どうも、がんばらないネコです。Twitterで活動しているサッカー分析ブロガーです。
今回は最近のレアルマドリードの戦いぶりから、タイトル獲得の可能性を見ていきましょう。
この記事は、以下の内容をお送りします。
この記事の内容はこちら!!
- 今のレアルの強みは?
- タイトル獲得に向けた課題は?
- タイトルを獲れる確率は?
素晴らしい成績を残し続ける銀河系軍団。今シーズンは何を成し遂げるのでしょうか?
今回の記事はレアルの強み、今の課題、タイトルを獲得できるかを詳しく解説していきます。
今回の記事で読めば、「レアルの強さはどこから来る?」や「タイトルに向けた懸念点」などを知れますよ!
サッカーが好きな方や興味がある方は、ぜひ最後までご覧ください。
それでは、どうぞ!
レアルマドリードの強さ:推進力を活かした連携
”エース”ベンゼマが抜けた今シーズン。
新加入ベリンガムの躍動もありシーズン序盤を乗り切り、現時点でリーグは1位、CLはベスト16進出。
いろんな課題がありながらもまずまずの戦いを見せていると言える現状です。
ただシーズンはここから。2月からCL決勝トーナメントが始まり、厳しい相手たちと試合を繰り返すことになります。
若い才能が揃う今のレアルマドリードは2月からの過酷な戦いを生き抜くことができるか?2冠を達成できる強さがあるのか?
この章では、現在のレアルマドリードの強さを見ていきたいと思います。
※分析対象にしたのは、スーペルコパのアトレティコ戦からリーグでのアトレティコ戦までの合計6試合です。
戦力確認:推進力のある選手が揃う
まずは戦力を確認しましょう。
ザッと見ても、走れる選手、言い換えれば推進力を持った選手が多い印象ですね。
ヴィニシウス、ロドリゴ、ベリンガムという脅威の前線はみな推進力があります(彼らのカウンターを見てください!!)。
MFにおいても、バルベルデやカマヴィンガ、モドリッチと走れる選手が多い。
SBに関しても、カルバハルもバスケスもメンディも走れる。
また、控え組ですがよく試合に出るディアスやセバージョス、ガルシアもしっかり走れる選手。
みんなテクニックがあって走力もある選手であり、この長所を活かせば強力なチームになりそう。
ということで、アンチェロッティのもと推進力を活かしたチームを構築し始めて数ヶ月。
チーム内のケミストリーも着実に成長し、なかなかの武器を持つチームになりました。
それでは、今のレアルマドリードの強みを見ていきましょう。
強さ:推進力を活かしたポジションチェンジ
今のレアルの強さはなんといっても、推進力を活かしたポジションチェンジですね。
フォーメーションは4−4−2ダイアモンドですが、各選手がいろんなポジションに移ります。
このポジションチェンジ時に推進力を活かした動きをして、ダイナミックで強力な連携を見せている。
例えば、1月のマジョルカ戦での1シーンは今のレアルの怖さを表しています。
見てわかる通り、多くの選手が元のポジションとは違う位置にいるのがわかりますね。
FWロドリゴは中盤に降りてますし、SBカルバハルは前線の高い位置に。モドリッチはWGのような位置どり。
このように今のレアルはフォーメーションがあるようでまったくないチーム。
ただ、ポジションチェンジをしたからといって得点できるわけではない。
各選手同士が行うポジションチェンジにしっかり意味があり、相手にダメージを与えるものでないと意味はない。
このシーンの場合、まずSBカルバハルが高い位置に移動し、そして中央に移動することで相手SBを中央に誘導。
そのおかげで、サイドに移動したモドリッチがフリーになっています。
これに加えて、ロドリゴが中盤に降りたことで相手CBのマークがあいまいになり、カルバハルを警戒してかサイドに寄っている。
その結果、相手CB間にスペースができ、ベリンガムが推進力のある動きでそのスペースを狙える状況になっています。
サイドに展開後、ボールを受けたモドリッチに対してマークが追いつかない相手DF。
マークが緩いので高精度のクロスを上げることができるモドリッチ。
そして、フリーでスペースに走り込めているベリンガム。
最終的にゴールにはなりませんでしたが、ポジションチェンジによりピンポイントクロスからのシュートまで持ち込めました。
以上のように、スピードとアイディア、そして精度も高いポジションチェンジは今のレアルの大きな武器です。
シーズン序盤は噛み合わなかった連携ですが、試合を重ねて練度も上がり、連携の質と量ともに完成されつつある。
90分通して強力なポジションチェンジを披露できているレアルの攻撃は、どのチームにとっても驚異でしょう。
※非常に高い個人能力からの攻撃も強力なことは言うまでもないですね!!
