【バルセロナの課題は?】タイトル獲得に向けて改善するべきこと 2022ー23①

サッカー分析

どうも、がんばらないネコです。Twitterで活動しているサッカー分析ブロガーです。

今シーズンのバルセロナについて、「なんで強豪相手に勝てないの?」「何が問題なの?」など不調の原因が気になる人は多いと思います。

今回の記事では、バルセロナの問題点を解説しています。

がんばらないネコ
がんばらないネコ

この記事は次のような人にオススメです!

  • バルサが強豪に勝てない理由を知りたい
  • 最近のバルセロナの状態を知りたい
  • 今シーズンやるべきことを知りたい

就任から1年ほど経過したシャビ・バルセロナに、「もっと強くならないの?」と思っている方も多いかと思います。

今回の記事はバルサの課題、強豪に勝てない理由、今やるべきことを詳しく解説していきます。

今回の記事で読めば、「バルセロナが負ける理由」や「バルサの改善すべきポイント」などを知れますよ!

バルサを応援している方や興味がある方は、ぜひ最後までご覧ください。

それでは、どうぞ!

バルセロナの課題:頻発する乱雑な守備対応

今のバルセロナは、強豪相手に大量失点してしまうという大きな問題があります。

まずラリーガでは16試合で6失点と良い数字を残していますが、レアルマドリードとの直接対決では3失点。

また、敗退したCLでは6試合で12失点。インテルに4失点、バイエルンには5失点。

言い換えれば、決定力のあるチームと対戦すると、例外なく大量失点してしまう守備をしているといえます。

強豪相手に大量失点してしまう原因は、以下3つの守備対応ができていないことが多いからです。

  • ネガティブトランジションへの準備(攻→守の切り替え)
  • 適切なプレス、マーク、ゾーン、パスコース制限、ラインコントロール
  • 劣勢でのDFラインの対応

