【サッカー守備②】プレスとは?基本的なかけ方と種類

サッカーの見方

どうも、がんばらないネコです。Twitterで活動しているサッカー分析ブロガーです。

プレスという言葉について、「そもそもプレスって何なの?」「具体的にはどういうことをやるの?」などわからない人は多いと思います。

今回の記事では、「プレスとは何か?」を解説しています。

がんばらないネコ
がんばらないネコ

この記事は次のような人にオススメです!

  • プレスとは?
  • プレスの種類
  • プレスのやり方

サッカーを観戦していて、「プレスってなんだ?」や「プレスはうまく行ってるのかな?」と思っている方も多いかと思います。

今回の記事はプレスの意味、一般的なプレスの種類、具体的なやり方を詳しく解説していきます。

今回の記事で読めば、「プレスの基本」や「実際のプレスの運用方法」などを知れますよ!

サッカーが好きな方や興味がある方は、ぜひ最後までご覧ください。

プレスの概要

さっそくプレスについて説明していきます。

サッカー観戦中も必ずといっていいほど聞く言葉ですので、しっかり理解していきましょう。

プレスとは?

まずプレスとは、「相手に近づいていき、プレッシャーを与える」行為です。

言葉だとわかりにくいので、実際のプレーを見てみましょう。

プレスとは?

黄選手がボールを持っています。それに向かっていく青選手。これがプレスです。

プレスとは?

何もしないとボールを取られるので、プレスを受けた選手はサイドにパスを出します。

プレスとは?
プレスとは?

ただ、プレスによって強制されたパスは精度を欠き、パスは通りませんでした。

以上のように、プレッシャーを受けた選手はミスをする可能性が高まります

チームによって「どのようなプレスをするか?」は様々です。上記のプレスよりも厳しめに行く時もあります。

プレスとは?
プレスとは?
プレスとは?

パスミスを誘うのではく、ボールの奪取を狙い、見事にボールを奪いました。

誘導なのか、ボール奪取なのか?

プレスの目的を考えながら試合を観戦すると、より一層サッカーを楽しめるでしょう。

ちなみに「プレスに行かない」というプレーもあります。

プレスとは?

これも戦術の1つです。

しかしプレスのデメリットとして、豊富な運動量が必要で、場合によっては相手にスペースと時間を与える可能性があります。

プレスとは?
プレスとは?