今シーズンのベストメンバー(個人的)
本章最後に、個人的ベストメンバー(重要な試合でのスタメン)を考えたいと思います。
まず前線3人は確定。ヴィニシウスとベリンガム、そしてロドリゴ。個人で相手を崩せる選手は外せない。
ヴィニシウスが中央でのプレーを改善してきているので、3人の連携も日に日に成熟している印象。
では、この驚異の前線3人を支えるMFとして欠かせない選手は誰かというと、個人的にはクロースを指名します。
推進力がある3人ですから、局所的な攻撃ではなく、カウンターを含め中長距離の攻撃を得意としている。
その中長距離の攻撃に必要なのは高精度の中長距離パスであり、その点に関してクロースは名手中の名手。
これに加えて、組み立てを安定させ試合をコントロールする能力もあるので、MFのなかでファーストチョイスはクロースですね。
MF残り2枠を誰にするかですが、やはり守備を重視するべきだと思うので、バルベルデとカマヴィンガを推します。
カウンターも武器にしているチームなので、前線3人に守備で大きな負担を背負わせるべきではない。
その一方で、フィジカル的には優秀ではないクロースに多くの守備タスクを背負わせるのもおかしい。
両方の問題を解決するために、フィジカルと走力に優れるバルベルデ、SBもこなせるカマヴィンガを選ぶべきだと思います。
両者は攻撃面でもある程度計算が立つ選手であり、組み立てでも崩しでも力となれる選手。
個人的には、MFはこの3枚で決まりですね。
最後にDFラインですが、レアルDFラインは世界的に見てもトップクラス。
SBはカルバハルとメンディ、CBはリュディガーとミリトン(3月復帰予定)。この4人で間違いない。
アラバが今シーズン絶望なのが痛いですが、代わりのリュディガーもかなりのCBなので問題ないと思います。
そしてGKはクルトワ一択(3月復帰予定)。
以上が私の思うベストメンバーですが、2月からの厳しい戦いを生き抜くには控え組の力も重要なので見ていきましょう。
まずFW陣では、ホセルとディアスという途中出場でもインパクトを残せる選手がいますね。
そしてMF陣では、もはや説明なんていらない選手であるモドリッチ。
最後にDF陣に関しては、ナチョもガルシアもバスケスもしっかり仕事をしてくれている印象なので問題なさそう。
正直2軍ではなく1.5軍と呼べるレベルの控え選手たちです。
以上のように、スタメンと控え組ともに強力で、お互いを補え合える選手が揃っているチームになっています。
2冠を達成するために十分な力がある!!
マジで仕上がってきている!!
タイトル獲得への課題:サイドの守備など
この章では、今シーズンタイトル獲得に向けての課題を見ていきたいと思います。
順調な仕上がりを見せるレアルマドリードですが、課題がないわけではありません。
強烈な個を擁し、自由を尊重するチームスタイルであるが故のデメリットを持つ運命。
それでは見ていきましょう。
シーズン序盤からの成長:バランスとチャンスメイク力が改善
まず最初にシーズン序盤での課題を振り返ります。
- 適切な中盤の構成が見つからない
- 中盤の守備強度が低い
- 得点力不足が否めない
という3つの課題を書きました。
端的に言えば、チャンスメイク力不足と攻守のバランスが崩れていること、そして得点力不足です。
”エース”ベンゼマが抜けセンターFWがいなくなったことで、バルベルデを右WGに使ったバランス重視の4−3−3はできない状況。
また、新加入ベリンガムはFWではなくMFであり、ベリンガムを含む驚異の前線3人を同時起用するなら4−4−2ダイアモンドしかない。
結果としてサイド攻撃に弱くなり、対策としてバルベルデとベリンガムをサイドの守備につかせたことで中央が空いてしまうという問題が。
攻撃面では、クロースとモドリッチという名手に比べて、カマヴィンガなどの若手はやはり力不足だった。
組み立てでもチャンスメイクでも十分な力を発揮できていると思えないパフォーマンス(若手なので)。
ベリンガムの得点でなんとか持ち堪えていましたが、チーム状況としては良くないものでした。
こういった課題がシーズン序盤で見られましたが、2月時点では課題は順調に解決されてきていると思います。
まず攻守のバランスに関しては、中盤が3センターのような守備+前線のプレスの改善により安定し出している。
今のレアルを見ていると、優秀なSBを信頼して中央を優先的に守り、それがうまくいっていると思えますね。
サイドの守備をしていたバルベルデは中央優先に変更し、他の2MFと3センターを形成。これによって中央のスペースをしっかり消す。
バルベルデは走力のある選手なので、DFラインへのヘルプも担当。今のレアルの生命線とも呼べるかも。