もちろんサッカーにはミスがつきものであり、ミスをしないチームはありません。

しかし、今のバルセロナは上記3つのミスが多い印象ですね。

まず1つずつの守備対応の内容を確認し、次に実際のプレーで確認しましょう。

ネガティブトランジションへの準備ができていない

ポジショナルプレーを行うバルセロナにとって一番の脅威は、ネガティブトランジション→カウンターです。

ネガティブトランジションへの準備ができていない

パスカットなどでボールを奪って、

ネガティブトランジションへの準備ができていない

後方にある広大なスペースを活用して、前線の選手にボールを供給し、カウンターからの得点を狙う。

90分の中でボールを保持する時間が長いバルセロナは、必然的にカウンターを受けることが多いです。

そんなバルセロナの失点の有無を左右するのは、ネガティブトランジション(攻→守の切り替え)を制するかどうか。

ネガティブトランジションを制するためには、攻撃時に「カウンターに蓋をする役」を適切な位置に配置することが求められます。

ネガティブトランジションへの準備ができていない

パスカットなどでボールを奪われても、すぐに効果的な守備ができる選手を事前に配置しておく。

ネガティブトランジションへの準備ができていない

縦パスを狙った場面で相手にパスカットされる。カウンターの危険がありますが・・・

ネガティブトランジションへの準備ができていない

「カウンターに蓋をする役」がすぐさまプレスやマークを行い、危険なカウンターになり得るパスコースなどを消す。

ネガティブトランジションへの準備ができていない

効果的な選択肢がなくなった相手が無理やりパスなどをしたところを狙ってボールを奪う。

以上のように、「カウンターに蓋をする役」が適切に配置されていれば、カウンターをうまく防ぐことができます。

次に「カウンターに蓋をする役」が適切に配置されていない場合も見てみましょう。

ネガティブトランジションへの準備ができていない

カウンターに蓋をする役が3人から1人になった場合・・・

ネガティブトランジションへの準備ができていない

相手がパスカットしてカウンターを狙ってきます。

ネガティブトランジションへの準備ができていない

カウンターに蓋をする役がプレスにいきますが、パスコースが普通にあるので突破されます。

ネガティブトランジションへの準備ができていない

急いでCBがプレスにいき、もう1人CBがFWをマークしますが・・・

ネガティブトランジションへの準備ができていない

CBが空けた中央のスペースをもう1人のFWに狙われて、危険なカウンターを食らいました。

以上のように、「カウンターに蓋をする役」が適切に配置されていないと危険なカウンターを食らいます。

残念ながら、今のバルセロナのMFたちは、「カウンターに蓋をする役」となるための位置にいないことが多いです。

結果として、相手に危険なカウンターを許し、大きなピンチに陥っています。

基本的な守備対応が乱雑

ネガティブトランジションを制するためには、蓋をする役だけでなく、他の選手によるプレスやマークなどの基本的な守備対応も必須です。

基本的な守備対応が乱雑

パスカットしてカウンターを狙う相手。

基本的な守備対応が乱雑

それに対して、「カウンターに蓋をする役」がプレスにいき、1つパスコースを消しましたが、まだまだ展開できる状況です。

基本的な守備対応が乱雑

他の選手たちがゾーンやマークを行って、カウンターの芽を完全に潰す動きを行い、カウンターを防げました。

ただ、1人でも対応を怠ればカウンターを喰らってしまいます。

基本的な守備対応が乱雑

他の選手たちがゾーンやマークをしっかりやっている中で、1人がマークを怠りました。

そうすると・・・

基本的な守備対応が乱雑

中央にパスを通されて、数的不利の危険なカウンターを受けることになりました。

以上のように、カウンターを防ぐためには、チーム全員がサボらずにしっかりとした守備対応を行う必要があります。

上記のプレスやマークなどの基本的な守備対応は、トランジションだけでなく、セットディフェンス時にも必須です。

基本的な守備対応が乱雑

ゴール前での守備。まずFWがマークを怠り、中央に展開されます。

基本的な守備対応が乱雑

次にSHがマークを怠り、ライン間を突破され、非常に危険な状況に。

基本的な守備対応が乱雑

最後はCBがマークを怠り、FWにペナルティエリアに侵入されました。

以上のように、セットディフェンス時も同様に、1人でも守備対応を怠れば、相手にチャンスを作られます。

残念ながら、今のバルセロナの選手たちは、基本的な守備対応を怠ることが多いです。

DFラインの対応が悪い

どれだけ頑張っても、トランジションに負けてカウンターを食らうことがあります。

DFラインの対応が悪い

