【バイエルン対PSG 分析】バイエルンの勝因とPSGの未来

サッカー分析

どうも、がんばらないネコです。Twitterで活動しているサッカー分析ブロガーです。

バイエルン対PSGについて、「バイエルンが勝った理由は?」「PSGのどこが問題だったの?」などと気になる人は多いと思います。

今回の記事では、バイエルン対PSGを解説しています。

がんばらないネコ
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この記事は次のような人にオススメです!

  • 両チームの戦術などを知りたい
  • バイエルンの良かった点を知りたい
  • PSGに足りないことを知りたい

優勝が期待されていたPSGに、「なんで負けたの?」と思っている方も多いかと思います。

今回の記事は両チームの狙い、試合を通じての修正、PSGに足りなかったことを詳しく解説していきます。

今回の記事で読めば、「バイエルンの強さの秘密」や「PSGの問題点」などを知れますよ!

サッカーが好きな方や興味がある方は、ぜひ最後までご覧ください。

それでは、どうぞ!

第1戦:良質な修正合戦

第1戦:良質な修正合戦

まずは第1戦を振り返ってみましょう。

PSGホームで行われた第1戦ですが、主導権を握ったのはバイエルン。

PSGが守備的にきたのもありますが、やはりバイエルンのチーム力の高さが伺える試合でしたね。

そんな良質な試合は、お互いの狙いを潰し合った修正合戦でした。

それでは、前半から見ていきましょう。

前半:バイエルンの狙いを潰したPSG

まずはPSGの弱点を確認。

前半:バイエルンの狙いを潰したPSG

PSGには、メッシ、ネイマール、エムバペという怪物3人がいますが、守備をほとんどしない選手たちです。

そのため、PSGは7〜8人で守備をしないといけないチームになっています。

昔なら7〜8人で守備できましたが、進歩した現代サッカーの攻撃についていくのは難しいです。

そんなPSGの弱点をバイエルンは逃すわけもなく、WBやWGからの幅のある攻撃でPSGを攻略しようとしました。

前半:バイエルンの狙いを潰したPSG

PSGのSHを引き出してPSGの守備網を崩し、マークしにくい斜め攻撃で得点を狙う。

前半:バイエルンの狙いを潰したPSG

上は前半のプレーですが、バイエルンが斜めのクロスに斜めのランを合わせようとしてるのがわかりますね。

守備側からすれば、後ろに下がりながら、自分のマークとボールを把握しないといけないので、仕事が非常に多いです。

だからこそ、斜め攻撃は止めにくいんです。

前半:バイエルンの狙いを潰したPSG
前半:バイエルンの狙いを潰したPSG

上のプレーは成功しませんでしたが、PSGとしては守りにくい攻撃だったでしょう。

そこで、PSGが行ったことは、斜めのクロスは許容して、斜めのランなどへの対応に専念することでした。

前半:バイエルンの狙いを潰したPSG

PSGは、ボールを持っているバイエルンのWBやWGにはそこまでプレスに行かない。

一方で、パスの受け手の動きにはしっかりついていき、パスカットやクリアに専念していましたね。

並のチームならこれだけでバイエルンを止められませんが、個人の守備能力が高いPSGはついていってましたね。

これによって、バイエルンの当初の狙いは機能しませんでした。

また、PSGとしてパスカットやクリアが成功すれば、カウンターを成功させられる算段がありました。

前半:バイエルンの狙いを潰したPSG

バイエルンはポゼッション時、キミッヒ付近にスペースがあります。

PSGはそのスペースを活用してカウンターを成功させていました。

例えば、前半13分のプレーは狙い通りのカウンターを決めていましたね。

前半:バイエルンの狙いを潰したPSG

バイエルンの攻撃を止めたPSGがカウンターを狙った場面。

前半:バイエルンの狙いを潰したPSG

ボランチであるキミッヒが、カウンター起点となるPSG選手を潰しに行きますが・・・

前半:バイエルンの狙いを潰したPSG

CBとのワンツーで抜き去られるキミッヒ。そして、4対3の数的優位のカウンターを仕掛けるPSG。

