サッカー大好き”がんばらないネコ”です。
今日は話題のサッカードキュメンタリーである「アルゼンチン代表 カタールへの軌跡」の感想を書きたいと思います。
【アルゼンチン代表 カタールへの軌跡 感想】悲願達成への完璧な準備
「アルゼンチン代表 カタールへの軌跡」、ご覧になられたでしょうか?
2022年カタールW杯で悲願の優勝を果たしたアルゼンチン代表のW杯までの道のりを収めたこの作品。
今回は「アルゼンチン代表 カタールへの軌跡」の感想を皆さんに共有したいと思います。
”アルゼンチン代表 カタールへの軌跡”とは?
まず「アルゼンチン代表 カタールへの軌跡」は、Amazon primeで独占配信しているアルゼンチン代表の裏側に迫ったドキュメンタリーです。
アルゼンチンA代表は長年タイトルから遠ざかり、エースのメッシを擁しても何度も悔しい思いをしてきました。
しかし、スカローニ監督就任後にチームとして大きく成長したアルゼンチン代表。
スカローニ監督のもと、悲願のW杯制覇を狙うアルゼンチン代表の姿を映したのが今回の作品。
W杯に向けた選手やコーチ、スタッフたちの思いを知ることができる作品になってます。
アルゼンチン代表の歴史
隣国でありサッカー王国ブラジルとともに、サッカー界を引っ張ってきた強国アルゼンチン。
1986年、かのマラドーナを中心に躍動したチームがW杯を制した。1990年代はコパアメリカの優勝も経験。
しかし、2000年代に入るとタイトルから遠ざかり、メッシでさえタイトル獲得から縁が遠い存在となってました。
2014年W杯では決勝まで進むも、当時最強だったドイツ相手に延長戦の末敗北。
また、2015年そして16年と2年連続で行われたコパ・アメリカでも決勝で勝てず準優勝で終わりました。
3度の決勝戦に敗れ、2018年W杯でもベスト16止まり。本当にタイトルに縁のない代表でしたね。
しかしその現状を打破したのは、元代表でありアンダーの監督経験があるスカローニ。
今回の作品は、スカローニ監督のもとチーム一丸となって素晴らしい努力をしていく姿を記録しています。
ネタバレなし感想:ついに完成した”サッカーチーム”
ここからはネタバレなしの感想です。これ以降にネタバレ感想を書きますので、ネタバレが嫌な方はこの章まで読んでいただければと思います。
まずお伝えしたのは、スカローニ就任前までの代表はチームとして機能してませんでした。
素晴らしいFW陣に恵まれてましたが、それを支えるMFやDF陣に恵まれず、常にバランスが崩れやすいチーム。
また戦術面でも、”メッシを活かす”ではなく”メッシに頼る”というものばかり。
リズムを掴めない攻撃に終始し試合の主導権を握れず、守備に悪影響を与え、最終的に敗北する試合が数多く見られましたね。
チームとして不十分な出来だったために大事な試合に勝てず、3度の決勝で敗北するという必然ともいえる結果につながりました。
そんなチームを大きく変えた存在が現監督スカローニ。”メッシを活かす”チームへと変貌させていきました。
メッシが中心なことに変わりありませんでしたが、メッシのために走り戦える選手を揃える。
そして、連携も非常に強化され、メッシ抜きでもプレーが成立するようになりました。
スカローニ監督のもと、チームとして機能するようになったアルゼンチン代表は、必然かのように勝利を積み重ね、コパ・アメリカ制覇を達成しましたね。
悲願を達成したチームは、その後のW杯予選でも素晴らしい戦いぶりを見せつけ、メッシ最後の挑戦となるであろうW杯出場を決めました。