素晴らしいトランジションで、カウンターの芽を摘んでいたが・・・

DFラインの対応が悪い

相手の超絶ドリブルで突破されて、危険なカウンターを喰らってしまった場面。

しかし、そういう劣勢時でもしっかり守り切れるDFラインがいるかどうかが、タイトル獲得の可否を左右します。

DFラインの対応が悪い

3人で縦へのパスを牽制しながら、中央のCBが絶妙なタイミングでプレスし、縦への展開を阻止。

また、残りの2人もラインを合わせて、相手FWをオフサイドにしてしまいます。

DFラインの対応が悪い

プレスによって苦しめられた相手はサイドに展開しますが、それを完璧に予測しパスカット。

以上のように、トランジションを抜けられて劣勢になっても、頼りになるDFがいれば失点を防げます。

残念ながら、今のバルセロナのDFラインは、頼りになる選手があまりおらず、守り切れる力がありません。

プレーで課題を確認:強豪相手の失点シーン

ここでは、先ほど紹介したバルセロナの課題を、実際の失点シーンを確認しながら見ていきましょう。

今回取り上げるのは、今シーズン戦った強豪たちとの試合。

ラリーガはレアルマドリードとの1試合。CLはインテルとバイエルンそれぞれ2試合。計5試合の失点シーンを振り返ります。

※セットプレーは除きます。

実際のプレー画像が手に入った部分以外は手作りのイラストを使っていますが、その点に関してはご了承ください。

それでは1つずつ確認していきましょう。

インテル第1戦 0−1

まずは見ていくのは、CLインテル戦(アウェイ)。0−1の敗北で終えた試合での失点シーンを振り返ります。

失点はセットディフェンス時に起き、組み立ての阻害失敗+ゴール前でのお粗末な対応によって起こりました。

インテル第1戦 0−1

インテルの組み立てを阻害するバルセロナでしたが、中央へのロングパスを受けたインテルFW。

それに対して、SBロベルトがプレスにいきましたが、インテンシティがかなり低く、簡単にサイドに展開されました。

インテル第1戦 0−1

インテルはアドバンテージを活かして、逆サイドに大きく展開→ゴール前に進出します。

インテル第1戦 0−1

ゴール前での守備になりましたが、まずSBアロンソが思いっきり中央へのパスコースを空けるポジショニング。

インテルはパスしてきませんでしたが、相手がエムバペなど超一流選手なら失点してしまうほどの対応でした。

その後、ゴール前でいろいろありインテルは攻撃をやり直すことに。

インテル第1戦 0−1

左サイドからの攻め。オーバーラップ+ミドルシュートでの攻撃を狙うインテルに対して、バルセロナはまずい対応をしてしまいます。

インテル第1戦 0−1

MFブスケッツとガビが2人とも、オーバーラップ対応に回り、ミドルシュートへのケアが完全になくなってしまいました。

インテル第1戦 0−1

隙を逃さないインテルは中央にパス。サイドに行ってしまったブスケッツがかなり遅れたプレスをしますが・・・

インテル第1戦 0−1

余裕を持ってミドルシュートを放つインテル。

インテル第1戦 0−1

アウェイの試合で、しかも前半アディショナルタイムという嫌な時間帯に失点。

SBロベルトの弱いプレス+ブスケッツの判断ミスという2つのミスが重なり失点し、勝利を逃す形になりました。

インテル第2戦 3−3

アウェイでの敗北から復活したかったバルセロナでしたが、ホーム戦では3失点してしまいました。

まずは1失点目を見てきましょう。原因はCBピケのお粗末な対応でした。

インテル第2戦 3−3

上のような場面でのバルセロナの基本的な対応は、DFラインを上げオフサイドを取ること。

しかし、CBピケは1人後方に残って、オフサイドが取れないような対応をしてしまっています。

インテル第2戦 3−3

ロングボールを供給されましたが、CBピケはGKに任せる素振りを見せます。

しかし、基本的な対応がオフサイドを取ることなので、GKテアも前には出てきません。

インテル第2戦 3−3

パスがFWに通りました。

インテル第2戦 3−3

MFガビが必死に止めにいきましたが、強烈なシュートを放つインテルFW。

インテル第2戦 3−3

はい、失点・・・。

CBが怪我人続出のなか、ずっと控えだったピケを起用した結果、チーム戦術をしっかり実行できませんでした。

2失点目の原因は、プレスをサボったMFガビ+CBガルシアのお粗末な対応でした。

インテル第2戦 3−3

インテルのカウンターを止めて、ポゼッションに移行しようとするバルセロナ。

インテル第2戦 3−3

しかし、ブスケッツが安易なパスをしてパスカットされる。プレスも受けていなかったので、落ち着いてプレーしてほしかった。

インテル第2戦 3−3

不用意なボールロストをしたとはいえ、人数的にもすぐにカウンターを止められる状況。