プレスは相手にスペースと時間を与えない有効な守備方法ですが、失敗すれば相手に豊富なスペースと時間を与えます。

つまり、チームの戦術や試合中の様々な状況によって、うまくプレスを活用できるチームが、勝利に近づきます。

次にプレスの基本的なやり方を説明し、プレスの活用方法を見ていきましょう。

基本的なかけ方

まず「プレスを行うこと」を、サッカーでは「プレスをかける」と言うことを覚えてください。

ここでは基本的なプレスのかけ方を説明していきます。

プレスをかける方法として、前、斜め前、真横、後ろで4方向からのプレスがあります。

基本的なかけ方

上記4つのプレスを目的別に使い分ける必要があります。

前からのプレス

まず前からのプレス。

前からのプレス

これは、前へのドリブルやパスを禁止し、斜め前、真横、後ろへのドリブルやパスを誘導するために行います

また、前からのプレスを使用する場面として、誘導後のボール奪取があります

前からのプレス
前からのプレス
前からのプレス
前からのプレス

相手に前を向かせず、体で相手を押し込み、ボールの扱いをミスした場合に、ボールを奪います。

以上が、前からのプレスです。

斜め前からのプレス

次に、斜め前からのプレス。

斜め前からのプレス

これは、斜め前へのドリブルやパスを禁止し、前、真横、後ろへのドリブルやパスを誘導するために行います

サッカーでは、斜め前のパスを重要視しています。

斜め前からのプレス

このようなパスを出されたくない場合に、斜め前からのプレスがよく見られますね。

以上が、斜め前からのプレスです。

真横からのプレス

次に、真横からのプレス。

真横からのプレス

これは、真横へのドリブルやパスを禁止し、前、斜め前、後ろへのドリブルやパスを誘導するために行います

真横からのプレスは、わざと相手を前進させることを目的としていることが多いです。

真横からのプレス
真横からのプレス

上のように、わざと前方に移動させて、そのあと前後で挟み込むことでボールを奪います

以上が、真横からのプレスです。

後ろからのプレス

最後に、後ろからのプレス。

後ろからのプレス

これは、先ほど出た「前後で囲い込んでボールを奪う」ときに、よく使われます

後ろからのプレス

このようなプレーを「プレスバック」といいます。

また、自チームが不利な時に、ダッシュで戻ってきて後ろからプレスをかけることも多々あります。

後ろからのプレス
後ろからのプレス
後ろからのプレス
後ろからのプレス

このような献身的な動きが、チームの勝敗を大きく左右します

後ろからのプレス

レッドカードでしたけど、このあと得点を奪って試合には勝ちました。

以上が、後ろからのプレスです。

ここまで基本的なプレスのかけ方を説明してきましたが、プレスを使ってボール奪取を成功させるためには、チーム全体の動きが必要です。

次章では、チーム戦術としてプレスを説明していきます。

チームで行うプレス戦術の種類

ここでは、チームで行う様々なプレス戦術の基礎を説明します。

基本的なチームとしての動き、そしてプレスを行うエリアを知っていきましょう。

チームでのプレスのかけ方

まずチームとしてプレスを行えば、相手の選択肢をかなり削れることを理解しましょう

実際のプレーを見ていきます。

チームでのプレスのかけ方

ボールホルダーに対して真横からのプレスで、逆サイドへの展開を防いでます。

またその他の選手がマーク+パスコース制限を行い、右サイドへの展開に誘導。

チームでのプレスのかけ方

右サイドに展開後は、斜め前からのプレス。

そして、その他選手もマーク+パスコース制限を行い、中央と逆サイドへの展開を阻止。

赤SBは縦への前進しかありません。

チームでのプレスのかけ方

選択肢を削ったのち、ボールホルダーに厳しくプレすることで、縦への前進も阻止。

つまり、赤チームは選択肢ゼロとなってます。

チームでのプレスのかけ方

パスは水色が弾き、赤チームの前進を完全に阻止しました。

以上のように、チームでプレスを実行すれば、相手からかなりの選択肢を奪い取り、試合を有利に進めれます。

プレス+マーク+パスコース制限がうまく融合することで、プレスは真の力を発揮できます。

ただ、気をつけなければならないのは、プレスを行うエリアです。

サッカー特有の問題により、プレスは強みにも弱みにもなり得ます。

プレスの強みを活かすために、エリアを分けてプレスを行うのが一般的です。

次は、一般的にプレスを行われる3つのエリアを、プレスの目的を踏まえて説明します。

プレスを行う3つのエリア

サッカーはかなりピッチが大きいので、各チームはプレスを行うエリアを分けて、効果的にボール奪取を狙います。

プレスを行う3つのエリア

一般的なピッチの分け方は、以下の3つです。

  • ディフェンシブサード
  • ミドルサード
  • アタッキングサード
プレスを行う3つのエリア

以上3つのエリアを基準に、各チームがプレス戦術を行います。

ドイツでは、エリアごとのプレス戦術をそれぞれ、攻撃型と中盤型、守備型プレッシングと呼び、育成年代から教えられます。

この記事でも、上記3つのプレス戦術ごとに説明していきます。

攻撃型プレッシング

まず攻撃型プレッシングの説明をしていきます。

攻撃型プレッシング

攻撃型は、アタッキングサード付近でのプレス戦術です。

アタッキングサードでボールを奪えばすぐにゴールを狙えるので、現代サッカーで非常に重要視されています。

ちなみに、アタッキングサードでプレスを行うことで起こる問題に対処するため、ミドルサードにも選手を配置しています(理由は後述)

それでは、実際のプレーを確認していきましょう。

攻撃型プレッシング

相手GKがボールを持っていますが、プレスに行く白FW。

攻撃型プレッシング

右に展開しますが、白FWが引き続きプレスに行ってます。そして、前方にパスコースがないですね。

攻撃型プレッシング

ボールはGKに戻されました。

攻撃型プレッシング

映ってませんが左サイドのCBにパスを出そうとします。しかし、白WGがすぐにプレスに行くそぶりを見せます。

攻撃型プレッシング

CBへのパスをあきらめて、SBへのパスへ切り替え。しかし、ここでも白WGはすぐにプレスに行くそぶりを見せます。

攻撃型プレッシング

パスが出ますが、、、

攻撃型プレッシング

パスミスとなり、白WGがボールを奪いました。

攻撃型プレッシング

最終的に白FWにボールが渡りシュート。

攻撃型プレッシング

ゴール!!

上のように、アタッキングサードでの効果的なプレスによってボールを奪い取り、ゴールを奪いました。

アタッキングサードでのプレスは相手にとって非常に厄介で、一瞬でピンチを招いてしまいます。

ただ、ここで疑問があります。

ロングボールなどでプレスから逃げられたらどうするのか?