以上のように、素晴らしいチームとなったアルゼンチン代表。
しかし、なぜチームは急成長したのか?最大の理由は、メッシを慕う仲間たちの存在だと言えます。
メッシが静かで内気な人間だというのは有名で、所属チームでも代表でも口数がかなり少ない選手です。
チームに馴染めないことが多く、かつての代表チームでは親友アグエロとしか喋らないと有名でしたね。
結果として、チーム全体がぎこちない関係になり、チーム力の強化をするのは難しい状況に。
しかし、時が経ち、メッシの周りにいる選手たちはみな、”メッシを優勝させたい”と本気で思う後輩たちになりました。
子供の時からメッシのプレーを見て憧れた選手たち。
そして、これまでのアルゼンチン代表、そしてメッシの苦しみを見て育った選手たち。
彼らは本気でメッシとともにプレーし、アルゼンチン代表に、そしてメッシにタイトルを獲得させたいと思う選手です。
その姿は数多くあるインタビューでも読み取れ、しきりに「メッシのために勝ちたい」という姿が見られます。
また、内気なメッシと冗談を交わし、朝には一緒にマテ茶を飲むなど、メッシと積極的にコミュケーションを取ろうとするデパウルたちの存在も大きかったですね。
先ほども述べたように、以前のメッシは親友のアグエロとしか喋らないことで有名。
しかし、デパウルたちが積極的なコミュケーションをとることでメッシも変わり、仲睦まじい姿がよく見られるようになりました。
そんな後輩たちの存在もあり、チームを家族のように思えるようになったメッシは、真の意味でチームの一員に。
もはや”メッシのチーム”ではなくなり、選手一人一人がしっかり役割を果たす責任感のある手堅いチームになりましたね。
今回の作品では、チームの雰囲気の良さが伝わってくる場面が数多くあり、彼らの成功が必然であることがわかります。
どれだけ優秀な選手が揃っても、どれだけ優秀なコーチ陣に率られても、結局はチームとして機能するかが勝利の決め手。
「サッカーはチームでやるものだ」という当然のことだが多くの人が忘れがちなことを教えてくれるのが、今回のドキュメンタリーとなってます。
「戦犯」という言葉に代表されるように、個人にフォーカスすることが多いサッカー界。
だからこそ、今回の作品はサッカーファンの方なら誰でも見てほしいと思う作品。
ぜひご覧ください。
【ここからネタバレあり】家族のようなチームとなったアルビセレステ
ここからはネタバレありの感想です。各エピソードの中で注目してほしいシーンをご紹介し感想を述べていきます。
ネタバレが嫌な方は、絶対に見ないように!!
エピソード1:アメリカカップ
第1話で心に残ったシーンは、初タイトルを喜ぶ姿です。
ここまでで述べてきたように、アルゼンチン代表はタイトルに恵まれなかった。
3度の決勝に敗れ、ベテランとなったメッシも一度は諦めた。
しかし、スカローニ就任後に大きく成長したアルゼンチン代表はタイトルにふさわしいチームに変貌。
コロナ禍で行われたコパ・アメリカ2021において堅実な戦いぶりを見せ、グループステージを突破。
決勝トーナメントにおいては、PK戦での勝利など勝負強さを見せ、ブラジルが待つ決勝に辿り着く。
舞台はブラジルサッカーの聖地マラカナン。
激闘という言葉もなまぬるい戦いの末、1−0で勝利し、見事タイトルを獲得できました。
試合終了とともに泣き崩れるメッシ。すぐさまメッシに駆け寄るチームメイトたち。その姿は世界を感動させましたね。
サッカーは人に大きな感動を与えるものだと再確認できた名シーンでした。