インテル第2戦 3−3

しかし、まったくプレスに行かないMFガビ。インテルMFに簡単に前進を許す。

インテル第2戦 3−3

ブスケッツや他の選手はそれぞれ警戒するエリアがあるため、誰もプレスに行けず、インテルMFはフリーのまま。

インテル第2戦 3−3

前線にロングボールを供給。

インテル第2戦 3−3

インテルFWがトラップします。危険な状況ですが、慌てずに難しいシュートをさせるようにしたい場面です。

インテル第2戦 3−3

しかし、慌てたCBは簡単に足を出してしまい、完全に抜き去られてしまう。

インテル第2戦 3−3

フリーになったインテルFWが強烈なシュートを放ち、逆転を許しました。

1人1人の意識の低さと慌てた対応によって、簡単に失点を喰らいましたね。

3失点目の原因は、トランジションの意識の低さです。

インテル第2戦 3−3

まず後方の対応がお粗末で、GKからパス1本でカウンターを決められる。ちゃんとマークしないと。

インテル第2戦 3−3

ダッシュで戻ればまだ対応できる状況でしたが、すでに大外のMFケシエがマークにつけてません。トランジションの意識がゼロですね。

インテル第2戦 3−3

デヨングのポジショニングが悪く、インテルFWが大外にスルーパスを通します。

インテル第2戦 3−3
インテル第2戦 3−3

完全な自滅。

勝たなければいけない試合で、お粗末な対応を連発したバルセロナは、ホームでも勝てませんでした。

バイエルン第1戦 2−0

バイエルン戦は1失点目はセットプレーから、2失点目はセットディフェンス時。今回は2失点目を見てきます。

2失点目の原因は、「中途半端な対応の中盤」と「耐えきれないDFライン」です。

バイエルン第1戦 2−0

ボールを回すバイエルンに前線からプレスを仕掛けるバルセロナ。

サイドから中央への展開時、プレスでバックパスを促しつつ、中央のケアも行いたい状況だったが・・・

バイエルン第1戦 2−0

2人ともプレスに行ってしまい、中央へのケアを完全に怠る。

またプレスも弱く、簡単に縦パスを入れることができるようになってました。

バイエルン第1戦 2−0

縦パスを通されて危険な状況。DFラインが踏ん張るべき場面ですが、SBアロンソがプレスに行かず。

これによって、バイエルンにスピードに乗らせてしまう。

バイエルン第1戦 2−0

後手に回るDFライン。バイエルンFWにプレスに行くが間に合わず。

バイエルン第1戦 2−0

もう1人のFWに展開され、それに対する対応も完全に遅れる。

バイエルン第1戦 2−0

スピードに乗るバイエルンにまったくついていけず、ペナルティエリアに侵入され・・・

バイエルン第1戦 2−0

追加点を決められました。

基本的な守備対応がまだまだお粗末ですね。

バイエルン第2戦 3−0

アウェイで2−0で敗れたバルセロナ。ホームで勝利を目指しましたが、3−0の完敗。

まず1失点目の原因は、「蓋役がいないこと」と「SBの軽率な対応」です。

バイエルン第2戦 3−0

バイエルンの組み立てを阻害し、セカンドボール争いになったが、バイエルンの方が一歩早く動きボールを前線に繋ぎます。

バイエルン第2戦 3−0

WGデンベレがサイドにいるため、MFがDFラインに降りることができず。

結果として、CBがボールホルダーにプレスに行けずカウンターを許しました。

バイエルン第2戦 3−0

DFラインとしては、スピードスターFWマネに対してオフサイドで対応するべきだが、SBはマークし続ける。

バイエルン第2戦 3−0

結果として、オフサイドも取れず、マネにもついていけず。

バイエルン第2戦 3−0
バイエルン第2戦 3−0

ゴールを入れられもしょうがない対応でしたね。

2失点目の原因は、「蓋役が機能しないこと」と「SBの軽率な対応」です。

バイエルン第2戦 3−0

1失点目同様、セカンドボール争いに負け、カウンターを受けます。

バイエルン第2戦 3−0

前線にボールが渡りましたが、CBのプレスが非常に弱く、バイエルンFWに余裕を与えてしまいます。

バイエルン第2戦 3−0

自分のマークを捨ててブスケッツもプレスにいきますが、まったくプレッシャーを与えられず、縦パスを供給されます。

また、1失点目と同じく前線のプレスが甘く、DFラインに降りる選手がいない。

バイエルン第2戦 3−0

縦パスを通されて、非常に危険なカウンターを喰らってしまいました。

バイエルン第2戦 3−0

そして、ここでもラインを合わせられずに、裏に抜けられてしまい・・・

バイエルン第2戦 3−0
バイエルン第2戦 3−0

失点。完全に1失点目と同じような形で得点を奪われました。

※3失点目はセットプレーからだったので省略。

クラシコ(レアルマドリード戦)

