どうも、がんばらないネコです。Twitterで活動しているサッカー分析ブロガーです。
CLレアル対シティについて、「なんで引き分けに終わったの?」など原因が気になる人は多いと思います。
今回の記事では、レアル対シティ1stレグの試合内容を分析し解説しています。
この記事は次のような人にオススメです!
- レアルとシティの狙い
- レアルとシティの修正
- 第2戦でやるべきこと
事実上の決勝戦と言われている一戦に、「レアルとシティは何をやったのか?」と疑問に思っている方も多いかと思います。
今回の記事は両チームの作戦、後半に行った修正、両チームの良い点悪い点を詳しく解説していきます。
今回の記事で読めば、「シティやレアルが強い理由」や「引き分けに終わった理由」などを知れますよ!
サッカーが好きな方や興味がある方は、ぜひ最後までご覧ください。
それでは、どうぞ!
前半:レアルの巧みな中央封鎖とシティのサイド攻撃
昨シーズンCL準決勝と同カードであり、今シーズンCLの事実上の決勝と言われる戦い。
昨シーズンはレアルの大逆転突破で幕を閉じましたが、今シーズンはシティがやり返すのか?、はたまたレアルが再び倒すのか?
1stレグ前半は、レアルの作戦がうまくハマりながらも、シティの高い適応力を見られたおもしろい45分間でした。
では、さっそく前半の内容を見ていきましょう。
シティの狙い:ライン間の支配→ハーランド活用
まずはシティの狙いから見ていきましょう。
シティは基本的にどんな相手に対しても同じような戦い方をします。
具体的に言えば、相手FWーMFライン間を支配し、そこからの縦パスで中央突破を狙う。そしてハーランドにアシストする。
今回のレアル戦に関してに、まずシティが狙ったのは、FW-MFラインを攻略するためにモドリッチをどうにかすること。
ロドリとストーンズのダブルボランチでモドリッチに対して数的優位を形成し、どちらかをフリーにする。
そうすることで、レアルのMF-DFライン間で3対2の数的優位を形成できます。
MF-DFライン間での3対2を攻略することで、デ・ブライネかギュンドアンをフリーにし、最終的にハーランドとのコンビで得点を狙う。
レアルの2CBは世界最高レベルですから、いくらハーランドといえど相棒が必要なため、このような作戦を取ったと思います。
レアルの対応:ライン間の封鎖→サイド誘導
次にレアルの対応を見ていきましょう。
シティの狙いであったように、やはりシティを止めるためには、なんとしても中央突破を防がなくてはいけません。
今回のレアルは、個々の守備力の高さをしっかり押し出し、うまくバランスを取って中央を封鎖してましたね。
まず素晴らしかったのはモドリッチの対応。
ロドリとストーンズに無闇やたらに食いつかず、「スペースを守ること」と「プレッシャーをかけること」の判断を正確にしていた印象。
結果として、ロドリやストーンズのMF-DFライン間への侵入はあまり成功してませんでした。
MF-DFライン間の守備に関しても、レアルらしくマンマーク気味に守り、ギュンドアンとデ・ブライネをなかなかフリーにさせませんでした。
特に、シティDFなどがドリブルで侵入してきても、「マークし続けるのか?」と「プレスに行くのか?」を適切に判断してました。
やはりレアル中盤の守備力、特に判断力の高さには脱帽です。
最後に、中央封鎖をより強固にするために両WGが中央に絞り、縦パスを牽制、そしてシティの左右CBへのパスに誘導していました。
シティのサイド攻撃は、中央からの攻撃に比べれば攻撃力が下がるので、これもうまい作戦だったと思います。
以上のように、レアルは世界最高レベルのシティの攻撃に対して見事な守備を披露していましたね。
シティの対応:右サイドでの攻勢+ミドルシュート
レアルの守備に対して、お得意の中央突破はうまく封じられ、さすがのハーランドもほとんどボールに触れられず。
後半はやや改善しましたが、この試合でのハーランドのタッチ数は全選手の中で最下位の22回。
以上のように、中央突破を止められたシティでしたが、さすがの適応力を見せてサイドからの攻勢を強めます。
レアル左WGのヴィニシウスはある程度守備免除されているため、シティは右サイドでのオーバーラップからチャンスを創出。
得点には至りませんでしたが、何度か惜しいチャンスがありましたね。
また、マンマーク気味に守備することの代償であるミドルレンジのスペースを空くことをしっかり利用して、ミドルシュートも多く打ちました。
以上のように、中央突破を止められたとしても、サイド攻撃やミドルシュートといった攻撃方法で、レアルにダメージを与えていたシティ。
結果的に、前半のシュート数はシティが大幅に上回り、試合展開としてはシティ優勢といえる内容でした。
レアルの得点:空きがちなシティ中盤を攻略