得点には至りませんでしたが、バイエルンにとっては危ない場面でした。

以上のように、得点こそ生まれませんでしたが、ややPSG優位の前半でした。

後半:戦術修正から得点を上げたバイエルン

前半うまく攻撃できなかったバイエルンでしたが、前半25分過ぎから徐々に修正。

後半になってから完全に戦術を変更して、PSGの守備網を攻略しようとしました。

後半:戦術修正から得点を上げたバイエルン

バイエルンの修正内容は、FWやCHを低い位置にポジショニングさせ、PSGのSHがプレスに行かざるおえない状況を作ることでした。

バイエルンは斜め攻撃だけでなく多彩な攻撃ができるため、低い位置にいるFWやCHを無視すればチャンスを作られます。

そのため、PSGの当初の狙いは崩れ、バイエルン当初の狙いであったSHが高い位置に引き出されることが増えましたね。

この戦術修正が功を奏して、バイエルンは得点を奪いました。

後半:戦術修正から得点を上げたバイエルン

バイエルンCHゴレツカが低い位置でボールを受ける。それに対して、PSGがSHがプレスに。

それによってPSGの守備網にはスペースができたので、バイエルンはそこから斜め攻撃を仕掛ける。

後半:戦術修正から得点を上げたバイエルン

バイエルンの斜め攻撃に対して、PSGのCBが引き出されているのが確認できます。

これによって、ただでさえ人数が少ないエリア内の守備はさらに脆くなり、バイエルンにとってはチャンスに。

後半:戦術修正から得点を上げたバイエルン

バイエルンがWBに展開。それに対してPSGはプレスに行きたいですが、すでに高い位置に引き出されていたSHは対応できず。

そして、CBが引き出された分、逆サイドへの対応ができなくなったPSGを逃さず、大外でフリーになるバイエルンWG。

後半:戦術修正から得点を上げたバイエルン

良質なクロスがエリア内に供給され・・・

後半:戦術修正から得点を上げたバイエルン

しっかり仕留め切ったバイエルンWG。待望の先制点を奪いました。

前半は狙い通りの攻撃はできませんでしたが、戦術変更によって当初の狙いを達成したバイエルンは素晴らしかったですね。

ホームでリードされたPSG。ベスト8進出のためにもホームでは勝ちたい。

そんな中、PSGは組み立てを変更+エムバペ投入で逆転勝利を狙いました。

後半:戦術修正から得点を上げたバイエルン

まず組み立てに関しては、前半から4バックで行っていましたが、ことごとバイエルンの守備に引っかかっていました。

原因はサイド誘導からの数的同数のプレス。

個人能力がある分、バイエルンのプレスを抜けることもありましたが、システマチックに抜ける場面は皆無。

後半:戦術修正から得点を上げたバイエルン

逆転優勝に向けてチャンスを増やしたいPSGは、3バックでの組み立てに変更し、システマチックな前進を狙いました。

この変更が功を奏して、後半75分からの15分間は完全にPSGペースに。そして、81分に決定機。

後半:戦術修正から得点を上げたバイエルン

3バックの組み立てによって、DFラインがバイエルンのプレスから解放されました。あとは中盤を攻略するだけ。

後半:戦術修正から得点を上げたバイエルン

一度後方に下がっていたメッシがタイミングよく中盤のスペースに侵入し、フリーだったCBからパスを受けます。

そして、ネイマールとともにバイエルンCHキミッヒを攻略。

後半:戦術修正から得点を上げたバイエルン

メッシのパスからネイマールがバイエルン中盤を攻略し、一気にスピードアップ。

後半:戦術修正から得点を上げたバイエルン

ドリブルで突き進みながら、裏に抜けたSBにスルーパス。最終的にゴール前に雪崩れ込んだエムバペが得点。

しかし、SBへのスルーパスがオフサイド判定。残念ながら得点とはならず。

同じように何度かチャンスを作ったPSGでしたが、無得点のまま試合終了。バイエルンがアウェイで勝利しました。

両チームとも狙い通りのプレーを見せた第1戦。それを踏まえて第2戦を見ていきましょう。

がんばらないネコ
がんばらないネコ

見ていてハラハラする戦いだったわ!!