今シーズン初のクラシコは、1−3で完敗。3失点すべてがトランジションに負けたことで生まれました。

まず1失点目の原因は、「意識が非常に低いトランジション」と「SBがラインを合わせない」です。

クラシコ(レアルマドリード戦)

バルセロナのネガティブトランジション。蓋役は適切に配置されており、あとはプレスなどをしっかり行いたい場面。

クラシコ(レアルマドリード戦)

しかし、SBバルデのプレスが非常に弱く、トランジションが機能しませんでした。

クラシコ(レアルマドリード戦)

レアルマドリードはサイドに展開。ここでもSBロベルトのプレスが甘く、トランジションを制することができません。

クラシコ(レアルマドリード戦)

レアルWGヴィニシウス→MFクロースにボールが渡ります。

クロースに対してプレスに行ける状況であり、まだまだトランジションを制することができる。

クラシコ(レアルマドリード戦)

WGラフィーヤがプレスに行くが・・・

クラシコ(レアルマドリード戦)

なぜか途中でプレスをやめるWGラフィーヤ。正直、理由がわからない。

クラシコ(レアルマドリード戦)

スピードに乗るレアルマドリードに対して、ブスケッツが遅れてプレスに行くが、フィジカル勝負ではレアルの方が上。

クラシコ(レアルマドリード戦)

そのままスルーパスを通されて大ピンチ。ここでもラインを合わさないSBには呆れました。

クラシコ(レアルマドリード戦)

失点。守備の意識が低すぎますね。

続いて、2失点目の原因は「ビビりすぎなDFライン」と「意識が低すぎる中盤」です。

クラシコ(レアルマドリード戦)

まず、カウンターを受けていますが、3対1のレアルにとっては数的不利。しかし、バルサの誰もプレッシャーをかけない。

理由は不明です。

クラシコ(レアルマドリード戦)

WGヴィニシウスが時間を稼いでいる間に上がってくるレアルの選手たち。それに対してついていかないバルサMFたち・・・

クラシコ(レアルマドリード戦)
クラシコ(レアルマドリード戦)

サイドにいるSBメンディに展開。インテル戦と同様に、全員がミドルシュートへのケアを怠る。

クラシコ(レアルマドリード戦)
クラシコ(レアルマドリード戦)
クラシコ(レアルマドリード戦)

レアルはその隙を逃さずにミドルシュートを叩き込みました。レアルは隙を逃すような相手ではありません。

最後に3失点目の原因は、「蓋役の不在」と「CBの軽率な対応」です。

クラシコ(レアルマドリード戦)

試合終了間際、攻撃的な布陣を組むバルセロナ。MFデヨングが組み立てのためにドリブルを仕掛けます。

クラシコ(レアルマドリード戦)

しかし、周りと噛み合わず、レアルDFにボールを奪われます。

攻撃的な布陣を組んでいたこととデヨングの危険なドリブルが重なり、カウンターに蓋をする役がいなくなるバルセロナ。

クラシコ(レアルマドリード戦)

レアルFWがドリブルで前進しますが、バルサMFがダッシュで戻ってきます。良い守備意識でしたが・・・

クラシコ(レアルマドリード戦)

数的有利な場面でスライディングを敢行。普通にプレスすれば良かったが。

クラシコ(レアルマドリード戦)

サイドに展開するレアル。バルセロナは人数的には足りているので、落ち着いて対応したい場面。

クラシコ(レアルマドリード戦)
クラシコ(レアルマドリード戦)

足を出してしまうCBガルシア。なんで・・・?