シティ優勢の前半でしたが、得点を奪ったのはレアル。
ヴィニシウスの見事なミドルシュートからの得点でしたが、シティ守備の弱点をうまく突いた得点でもありました。
まず、シティの守備はレアルに比べると対人の意識が強く、スペースよりは人を優先的に守っていた印象。
また、ヴィニシウスやベンゼマの裏抜けを警戒してか、DFラインが比較的低い位置に形成されていました。
その結果、中盤にスペースを作りがちで、レアルはそこをうまく突いてゴール前に前進できていました。
モドリッチが巧みにスペースを活用し、カマヴィンガがワンツーでスペースに侵入。
低めのDFラインのために、前進してくるカマヴィンガに誰も対応できません。
それに加えて、対人の意識が高いため、逆サイドにいたMFギュンドアンの帰陣も遅れ、レアルが一気にゴール前まで前進できました。
帰陣が遅れるシティMFが空けたスペースをしっかり活用し、ヴィニシウスが強烈ミドル。
とんでもないシュートで先制点を奪いました。やはりレアルは隙を逃さないチームですね。
後半:組み立て修正からオープンな展開に
前半は両チームとも守備がいいこともあり、狙い通りの組み立てを行えない中、適応力が高かったシティが優勢に試合を進めました。
そんな状況に対して、後半はしっかり修正してきた両チーム。結果として、試合はトランジションの多いオープンな展開に。
では、両チームの修正内容を見ていきましょう。
レアルの修正:モドリッチを左SBに
まず、ホームということもあり勝利を掴みたいレアルは、組み立てを大幅に修正し追加点を狙いました。
前半はシティのクロース封じや中央封鎖により、モドリッチやクロースから良いボールを供給できない状況でした。
比較的にフリーになれたSBカマヴィンガからの組み立てが期待されましたが、うまくいったのは得点シーンを含め2、3回だけ。
シティの守備に対して、レアル側の修正は「SBの位置にモドリッチを持ってくること」でした。
シティの守備では、WGも中央に絞り、SBはある程度フリーにすることを許容することになります。
そのデメリットをしっかり突き、モドリッチがSBの位置からすばらしい組み立てを披露。
シティのベルナルトやロドリも「どこを守ればいいのか?」がやや混乱して、レアル左サイドで多くのフリーマンを作られてましたね。
この修正によって、前半とは打って変わってチャンスを量産したレアルでしたが、得点には至らず。
そんなレアルの隙を逃さず、シティ側も攻勢を強めました。
シティの修正:ストーンズをCB化、サイドからの攻勢を強める
前半はレアルの中盤陣の見事な対応により、思ったような組み立てができなかったシティ。
しかし、さすがの修正力でレアルの守備を掻い潜りました。
まずモドリッチに対しては、ストーンズがCBの位置に移動し、ロドリと縦関係になること。
これによって、モドリッチの背後を取れるようになり、レアルFW-MFライン間を攻略できるようになりました。
続いて、中央突破は諦めて、サイドからの攻撃をより強化。
ギュンドアンとデ・ブライネがよりサイドに開き、レアルSBに対して2対1を形成。そしてコンビネーションで崩しにかかりました。
この修正により、デ・ブライネの決定機が生まれましたね。
シティの得点:オープンな展開を制する
これまで説明した通り、両チームともに組み立てを修正したことで攻撃機会が増え、トランジションがかなり増えた印象。
そんなオープンな展開になかで、シティが得点を奪いました。
レアルのカウンターの場面。カマヴィンガから中央に縦パスが入りますが・・・
世界最高レベルのネガティブトランジションを持つシティはしっかり対応。
ロドリがしっかりボール奪取し、ショートカウンターを開始するシティ。
この場面で注目したいのは、レアルMF3人の位置。前半同様、やはりDFラインに吸収されています。
これによって、ミドルシュートを打てるスペースが生まれ、同点弾が生まれました。
レアルMFが空けたスペースでボールを受けるデ・ブライネがダイレクトシュート。
とんでもない速度でゴールに突き刺さったシュートで、アウェイで貴重な同点弾を奪いました。
以上のように、今シーズンのシティは「オープンな展開の中でも十分戦える」チームになっていますね。
アーセナル戦でも、バイエルン戦でも、強い相手に対してポゼッションを譲っても、試合に勝ち切れる力まで手にしている。
カップ戦での戦い方もうまくなっているのではないかと、個人的には思いますね。
第2戦に向けて
互角といえる内容で、1−1という妥当な結果に終わった第1戦。
両チームとも良い部分も悪い部分もありました。第2戦にどのような修正をしてくるのか非常に楽しみです。
最後に、個人的に修正するべきポイントをまとめようと思います。
シティ側:いかに中央を攻略し得点を奪うか?