攻撃型プレッシング
攻撃型プレッシング

アタッキングサードでプレスをしている以上、ミドルサードやディフェンシブサードには選手がいません。

上のように、もしロングボールを蹴られて選手のいないエリアにパスを通されれば、一気にピンチです。

上のような場面を回避するために、攻撃型プレッシングを行うチームは、ミドルサードに選手を配置しています。

攻撃型プレッシング
攻撃型プレッシング

一般的にはハーフライン付近に選手を配置し、オフサイドかどうかを気にしながら、ロングボール等に対応します。

実際のプレーを見てみましょう。

攻撃型プレッシング

水色の攻撃を止めて、青がカウンターを仕掛けます。

攻撃型プレッシング

ただ、水色はアタッキングサードでのプレスを行い、厳しいプレッシャーを与えます。

攻撃型プレッシング

プレッシャーに耐えきれず、前線にパス。

攻撃型プレッシング

前線にパスが出されましたが、水色3選手がしっかり後方に残り対応。

攻撃型プレッシング

相手がプレスから逃げましたが、後方に残った選手がしっかりとボールを奪い取りましたね。

このように、前方へのアグレッシブなプレス+後方の安定した対応が融合することで、より一層効果が出るのが攻撃型プレッシングです。

中盤型プレッシング

次に中盤型プレッシング。

中盤型プレッシング

中盤型は、ミドルサードでのプレス戦術です。中盤型プレッシングには2つの目的があります。

1つめの目的は、相手をアタッキングサードに押し戻して、攻撃型プレッシングを行うことです。

中盤型プレッシング
中盤型プレッシング

実際のプレーを見てみましょう。

中盤型プレッシング

センターサークル付近で厳しいプレッシャーを受ける黄選手。

中盤型プレッシング

後ろにパスを出しますが、そこにも厳しいプレッシャー。

中盤型プレッシング

CBまで下げました。しかし、水色選手はプレスをやめず。

中盤型プレッシング

最終的にはGKまで下げさせて、攻撃型プレッシングへ移行しました。

ちなみにミドルサードでのボール奪取は、アタッキングサードよりは可能性は低いですが、ゴールを奪えるチャンスになります。

中盤型プレッシング
中盤型プレッシング
中盤型プレッシング

ゴールまではやや距離がありますが、ゴールを奪う可能性は十分あります。

中盤型プレッシングのもう1つの目的は、相手をディフェンシブサードへ前進させないことです。

中盤型プレッシング
中盤型プレッシング

もし相手をアタッキングサードで押し込めなくても、相手にゴールチャンスを作らせないので、勝利に近づくことができます。

実際のプレーを見てみましょう。

中盤型プレッシング

紫選手がセンターサークル付近でボールを持ってます。

中盤型プレッシング

白のゾーンが届かないエリアでパスをもらうメッシ。

中盤型プレッシング

メッシからサイドへ展開。ディフェンシブサードに行かれないように、急いでプレスに行く白選手。

中盤型プレッシング

サイドから中央へパス。しかし、ここで白選手が厳しいプレッシャーを与えます。

中盤型プレッシング

激しいプレスでボールを突き出し、ディフェンシブサードへの侵入を防ぎました。

以上のように、積極的に行くのか、もしくは耐えるのかの2種類の目的を使い分けられると、チームとして良い方向に向かうでしょう。

以上が中盤型プレッシングです。

守備型プレッシング

最後に、守備型プレッシング。

守備型プレッシング

守備型は、ディフェンシブサードでのプレス戦術です。厳密に言うと、ハーフライン付近からゴールエリア付近までのエリアでのプレスです。

なので、ミドルサードの一部もプレス範囲になります。

守備型プレッシングの主な目的は、ゴールを守ることです。

積極的にボールを奪うのではなく、うまく相手を誘導して、ゴールエリア内に侵入されないようにすることが第1目的ですね。

実際のプレーを見ていきましょう。

守備型プレッシング

ディフェンシブサードでボールを持つ水色選手。

守備型プレッシング
守備型プレッシング

サイドに展開し、中央のスペースを狙います。ここで青選手はあまり厳しいプレスに行かず、中央を固めます。

守備型プレッシング

青選手3人が中央への侵入を警戒する動きを見せていますね。

守備型プレッシング

結局中央へのパスは青選手がカットし、チャンスは作れませんでした。

このように守備型プレッシングは、攻撃型や中盤型と違って、相手にスペースと時間をほとんど与えないことができる守備方法といえます。

その一方で、積極的にボールを奪いに行かないので、相手にボールを握られ、常に危険にさらされます

守備型プレッシング

ボールを持つ赤。スペースを消す白。

守備型プレッシング
守備型プレッシング

ドリブルで白選手を交わす。

守備型プレッシング

白選手がたくさんいますが、ここでシュート。得点の可能性が薄いですが、、、

守備型プレッシング
守備型プレッシング