クラシコ(レアルマドリード戦)
クラシコ(レアルマドリード戦)

PKを取られて失点。

少し厳しいPK判定でしたが、全体的な対応がお粗末だったことに変わりありません。

直近の試合はどう?アトレティコ戦を確認

ここでは、これまで解説したバルセロナの課題が、直近の試合でも改善されていないことを確認していきます。

分析対象は、現在不調とはいえ強力な選手たちを擁するアトレティコマドリード。

試合結果は1−0のバルセロナの勝利でしたが、内容としてはアトレティコがやや優勢だったと思います。

そして、言うまでもなく、バルセロナの守備面の課題を逃さず、アトレティコが多くのチャンスを作っていました。

今回は、守備面の課題が出ていた象徴的なシーンを3つ取り上げます。

では、1つずつ見てきましょう。

問題のプレー①:蓋役を配置していない(16:30ごろ)

まず1つ目は16:30ごろのプレーで、「蓋役を配置していない」という課題が浮き彫りになった場面。

バルセロナがアトレティコを自陣に押しこんで、ボールホルダーのMFペドリが崩そうとする。

問題のプレー①:蓋役を配置していない(16:30ごろ)

ドリブルを仕掛けるペドリ。しかし、ペドリがライン間に移動したため、カウンターに蓋をする役がブスケッツ1人に。

問題のプレー①:蓋役を配置しない(16:30ごろ)

ペドリからボールを奪いカウンターを始めるアトレティコに対して、止める選手が足りないバルセロナ。

問題のプレー①:蓋役を配置しない(16:30ごろ)

ブスケッツがプレスにいきますが、サイドがガラ空きなので当然突破される。

結局アトレティコのミスでことなきを得ましたが、カウンターを許してしまう危険な状況を作っていたのは確かです。

この場面でどうするべきだったかは、2つ選択肢があると思います。

1つ目は「ペドリはドリブルせずに、味方へのパスを狙う」。これによって、ペドリ自身が蓋役として機能できます。

問題のプレー①:蓋役を配置していない(16:30ごろ)

2つ目は「デヨングが1列下がったポジショニングをする」。これによって、デヨングが蓋役として機能できます。

問題のプレー①:蓋役を配置していない(16:30ごろ)

どちらの場合も蓋役を1人増やすための方法ですが、MFたちのIQが求められます。

攻撃時に味方と相手選手たちのポジショニングを正確に認識し、自分が蓋役になるべきかを正確に判断しなければなりません。

今シーズンでどれだけ改善できるでしょうか?

問題のプレー②:基本的な守備対応が乱雑(55:00ごろ)

2つ目は55:00ごろのプレーで、「基本的な守備対応が乱雑」という課題が浮き彫りになった場面。

アトレティコのポゼッション攻撃。バルセロナとしては1−0の状況なので、落ち着いて対応したい。

問題のプレー②:基本的な守備対応がお粗末(55:00ごろ)

アトレティコMF2人がDFラインまで下がります。これに対して、バルセロナはどうしたかというと・・・

問題のプレー②:基本的な守備対応がお粗末(55:00ごろ)

MF全員がついていって、ライン間をガラ空きにします。

問題のプレー②:基本的な守備対応が乱雑(55:00ごろ)

その隙を逃さず、アトレティコCBからライン間のMFに縦パスが入り、一気にピンチに。

問題のプレー②:基本的な守備対応がお粗末(55:00ごろ)

この場面でもアトレティコがイージーミスしたのでことなきを得ましたが、基本的な守備対応がなってないプレーでした。

この場面でやるべきことは、「前線へのプレッシャー」+「ライン間の守備」で、サイドに展開させることです。

問題のプレー②:基本的な守備対応が乱雑(55:00ごろ)

