【サッカー守備①】ゾーンディフェンスとは?原則と動きを理解しよう

サッカーの見方

どうも、がんばらないネコです。Twitterで活動しているサッカー分析ブロガーです。

ゾーンディフェンスについて、「そもそもゾーンディフェンスって何?」「具体的にどんな守備方法なの?」などとわからない人は多いと思います。

今回の記事では、ゾーンディフェンスを解説しています。

がんばらないネコ
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この記事は次のような人にオススメです!

  • ゾーンディフェンスとは?
  • ゾーンディフェンスの原則は?
  • 具体的な運用方法は?

サッカーに興味がある方で、「ゾーンディフェンスって何だ?」と思っている方も多いかと思います。

今回の記事はゾーンディフェンスの概要や原則、具体的なやり方を詳しく解説していきます。

今回の記事で読めば、「ゾーンディフェンスの内容」や「具体的なプレー方法」などを知れますよ!

サッカーが好きな方や興味がある方は、ぜひ最後までご覧ください。

ゾーンディフェンスとは?

まずゾーンディフェンスとは、「選手全員で大きな守備網を張る」ディフェンスです。

ゾーンディフェンスとは?

ゾーンディフェンスを行うことで、相手から効果的にスペースと時間を奪うことができます。

なぜスペースと時間を奪うことができるのか?

その理由を知るために、マンマークディフェンスを知る必要があります。

ゾーンと対をなす守備としてマンマークディフェンスがありますが、文字通り「それぞれ個別に守備をする」でディフェンスです。

ゾーンディフェンスとは?

昔のサッカーではマンマークが主流でしたが、「個人技や連携攻撃」に非常に弱いという弱点がありました。

ゾーンディフェンスとは?

1人抜かれたら終わりです。相手は完全にフリーで、豊富なスペースと時間を持っていますね。

上のような状況を改善すべく、ヨーロッパでゾーンディフェンスが開発され、全世界に広がっていきました。

ゾーンの場合、個人技や連携攻撃で突破されても、すぐに対応できる選手を配置しているため、すぐさまスペースと時間を奪えます。

ゾーンでは、まずボール保持者に当たりに行く「チャレンジ」を行う選手がいます。

ゾーンディフェンスとは?

攻撃側の各選手の位置にかかわらず、ボール付近に選手が集まっていることがわかります。

チャレンジの選手が抜かれた場合、マンマークでは相手にとって大きなチャンスでしたが、、、

ゾーンディフェンスとは?