エピソード2:ファイナリシマ
第2話で心に残ったシーンは、サッカー強国が持つ大きな歴史です。
2022年6月、南米王者であるアルゼンチンと欧州王者であるイタリアが対戦するファイナリシマが開催されました。
アルゼンチン代表にとっては、自分たちの力が欧州勢にも通用するのかを試せる大きなテストになります。
当時やや不調だったとはいえW杯王者でもあるイタリアとの試合は大変です。
しかし、アルゼンチン代表は素晴らしい戦いを見せ、イタリア相手に3−0での完勝。W杯へ万全の状態であることを世界に知らしめました。
なぜ彼らは素晴らしい戦いを披露できるのか?それは過去の代表選手が築いてきた輝かしい重たい歴史です。
1921年に南米王者になって以来、合計15回も南米の頂点に輝いている。
また、W杯でも1978年に名将メノッティのもと優勝を果たし、サッカー強国の仲間入りを果たす。
数多くの名手を生み出し、素晴らしい歴史を築いてきたアルゼンチン代表。
そんな素晴らしい歴史の中で最も重要で影響力を持っているのがマラドーナです。
経済的に不安定で多くの国民が大変な思いをしているアルゼンチン。
1982年イングランドとのフォークランド紛争によって多くの死者が。
戦争を経験し国全体が暗い雰囲気に包まれる中で開催された1986年ワールドカップ。
前評判は低かったものの、神の子マラドーナを中心に勝ち進んでいき、運命のいたずらなのか、準々決勝でイングランドとの対戦が決定。
国民全員が注目するイングランド戦で、神のようなパフォーマンスを見せたマラドーナはチームを勝利に導く。
その勢いのまま勝ち上がり決勝に辿り着き、西ドイツとの激闘を制して見事世界王者になりました。
神の子が見せた希望はアルゼンチン全体を明るくし、強国相手に泥臭くも華麗に勝つマラドーナの姿はサッカーを愛する人全てにとっての目標になりました。
今のアルゼンチン代表がどんな状況でも勝利を目指す姿は、マラドーナという大きい存在が形作ったんだなと思いましたね。
エピソード3:予選
第3話で心に残ったシーンは、メッシの涙です。
南米王者となったメッシたちの次なる目標はW杯制覇。そんな彼らにとってタフな戦い、南米予選が始まりました。
選手たちが語るように、いくら南米王者になったとはいえ最終予選は別物であり過酷です。
ちょうどコロナ禍でもあり、国民にとってもツラい時期でしたね。
しかし、そんな過酷な戦いにおいても堅実な戦いぶりを見せる代表戦士たち。
予選をうまく生き抜いて行く中、南米王者になって以来初のアルゼンチン国内での試合が行われました。
ボリビア相手に素晴らしい戦いを見せ、メッシはハットトリックを達成。
コロナ禍で苦しむアルゼンチン国民のみんなに勇気を与えられる戦いを披露できました。
試合後のインタビュー。メッシが応じる。待ちに待った国民の前での試合を終えて感無量の涙を流す。
代表戦士がサッカーを通じて国民とともに人生を突き進んでいる姿は、やはり心を大きく動かすなと思ったシーンでした。
エピソード4:トレーニングセンター
第4話で心に残ったシーンは、「チームの雰囲気の良さ」です。
代表チーム内において、メッシの親友であり相棒だったアグエロ。
そんなアグエロが不整脈を患い2021年12月に現役を引退。代表チームからも引退しました。
内気なメッシが心許せる数少ない選手がいなくなり、タイトル獲得に向けて不穏な空気が漂ったはず。
しかし、そんな心配は無用でしたね。
コロナ禍によって家族を離れて選手たちだけで過ごすことが増えたのが良い影響をもたらしたのか?