また、前線のプレスを改善しボール奪取力を強化。また低めのポジショニングで中央のスペースを消すことも多くなっている。
そしてチャンスメイク力の改善ですが、先ほど説明した「推進力を活かしたポジションチェンジ」によって解決されつつあります。
チーム全体のケミストリーが良くなっていることはもちろん、各選手の成長も見られる。
ヴィニシウスはサイドだけでなく中央でのプレーも改善している。
カマヴィンガは中央での組み立てが改善し始め、ボランチとして起用できる力をつけてきている印象(球離れは改善しよう)。
そして控えのガルシアやバスケスも含め、SBが攻守両面で躍動してくれている。
チームとしても、個人としてもしっかり成長しているので、チャンスメイク力の課題も消えつつありますね。
以上のように、シーズン序盤にあった課題を見事に解決している今のレアル。
ただ、それでも課題は存在し、タイトル獲得に向けた不安材料があります。
1つずつ見ていきましょう。
課題①:サイド攻撃に自由を与えがち
課題1つ目は、「サイド攻撃に自由を与えがち」です。
リュディガーのクリアミスからの失点ですが、やはりSB付近や3センター両脇が空きがちになり、高精度のパスを供給されやすい。
DFラインが超優秀なレアルなので、高精度のパスを入れられても大抵は止められますが、失点につながることもあるのは確か。
本当はどうにかするべきですが、4−4−2ダイアモンド、そして中央優先の守備をやっている以上仕方がないことです。
たとえ攻められようとも最小失点で乗り越えるか?今シーズンは必ずつきまとう問題ですね。
課題②:ベリンガムの代わりがいない
課題2つ目は「ベリンガムの代わりがいない」です。
分析した試合の1つであるラスパルマス戦にはベリンガムが出ませんでした。
ベリンガムが出なかった結果どうなったかというと、試合には勝ちましたがレアルの強みが大幅に消えていた印象。
推進力を活かしたダイナミックな連携が強みのレアルですが、ベリンガムがいなくなったことで鳴りを潜めましたね。
それでもチャンスをしっかり作っていたことはさすがですが、ベリンガムがいないことで別チームになってしまう。
正直、ベリンガムが怪我をして残り全休ともなればラ・リーガすら取れないかもしれません。
課題③:クロースの代わりがいない
課題3つ目は「クロースの代わりがいない」です。
アトレティコ戦での得点シーンは、クロースがどれほど重要な存在なのかを表す1シーンです。
スペースがある場所にボールを供給することで、レアルの強み「推進力を活かしたポジションチェンジ」がより活性化されます。
クロースが持つサッカーIQと高精度の中長距離パスも今のレアルにとって重要ですね。
クロースがいない時間帯はやはり局所的な攻撃が増えてスペースを失い、レアルの強みを消してしまうことが多いです。
また、組み立てもクロースがいる時が一番安定している印象。
ベリンガムほど不可欠ではないが、重要な試合でクロースがいないとかなりの痛手となるのは確かですね。
課題④:ネガティブトランジションが弱い
強みであるポジションチェンジのデメリットは、陣形が崩れやすくネガティブトランジションに弱くなることです。
各選手が素早く適切にポジショニングすれば問題ないですが、90分間完璧にし続けるの不可能。どんなチームでもミスします。
レアルの場合、頻度は多くないですがポジショニングミスからカウンターを喰らう場面が普通に見受けられます。
ポジションチェンジ時に各選手の走る距離が長いので、余計にポジショニングが崩れやすいと思う(仕方ないけど)。
DFラインが優秀なのである程度は止められますが、CLの試合など相手が強くなると話は別。
特にCBが怪我がちな今シーズンはもっと気をつけないと、思わぬところで足元をすくわれるかもしれません。
課題⑤:得点と失点のバランス
最後の課題は「得点と失点のバランス」です。
スーペルコパ、国王杯、そしてリーグ戦でアトレティコと3試合ありましたが、失点の仕方が悪い。
アディショナルタイムに入れられたリーグ戦もそうですし、スーペルコパでも78分に失点してリードを許す。
国王杯ではダメ押しの4点目を喰らう。
もちろんこれは得点できない悪い時間が多いことも原因です。
正直アトレティコとの3試合すべて、多くあったチャンスの中で1点でも決めておけば、すんなり勝てたと思います。
しかし、シュートをことごとく外し試合を決められずにいるところを同点、もしくは逆転されていた印象。
自由を尊重するスタイルである以上、試合の流れをうまく掴むような得点と失点しなければ試合に負けやすい。
世界屈指の勝負強さを持つレアルですが、毎回発揮できるものではありません。
どんなチームにも課題は存在する。それをうまく隠せるかだ!!