白選手がシュートに触れたために、ボールの軌道が変わりました。

守備型プレッシング

結果としてGKは逆を突かれた形となり、シュートにまったく反応できず。

守備型プレッシング

得点を許してしまいました。

守備型プレッシングを多用すると、以上のような事故が起こる可能性が高いです。

守備型プレッシングを行う場合は、上のような事故が起こらないように願いながら、うまく相手を誘導し続ける必要があります。

以上が守備型プレッシングです。

ここまで、3種類のプレス戦術をご紹介しました。各チーム3種類をうまく活用しようと、日々試行錯誤しています。

サッカーを観戦する際は、3種類のプレスをどのように運用しているかに注目すると、よりサッカーを楽しめると思います。

そして、近年3種類のプレス戦術に加えて、もう1つプレス戦術が開発されました。

その名も「カウンタープレス」。

カウンタープレスは、筆者からすると「守備というより攻撃に属するプレーなのでは?」と思うプレスです。

それほど攻撃的なプレスなのです。

3種類のプレスの理解も踏まえて、カウンタープレスも理解していってください。

カウンタープレスの登場

カウンタープレスとは、「相手にボールを奪われた瞬間にプレスをかける」ことです。

カウンタープレスという言葉は、現リバプール監督のクロップが広めたといっても過言ではありません。

そんなクロップ監督が自チームの選手に対して、こんな言葉を言ったそうです。

カウンタープレスは、最高のプレイメーカーである

プレイメーカーとは、簡単にいうとゴールチャンスを作る選手。相手が密集するエリアをかいくぐり、素晴らしいパスでゴールを演出する。

ただ、ゴールチャンスを作るのは難しい。特に現代サッカーでは、下位チームも強固なゾーンディフェンスをするので、本当に難しいです。

カウンタープレスの登場

上のように、ほとんどのチームは簡単にスペースと時間を与えてくれません。

そんな中でゴールチャンスを作るために、カウンタープレスを開発しました。

実際のプレーを確認しましょう。

カウンタープレスの登場

白が赤のディフェンシブサードで攻撃を仕掛けています。

カウンタープレスの登場

中央へパスを出しましたが、赤がパスカットします。

カウンタープレスの登場

赤のカウンター。前方にパスを送りますが、、、

カウンタープレスの登場

白がすぐさまプレスしパスカット!!これがカウンタープレスです。

カウンタープレスの登場

赤は攻撃に移行しようとしていたので、ディフェンシブサードには多くのスペースが存在します。

そのスペースをしっかり突いて、カウンターを仕掛ける白選手たち。

カウンタープレスの登場

ゴール前で数的優位のビッグチャンスです。

カウンタープレスの登場

中央にクロスを供給。

カウンタープレスの登場

難なく決め切り、得点を奪いました。

以上のように、カウンタープレスでボールを奪えば、すでに相手の陣形が崩れていますし、数本のパスだけでゴールチャンスを作れます。

言い換えれば、ゴールチャンスを作るために、スペースを作る必要がなく、すでにあるスペースを使えばいい。

天才的なプレイメーカーによるスペース創出に頼る必要もなく、ゴール確率の高い攻撃を仕掛けられるのです。

クロップ率いるリバプールは、このカウンタープレスを活用して多くのチームを苦しめ、結果としてリーグ王者、CL王者になりました。

今や基本戦術といっても過言でないほど、多くのチームに採用されているカウンタープレス。

これからサッカーを観戦する際は、カウンタープレスに注目してみると、より一層サッカーを楽しめると思いますよ。

まとめ

今回はプレスについて解説しました。

最後にプレスの内容を振り返りましょう。

プレスとは?
   ・相手に近づき、プレッシャーを与える
   ・チームで行えば、相手を機能不全にできる
   ・強みを活かすために、プレスを行うエリアを分ける

プレスは、サッカーでも基本中の基本です。

以下リンクで説明しているゾーンディフェンスも、プレスを行うことが基礎になっています。

現代サッカーでは、うまくプレスを行うことがチームの強さを表す1つの基準です。

プレスができないチームは相手にスペースと時間を与え、十中八九負けます。

それほど現代サッカーにとって不可欠なものなのです。

そして、プレスをより強力なものにするために、近年注目されているのが「インテンシティ」です。

以下のリンクでは、インテンシティについて詳しく説明しているので、ぜひお読みください。

プレスを含め、サッカーの守備は非常に奥深いものです。

今回の記事が、みなさんのサッカーライフをより良いものにしてくれることを祈っています。

一緒にサッカーを楽しみましょう!!

最後までお読みいただきありがとうございました。

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