まず、ブスケッツはDFラインに下がるアトレティコMFについていかず、ライン間に残ってマークする。

右サイドが空くが、とりあえずはWGラフィーヤにマークを任せて、アトレティコにサイド攻撃させる。

これによって、陣形を整える時間を稼げますし、フリーな選手を作られずに済みます。

バルセロナはポゼッション中心のチームなので、セットディフェンスにかなり力を入れる必要はありません。

しかし、今回のようなお粗末な対応は絶対にやめないといけません。正直、平均以下の守備力です。

問題のプレー③:頼りにならないDFライン(30:35ごろ)

2つ目は30:35ごろのプレーで、「頼りにならないDFライン」という課題が浮き彫りになった場面。

セカンドボールの奪い合いになった場面。

問題のプレー③:頼りにならないDFライン(30:35ごろ)

MFペドリがセカンドボールを奪いにいくが・・・

問題のプレー③:頼りにならないDFライン(30:35ごろ)

あっさり交わされる。もうちょっと粘ってほしいが、すぐにMFガビがプレスにいっているので大丈夫。

問題のプレー③:頼りにならないDFライン(30:35ごろ)

と思いきや、フィジカルで吹っ飛ばされてボール奪取できず、そのまま縦パスを入れられてピンチに。

問題のプレー③:頼りにならないDFライン(30:35ごろ)

MFラインを突破されたので、DFラインががんばって止めるしかありません。

この場面でやるべきことは、1人がボールホルダーにプレッシャーをかけ、もう1人が裏に抜けようとする選手をマークする。

正直、この対応は基本中の基本なのですが・・・

問題のプレー③:頼りにならないDFライン(30:35ごろ)

両方プレッシャーに行ってしまう。これによって、裏に抜ける選手はフリーに。

問題のプレー③:頼りにならないDFライン(30:35ごろ)

まんまと裏を取られてピンチになりました。

問題のプレー③:頼りにならないDFライン(30:35ごろ)

CBアラウホがスーパーカバーを見せたおかげで救われましたが、この状況でスーパーイージーミスをしてしまうのは大きな不安ですね。

今回のシチュエーションでいえば、SBバルデがマークするべきでしたね。

問題のプレー③:頼りにならないDFライン(30:35ごろ)

DFラインに下がり、裏へのケアとオフサイドトラップを仕掛けることが必要でした。

問題のプレー③:頼りにならないDFライン(30:35ごろ)

そうすれば、今回のように裏にパスを出されてもボールをクリアできたはずですし、オフサイドを取れていたかもしれません。

以上のように、まだまだ頼りにできそうにないDFラインの対応がアトレティコ戦でも起こってました。

まず取り組むべきことは?