練習や休憩中での選手たちの顔には笑顔がよく見え、内気なメッシもチームにだいぶ溶け込んでいる様子。
もはや代表チームはメッシの家族であり、W杯制覇に向けて準備は整ったと思えた瞬間でしたね。
エピソード5:最終調整
第5話で心に残ったシーンは、新ユニフォームのお披露目です。
サッカーにおいて勝者は1チームのみ。タイトルを獲得できるのも1チームのみ。
タイトルを勝ち取ったチームはトロフィーを受け取りみんなで喜びと達成感を分かち合う。
ただ、タイトルを勝ち取った者のもう1つの特権としては、王者としてプレーできること。
これまでタイトルから遠ざかっていたため、いつも挑戦者としてプレーしていたアルゼンチン代表。
しかし南米王者となった今、どんな相手に対しても王者として自信を持ってプレーできますね。
新ユニフォームの胸元には南米王者の証が取り付けられる。「やっと王者になれたんだ」と誇らしげな選手たちの顔。
たくさんの苦しみの末にこのユニフォームが存在すると考えると、非常に感慨深い場面でしたね。
エピソード6:カウントダウン
第6話(最終話)で心に残ったシーンは、「運命のメンバー発表」です。
スカローニ監督にもと、南米王者となりW杯最終予選も戦ってきたアルゼンチンの選手たち。
ほぼ毎回召集されていた選手もいるでしょうし、たまに召集される選手も。
どんな選手も代表に貢献しようと努力してきましたが、W杯に行けるのは26人のみ。
運命の発表を前に緊張気味な選手たち。
どの選手も「メッシは選ばれるのは確定だけどね笑」とジョークをいいます。
2022年11月11日、スカローニ監督がメンバーを発表。メッシを中心に順当なメンバーが揃う。
選出されたことに喜ぶ選手たちの姿。
その一方で、映ってはいませんが落選に涙を流した選手もいるでしょう。
これがサッカーでありW杯です。4年に1度の舞台は世界中の選手にとってかけがえのない舞台なのです。
メンバー発表が終わり、大会直前の試合でも勝利をあげる。これで準備万端という感じが見て取れます。
その後の結末はみなさんご存知でしょう?
このドキュメンタリーで見られた選手や監督たちの関係性を見れば、彼らを待っていた結末は彼らにふさわしいものだったと思います。
アルゼンチンというサッカー強国が持つ耀かしくも重たい歴史。
そのプレッシャーを背負い戦い続ける選手と監督たち。
彼らがW杯で見せた姿がいかに形作られたのか?それを知れるのが今回の作品だと私は思いますね。
アルゼンチンのファンやメッシのファンの人なら見るべきですし、そのほかの人も見るべきです。
人は誰かと一緒だから強くなれます。
カタールへの軌跡視聴方法:アマゾンプライム限定
最後に「アルゼンチン代表 カタールへの軌跡」の視聴方法を簡単に説明します。
最初に言いましたが、「アルゼンチン代表 カタールへの軌跡」はAmazon prime videoの番組です。
なので、AmazonのPrime会員になる必要がありますが、月々600円もしくは年間プラン5900円(月額プランより1300円お得)でなれます。
Prime会員になれば、送料無料や会員限定セールなど多数の特典付き。
また、All or nothingという有名スポーツドキュメンタリーなどもありますから、楽しんでいただけるその他作品もあります。
今回の記事で「アルゼンチン代表 カタールへの軌跡」並びにPrime videoに興味を持った方は、会員登録することをオススメします。
以下にPrime会員の情報を貼っておくので、ご確認ください。
少しでも興味を持たれたのならぜひご覧ください!!
最後に:【アルゼンチン代表 カタールへの軌跡 感想】悲願達成への完璧な準備
今回の記事では、「アルゼンチン代表 カタールへの軌跡」の感想を書きました。
ストーリー仕立てで作られているものではなく、インタビューを中心に作られた作品のため感情移入は少ないです。
ただその分リアルな感じが伝わるので、信頼できる作品とも言えますね。
南米王者であり世界王者でもある現アルゼンチン代表。
素晴らしい瞬間を私たちサッカーファンに届けてくれたことを心から感謝します。
この記事で何かご意見等ございましたら、気軽にコメントしてください。
また、悲願を達成したW杯でのアルゼンチン代表を分析した記事もありますので、ぜひご覧ください。
・メキシコ戦
・大会統括
最後までお読みいただきありがとうございました。
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