まずシティに関しては、やはり中央突破とCB攻略の2点をどうにかしたいですね。
そのために、まずスタメンはアルバレスとアケを起用した4−4−2。
第2戦はホームなので、第1戦よりリスクを負って攻めて打ち勝つことを目的にしたい。
組み立てに関しては、ストーンズとロドリの縦関係でモドリッチを攻略し、ライン間への縦パスを準備。
そして、右WG起用のベルナルトが状況に応じて中央にポジショニングし、デ・ブライネとともにライン間の支配を狙う。
最後は、ハーランドとアルバレスの2人でレアル2CBと対峙。さすがのレアルCBも2対2での対応は難しいはず。
ここで最も気をつけるべきは、右サイドの守備。好調ヴィニシウスがいるため、うまく対応しないといけない。
そのために、右SBウォーカーが「WGの位置に行くか?」と「やや後方に残るか?」を適切に判断しなくてはいけません。
もしウォーカーの判断が適切でなければ、ヴィニシウスにカウンターでやられますし、右サイドからの攻撃が停滞することにつながります。
以上のように、中央からの攻撃を強化しつつ、右サイドでの攻守をしっかりバランスを取ることを、第2戦では修正してほしいですね。
レアル側:中盤のスペースを消しつつカウンターを決められるか?
第2戦で攻勢を強めてくるであろうシティに対して、第1戦以上に中盤のスペースを消せるのかが、レアルにとって1番の課題でしょう。
まずスタメンに関しては、右WGにバルベルデを起用して、攻撃力は失うが中盤での強度を確保することを優先する。
第1戦ではロドリゴが起用されていたが、やはり守備対応のミスが多く、シティにスペースを与えていたと思う。
攻勢を強めてくるであろうシティに対して、そのミスは致命傷になりかねないので、安全策でバルベルデを起用するべきかと。
作戦としては、第1戦と同様の守備戦術を行いつつ、右WGバルベルデが中盤のケアをしっかり行うこと。
そうやってシティ攻撃に耐えつつ、好調のヴィニシウスとエースのベンゼマの2人でカウンターを決める。
正直延長戦やPK戦もありなので、まずは守り切ることに集中して第2戦は臨むべきだと思いますね。
最後に
今回はシティ対レアル1stレグを解説しました。
最後にシティ対レアル1stレグを振り返りましょう。
1stレグまとめ ・レアルは見事な守備で対応 ・シティは引き出しの多さで対応 ・結果的にシティ優勢で2ndレグへ
世界最高のクラブ同士の戦いはやはり見応えがあるものでしたね。
各選手の質は高く、簡単には得点を許さない。そんな中でスーパーゴールで得点を奪う。
レアルもシティも、世界最高のクラブであることを証明した試合だったと言えますね。
第2戦はより死力を尽くした戦いになるでしょうから、今からワクワクです。
第2戦は5月17日深夜4時から。絶対に見逃すな!!
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第2戦の分析記事もありますので、興味がある方はぜひご覧ください。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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