タイトル獲得の可能性は?2冠の可能性を見てみる
最後に、今シーズンのレアルマドリードがタイトルを獲れる可能性をどのくらい持つかを考えていきます。
ここ10年間で一番成功しているクラブの1つに数えてもいいクラブ。
果たして、今シーズンはどうでしょうか?
ラ・リーガ制覇の確率:80%
まずラ・リーガに関しては、優勝確率は80%でしょう。
理由としては、ライバルが不調で、ジローナは戦力などが不足していることからです。
バルセロナは、シャビがシーズン後に退任することを表明するなどうまくいってません。
アトレティコもスカッドの割に勝ち点を多く取りこぼしている。
また2位につけているジローナは強いですが、シーズンを乗り切れる戦力や経験があるとは思えない。
プレミアであったレスター優勝など下位や中堅チームの優勝もありますが、強豪が不調であることが絶対条件。
いまのレアルは不調とは思えない出来であり、これからもっと強くなっていくようなチーム状況です。
もちろんCBが怪我がちなことなど課題もあるので完璧とは言わないですが、ほぼほぼ手中に収めていると思います。
CL制覇の確率:30%
Back this month ✨#UCL pic.twitter.com/p03CTXUPDB
— UEFA Champions League (@ChampionsLeague) February 1, 2024
CLに関しては、優勝確率は30%。強豪が多いので優勝候補はどのチームも似たような確率だと思ってます。
まず優勝候補に挙げられるのは、マンチェスターシティ、バイエルン、レアルマドリードの3つ。
次点がインテル、PSGの2つ。
バイエルンやPSGは好調とは言えない状況ですが、上に挙げたチームは戦力と経験があるため優勝候補ですね。
正直決勝まで行けばレアルが優勝すると思いますが、やはり2試合ずつある決勝トーナメントが怖い。
昨シーズンのベスト4シティ戦は、まさに2試合あることで大きな差が生まれてしまった戦いでした。
第1戦は接戦で引き分けでしたが、戦術の幅が大きい(大きすぎて草)シティが2戦目で圧勝。
やはり2試合あることで相手の出方がわかりやすくなる分、戦術の修正から大差を生みやすいのが決勝トーナメント。
もしシティとの戦いが決勝であったなら、あのような大差にはならなかったでしょうね。
今のレアルのとって怖い相手は、「サイド攻撃が強力なチーム」と「堅守からのカウンターチーム」。
先ほど課題を述べましたが、サイドにスペースを生みやすいチームなので、強力なWGやSBがいるチームは怖い。
もちろんレアルSBは優秀ですし、アンチェロッティはCL専用の布陣を用意するかもしれませんが、相手にはしたくないですね。
また不十分なネガティブトランジションを突けるカウンターチームも相手にしたくない。
そんな中で、ベスト16の相手はカウンターチームのライプチヒ。
ソボスライが抜けたりと戦力ダウンしているはずですが、シティ戦を見る限り厄介なチームであることに変わりはない。
ベスト16から早くも当たりたくない厄介なチームとやり合いますが、果たして今シーズンはどこまで行けるでしょうか?
ロナウドもベンゼマもいなくなった今、新銀河系軍団の実力が試される時です。
今シーズンもおもしろいな〜
まとめ:【タイトル獲得へ】レアルマドリードの強さと課題を見てみる
今回は、レアルマドリードの強さとタイトルに向けた課題を解説しました。
最後に、レアルマドリードの現状を振り返りましょう。
レアルマドリードの現状 ・推進力を活かしたポジションチェンジは驚異的 ・自由を尊重するゆえの問題が複数 ・2冠を成し遂げる力は十分にある
ベンゼマが抜けた中でここまで仕上げてくるとは、やはりアンチェロッティの手腕は素晴らしいの一言。
CBに怪我人が多いのが気がかりですが、シーズン終盤に向けて健康でいてくれることを願うしかない。
選手が元気のままで、連携の質がもっと向上していけば、正直”敵なし”といえる存在になれると思う。
マンチェスターシティなど怪物がいるCLでも大きな結果を残せる力は十分ある。
果たして、今シーズンも素晴らしいシーズンにできるか?
今回の記事で何かご意見等ございましたら、気軽にコメントしてください。
また、以前レアル・マドリードの現状を分析した記事もありますので、ぜひご覧ください。
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最後までお読みいただきありがとうございました。
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