先ほど述べた通り、チャレンジした選手が抜かれた場合に備えて「すぐに対応できる選手を配置している」ため問題ありません。

この「すぐに対応できる選手を配置する」ことを、カバーリングといいます。

ゾーンでは、「チャレンジ」と「カバーリング」をチーム全体で行うことで、相手からスペースと時間を効果的に奪えます。

※ちなみに、上記のプレーを「チャレンジ&カバー」といいます。

ゾーンによって、中堅や下位チームでもスペースと時間を効果的に奪えるようになったので、上位チームと渡り合えるようになりました。

ゾーンディフェンスの発明は、サッカーの歴史上最も大きな革命といっても過言ではありません。

それほど素晴らしい守備方法なのです。

ゾーンディフェンスの原則と基本的な動き

ここでは、ゾーンディフェンスが具体的にどのように構築されるのかを説明していきます。

じっくり理解していきましょう。

ゾーンディフェンスの原則

まずゾーンディフェンスの原則を理解しましょう。

先ほど説明した通り、ゾーンは「選手全員で大きな守備網を張る」守備方法です。

もう少し詳しくいうと、「基準になる位置」から、各選手が「特定の位置」に動く守備方法といえます。

上記の「基準になる位置」と「特定の位置」は、以下のゾーンディフェンスの原則に則って決まります。

  • ボールの位置
  • 味方の位置
  • 相手の位置

まず「ボールの位置」ですが、相手選手の中でボールを持っている選手と同義です。

先ほどの「基準になる位置」は「ボールの位置」によって決まり、どこでどのような守備網を張るかが決まります。

中央にボールがある場合

ゾーンディフェンスの原則

サイドにボールがある場合

ゾーンディフェンスの原則

そして、「ボールの位置」によって最初に当たりに行く選手「ファーストディフェンダー」が決まります。

ゾーンディフェンスの原則
ゾーンディフェンスの原則

次に「味方の位置」に関しては、各選手がそれぞれの近くにいる選手を基準に自分の位置を決めます。

ゾーンディフェンスの原則
ゾーンディフェンスの原則

味方が動いたことで空くスペースを埋めるように、各選手が特定の位置に移動しなくていけません。

最後に「相手の位置」に関しては、チーム戦術によってどう対応するか変わるイメージです。

なので、とりあえず「ボールの位置」と「味方の位置」を覚えておけばいいでしょう

原則を覚えたところで、次は具体的な動きを学びましょう。

サイドにボールがある時(SHかSB)

まず相手SB(サイドバック)がボールを持っているときの具体的な動きを理解しましょう。

ここでは4−4(MF4人とDF4人)の計8人のゾーンディフェンスを例に説明します。

サイドにボールがある時(SHかSB)

まずは相手SB(サイドバック)がボールを持っている時。

サイドにボールがある時(SHかSB)

左SH:ファーストディフェンダーとして相手SBに当たりに行く(プレス)。

左CH:カバーリングのために、左SHの斜め右後ろに移動。

右CH:カバーリングと縦パス警戒のために、左CHの斜め右後ろに移動。

右SH:カウンターに備えて、右CHのやや斜め右前に移動。

左SB:カバーリングのために、左SHの真後ろに移動。

左CB:カバーリングのために、左SBの斜め右後ろに移動。

右CB:縦パスや裏抜けに対応するために、左CBの真横に移動(オフサイドのために高さを合わせる)。

右SB:縦パスや裏抜けに対応するために、右CBの真横に移動(オフサイドのために高さを合わせる)。

ボールを基準に大きな守備網を張っていることが確認できますね。

次に、相手SH(サイドハーフ)がボールを持っている場合の動きです。

サイドにボールがある時(SHかSB)

左SH:中央にパスを出されないように、左SBの近くに移動。

左CH:中央へのパスを警戒して、左SHの真横もしくはやや斜め右後ろに移動。

右CH:中央への展開に備えて、左右のCBの間に移動し、左CBと高さを合わせる。

右SH:中央へのパスを警戒して、左CHの近くに移動(カウンターも考慮してどこまで近づくかを決める)。

左SB:ファーストディフェンダー。相手SHに当たりに行く(プレス)。

左CB:カバーリングのために、左SBの斜め右後ろに移動。

右CB:中央への展開に備えて、中央に留まり、左CBと高さを合わせる。

右SB:中央への展開に備えて、中央に留まり、左CBと高さを合わせる。

CHの1人がCBの間に入っていることが特徴です。

以上がサイドにボールがある時のゾーンディフェンスです。しっかりとチャレンジ&カバーがされていることがわかりますね。

ちなみに、チームによって役割が変わることが多々あります。例えば、CHの1人がSBとCBの間に入ることはよく見られる守備です。

サイドにボールがある時(SHかSB)