今シーズン、獲得できそうな主要タイトルはラリーガとEL、コパデルレイの3つです。

ここまで解説したバルセロナが抱える大きな課題をある程度改善できれば、どのタイトルも取れる力はあります。

2月からEL決勝トーナメントも始まりますし、今シーズン残された時間はあまりありません。

しかし、取り組めることもあると思ってます。

最後に、守備面の課題を解決するために、今シーズン何に取り組むべきかを考えていきましょう。

取り組み①:SBを諦めて3バックを前提にする

個人的に、今のバルセロナで一番不足しているのはSBだと思ってます。

現代SBには、DFとしての十分な守備力だけでなく、攻撃時の組み立てや崩しにもしっかり絡む必要があります。

しかし、現在バルセロナに所属しているSBは、攻守両面で十分な質を持っている選手はいません。

ジョルディアルバは、加齢により攻守両面で衰えが顕著。

セルジロベルトは、組み立てはいいが、崩しへの影響は弱く、守備面の質も低い。

バルデは、基本的な守備対応がままならず、攻撃においてもドリブル突破しか期待できない。

アロンソは、もともとWBだったらしいので、SBとしての役割がまだまだ理解できていない印象。

※ベジェリンは起用があまりないのでよくわからない。

SBの力不足を補いつつポジショナルプレーを続けるには、3バックを基本とするしかないと思います。

取り組み①:SBを諦めて3バックを前提にする
取り組み①:SBを諦めて3バックを前提にする

状況に応じて左WGの起用を変えていけば、まずはチームバランスは取れるでしょう。

取り組み②:可変型ダブルボランチで蓋役を確保する

2つ目に取り組むべきは、ダブルボランチを採用して、「カウンターに蓋をする役」を正確に実行させることです。

正直、今シーズンのブスケッツは完全に衰えているといっても過言ではないパフォーマンスです。

もちろん攻守両面で素晴らしいプレーもありますが、動きが本当に遅くなっている印象ですね。

そんなブスケッツ1人でボランチを任せるのは、かなりキツイのではないかと思います。

なので、ブスケッツ+1枚の可変型のダブルボランチを検討するべきでしょう。

取り組み②:可変型ダブルボランチで蓋役を確保する

デヨングがボランチの位置に留まり、残りのMFがライン間で活動する形。

取り組み②:可変型ダブルボランチで蓋役を確保する

ペドリがボランチの位置に留まり、残りのMFがライン間で活動する形。

取り組み②:可変型ダブルボランチで蓋役を確保する

ガビがボランチの位置に留まり、残りのMFがライン間で活動する形。

状況に応じてMFがポジションチェンジを行いながら、ライン間での活動と蓋役をうまくローテーションしてほしい。

また、ダブルボランチの効果としてもう1つ挙げられるのは「3バックのカバー」です。

先ほど確認したバイエルン戦のように、カウンター時にCB1人が前に出て対応しないといけない場面が出てきます。

相手としてはCBが空けたスペースを狙うことが定石で、バイエルン戦でもキッチリ狙われていましたね。

バルセロナはその対策をしないといけないですが、ダブルボランチだとCBのカバーに素早く入ることができます。

取り組み②:可変型ダブルボランチで蓋役を確保する

「カウンターに蓋をする役」を改善すれば、ブスケッツの加齢問題や3バックへの負担を解決する大事な一歩になるでしょう。

取り組み③:DFラインがより厳しいプレスを行う

これまで確認した通り、トランジション時にDFラインの選手によるプレスが緩く、カウンターを受けていることが多いです。

取り組み③:DFラインがより厳しいプレスを行う
取り組み③:DFラインがより厳しいプレスを行う
取り組み③:DFラインがより厳しいプレスを行う
取り組み③:DFラインがより厳しいプレスを行う

バルセロナのDFラインは、前への対応より後ろのケアを優先しているように思えます。

もちろん後ろのケアは怠ってはいけませんが、受け身な姿勢になりすぎて危険なカウンターを喰らっている印象です。

先ほど述べた3バックやダブルボランチの採用によって、今以上に後ろのケアは可能になるはずです。

3バックとダブルボランチで後方の安全を確保しつつ、よりアグレッシブにプレスにいくことでカウンターを潰してほしいですね。

そうすれば、もっと試合を支配できると思います。

ぜひ守備面の課題に全身全霊で取り組んでほしいです!!

まとめ

今回はバルセロナの問題を解説しました。

最後にバルセロナの課題を振り返りましょう。

バルセロナの課題
   ・カウンターに対する準備が整っていない
   ・基本的な守備対応や意識の低さ
   ・DFラインの対応ミスの多さ

もちろん攻撃に関する問題もありますが、まだうまくいっている方だと思います。

チャンスは作れていますし、あとは「選手が決めてくれるかどうか」という場面が多い印象。

しかし、決定力があまりない中でも、守備がしっかりしているチームは勝つことができます。

それが今のバルセロナに足りないことですね。

これまで放置されていた非常に大きな問題ですが、現代サッカーで勝つには解決する必要があるので、ぜひがんばってほしいです。

今回の記事で何かご意見等ございましたら、気軽にコメントしてください。

また、これまでバルセロナの試合を分析した記事をいくつか上げています。興味がある方はぜひご覧ください。

・バイエルン戦(ホーム)

ホームでの完敗の原因を分析しています。

・インテル戦(ホーム)

インテルに勝てない理由を探っています。

・レアルマドリード戦

昨季CLを制したレアルマドリードとの大きな差を分析しています。

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