり、プレスが空回り気味なことです。先日のシャフタール戦でかなり狙われていましたね。
CBの裏への対応もやや怖いこともあり、簡単にカウンターの餌食になる可能性が高いです。
CLベスト16が始まる2月までには解決したいですね。
良い点①:選手のポテンシャルの高さ
最後に良い点を1つ。それは「選手のポテンシャルの高さ」です。
何といっても、選手層は素晴らしいです。特にMFは世界中を見ても一流揃いかもしれません。
またWBも強力であり、サイド攻撃のポテンシャルも高い。
もし先ほど述べた課題を克服して、バランスよく適切に攻める方法を見つければかなり強いチームになります。
まだシーズンが始まったばっかりなので、十分見つける時間はある。
素晴らしいシーズンにするために取り組んでいってほしいですね。
個人的にはシャビにとって勝負の年になると思う。今年がダメなら・・・
レアルマドリード現状:バランスを見出せない発展途上のチーム
ここでは、レアルマドリードの現状を見ていきます。
エースのベンゼマが抜けた今シーズン。若きスターであるベリンガムの活躍の裏で数々の課題を抱える。
その中でも特に気になるものを見ていきます。
課題①:適切な中盤の構成が見つからない
まず1つ目の課題は「適切な中盤の構成が見つからない」です。
クロースとモドリッチが年齢の壁に悩まされる中、レアルの誇る若手MFたちに期待が集まっています。
しかし、どの選手もまだまだ不十分。適切な構成がなかなか見つかりませんね。
ヴィニシウス、ベリンガム、ロドリゴといった脅威の前線を抱えていますが、そこにボールを届ける能力がかなり欠けています。
現状ベリンガムのゴール量産で助かってますが、ベリンガムはFWではなくMFなので長くは続かないでしょう。
ちなみに、CL制覇の2021−22では完璧と言っていいほどバランスが整ったチームでした。
クロースがゲームコントール、モドリッチがチャンスメイク、そしてカゼミーロが守備のすべてを担う。
これに加えて、右WGのバルベルデが攻守のバランスの要として走りまくる。
あとは、ベンゼマとヴィニシウスが止めを刺して終わり。
当時のようなメンバーが揃うことは難しいですが、自由を尊重するプレースタイルである以上、早くバランスを見つけたいところ。
レアルマドリードにとって、攻守のバランスこそ命綱です。
課題②:中盤の守備強度が低い
2つ目の課題は「中盤の守備強度が低い」です。
4ー4−2ダイアモンドでやっている以上、サイドでは数的不利になりがちです。
またヴィニシウスとロドリゴは他チームのFWと比べるとそこまで守備をさせていません。
この結果として、中盤の守備強度が低い状態に陥りがちで、クラシコやブラガ戦では問題になっていましたね。
先ほどの課題との兼ね合いもあり、攻守両面で解決策を見出す必要があるため時間がかかりそうです。
カゼミーロのような守備職人がいればある程度解決できるんですけどね。
課題③:得点力不足が否めない
3つ目の課題は「得点力不足が否めない」です。
現状ベリンガムのフィーバー状態で持ち堪えていますが、いずれ得点は止まります。ベリンガムはMFですからね。
そうなるとやはり前線の選手で得点をしっかり取る必要がありますが、なかなか厳しいところです。
ヴィニシウスは玉離れが悪くなっており、ロドリゴは絶不調。ホセルはまだまだ。
正直、冬の移籍市場でFWを獲得しないとシーズンを乗り越えるのが難しい気がしますね。
良い点①:前線が持つ抜群の破壊力
最後に良い点を1つ。それは「前線が持つ抜群の破壊力」です。
現状では問題を抱える前線ですが、ヴィニシウスとロドリゴの才能は素晴らしい以上のものです。
中盤の問題が解決されて良い形でボールを受けることができれば、彼らを止めるのは不可能でしょう。
クロースとモドリッチの代わりなんて簡単に見つからないよね・・・
まとめ
今回はバルセロナ対レアルマドリードから強みと弱みを解説しました。
最後に両チームの強みと弱みを振り返りましょう。
チームの課題 ・両チームまだまだ発展途上 ・バルサは組織的な動きが未熟で、攻守両面で隙がある ・レアルは適切なバランスが見つかっていない
シーズン序盤であり両チームのポテンシャルを感じさせる一戦でしたね。
レアルの見事な逆転勝利から、「試合は90分ある」ことを改めて認識することができました。
試合前の分析や練習で準備することは大事ですし、そこに疑う余地はありません。
しかし、事前準備だけで試合が構成されることはなく、いかに修正して対応できるかも試合の一部です。
バルセロナはその面をもっと改善していかないといけませんね。
今回の記事で何かご意見等ございましたら、気軽にコメントしてください。
また、両チームのその後を分析した記事もありますので、ぜひご覧ください。
・バルセロナ
・レアルマドリード
最後までお読みいただきありがとうございました。
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