中央にボールがある時

次に中央にボールがある時、相手CHがボールを持っている時の動きを見ていきましょう。

中央にボールがある時

左CH:ファーストディフェンダー。相手CHに当たりに行く(プレス)。

左SH:カバーリングのために、左CHの斜め左後ろに移動。

右CH:カバーリングのために、左CHの斜め右後ろに移動。

右SH:中央への展開に備えて、右CHの真横に移動。

左SB:カバーリングおよび中央への展開に備えて、左CBの斜め左後ろに移動。

左CB:中央への展開に備えて、前方に移動。

右CB:カバーリングおよび中央への展開に備えて、左CBの斜め右後ろに移動。

右SB:中央への展開に備えて、右CBの真横に移動。

以上が中央にボールがある時のゾーンディフェンスです。これだけ前に人がいれば、個人技や連携で突破するのは難しく思えるでしょう。

ただ、サイドの時と同様に、チームによって各選手の役割は変わります。今回説明したのは教科書的な内容です。

なので最後に、特徴的なゾーンディフェンスを実行していたチームをご紹介したいと思います。

実際のゾーンディフェンスの運用を見ることで、サッカーの守備で大切なことをより一層理解できるでしょう。

進化版ゾーンディフェンス:アトレティコマドリード

今回紹介するのは、2013−14のアトレティコマドリードです。

鉄壁の守備を誇っていたチームであり、根底には効果的なゾーンディフェンスの実行がありました。

対戦相手はメッシがいるバルセロナ。史上最高の選手とイニエスタなどの名手たちがいるチームです。

ただ、アトレティコはバルセロナ相手に互角に渡り合いました。渡り合えた理由は、進化版ゾーンディフェンスの実行。

アトレティコが実行したのは、4−4にFW2人も加えた4−6のゾーンディフェンスです。

アトレティコマドリーのゾーンディフェンス

この守備がどれほどバルセロナを苦しめたのかを、実際のプレーを見て確認していきましょう。

アトレティコマドリーのゾーンディフェンス

メッシが得意の中央突破を狙ってますが、FWも参加して完全に中央を固めるアトレティコ。

アトレティコマドリーのゾーンディフェンス
アトレティコマドリーのゾーンディフェンス

1人交わして中央突破を狙いますが、FWがカバーリング+中央へのパスコースも完全に消されています。

アトレティコマドリーのゾーンディフェンス

中央突破をあきらめて切り返すメッシに厳しいプレッシャーをかけるFW。

アトレティコマドリーのゾーンディフェンス

そして、もう1人のFWもメッシにプレスに来ます。鬼のメッシ封じ。

アトレティコマドリーのゾーンディフェンス

中央では何もできないので、サイドにパス。得意の中央突破は完全に止められました。

メッシに絶対にスペースと時間を与えないという強い意志が見られるゾーンディフェンスだとわかると思います。

この試合、バルセロナは得意の中央突破を完全に止められてましたね。

このように4−6の鉄壁ゾーンディフェンスに支えられたアトレティコは、バルセロナを抑えスペインリーグで優勝しました。

アトレティコマドリーのゾーンディフェンス

ゾーンディフェンスは偉大ですね!!

まとめ

今回はゾーンディフェンスを解説しました。

最後にゾーンディフェンスの概要を振り返りましょう。

ゾーンディフェンスとは?
   ・チーム全体で大きな守備網を築く
   ・チャレンジ&カバー
   ・ボール付近のスペースを消す

ゾーンディフェンスはサッカーの基本です。

今やどのチームも守備戦術の基礎として採用しており、サッカーを理解するためには避けれないものです。

原則や動きの基本はシンプルなものですが、実際の運用は難しい。

「自分がどのスペースを埋めるのか?」や「スペースを埋めるためにどこに移動すればいいか?」など頭の良さが求められます。

刻一刻と状況が変わるサッカーでは、毎秒ごとに正解を出さなければいけないので、常に周りの状況を理解しておかなければいけません。

今回の記事で原則と基本的な動きを理解できたと思います。

ただ、サッカー観戦をより一層楽しむためには、相手の攻撃との駆け引きに注目するとおもしろいでしょう。

以下のリンクでは、攻撃の基本を説明しているので、ぜひお読みください。

ゾーンディフェンスの理解を踏まえて、攻撃との駆け引きを理解できると思うので、よりサッカーを楽しめますよ。

今回の記事が、みなさんのサッカー人生をより良いものにしてくれることを祈っています。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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