第2戦:バイエルンが本領発揮

第2戦:バイエルンが本領発揮

第2戦を振り返っていきます。

内容の面でも、結果の面でもバイエルンが圧倒したといえる試合でした。

第1戦はほぼ互角でしたが、バイエルン本来の力がしっかり発揮されましたね。

特に後半はパーフェクト。攻守両面でPSGに何もさせず。

では、第2戦を見ていきましょう。

前半:第1戦後半と同じ流れ

前半の内容は、第1戦後半のプレーを継続させていたと思います。

前半:第1戦後半と同じ流れ

バイエルンは、FWやCHが低い位置を取り、PSGの中盤を引き出す作戦。

違う部分といえば、第1戦の斜め攻撃ではなく、中央を経由した縦への攻撃が増えたことです。

中盤にスペースができるため、そこを活用するのは自然な流れともいえます。

それに対して、PSGは第1戦最後の15分間と同じようにプレー。

前半:第1戦後半と同じ流れ

3バックでの組み立てを継続し、パサー確保からのエムバペ活用を狙う。

何度かエムバペの抜け出しが決まりかけていたことがありましたね。

前半:第1戦後半と同じ流れ

そして、カウンターに関しては、キミッヒ付近のスペースを同じように狙ってました。

先ほどのバイエルンの戦術変更でキミッヒ付近のスペースが埋められていた回数も増えましたが、空いていることも多々ありました。

以上のように、両チームとも狙いがある程度決まっていた前半。互角といってもいい内容でしたね。

後半:本領発揮と戦術修正で圧倒したバイエルン

後半開始早々、PSGにトドメを刺しに行ったバイエルン。

戦術を修正し、PSGのポゼッションもカウンターも止めにかかりました。

後半:本領発揮と戦術修正で圧倒したバイエルン

まず変更したのは中盤のポジショニング。キミッヒとより低い位置に、FWやCHがボランチの位置まで降りてくるようにしました。

これによって、PSGカウンターの起点になっていたスペースが消え、PSGは狙い通りのカウンターができなくなりましたね。

また、PSGポゼッション時に、守備ブロックの位置をハーフウェイラインまで下げました。

後半:本領発揮と戦術修正で圧倒したバイエルン

もともとのバイエルン守備ブロックは、センターサークル付近に設定。

結果として、エムバペのスピードが生きるスペースをあり、第1戦終盤のようなチャンスを作られていましたね。

2試合合計で1点リードのなか、バイエルンは追加点を狙いつつも、やや守備的に戦いを開始。

後半:本領発揮と戦術修正で圧倒したバイエルン

守備ブロックをハーフウェイラインまで下げ、エムバペが活きるスペースを小さくしました。

これによって、エムバペの裏抜けを武器として使えず、地上戦で戦うことになったPSG。

地上戦で得点を奪いたいPSGでしたが、バイエルンはその地上戦も潰しにかかります。

後半:本領発揮と戦術修正で圧倒したバイエルン

PSGの後方でのパス回しを食いつかず、ライン間のスペースが消すことに徹しっていました。

しかも、バイエルン選手全員がインテンシティを上げ、PSGから完全に自由を奪い去りましたね。

これによって、地上戦での最大の武器メッシをも止められたPSG。

すべての武器を失ったPSGは何もできず。そして、ミスからの失点でより苦しい状況に追いこまえれ、最後はカウンターで2失点目を献上。

チーム力で上回るバイエルンが順当にベスト8に進出しました。

バイエルン対PSG統括

バイエルン対PSG、180分間を統括しましょう。

まずはバイエルンに関して、下馬評通りのベスト8進出でしたね。

第1戦はやや消化不良のといえる内容でしたが、きっちりと修正して、第2戦、特に後半はパーフェクトでした。

修正の内容が的確で素早く、バイエルンの修正力の高さが素晴らしかったです。

チーム力と修正力の高さが今のバイエルンの強さなんだなと実感した180分間でした。

一方のPSGは、個人に頼っている感がやはり否めませんでした。

組み立ても崩しもシステマチックな部分が感じられず、ヴェラッティやメッシという選手のひらめきに頼ってますね。

この部分が完全に露呈した第2戦後半は、やっぱり何もできなかったです。

そして、何よりもゴールが決められなかったことがすべてですね。

守備免除によりバランスが崩れている中、メッシ、ネイマール、エムバペの3人は、戦犯として挙げられても仕方ありません。

バイエルンに「サッカーはチームスポーツである」と教えられたPSGでしたね。

がんばらないネコ
がんばらないネコ

世界最高峰の大会は本物の強さが必要だわ。

PSGの未来:CLを制するために必要なこと

最後に、PSGの今後について書いていきたいと思います。

CL制覇を目指してスター選手を買い漁っているPSGですが、CL制覇から遠ざかっている印象です。

どうすればCL制覇できるようなチームになれるのか?

最後に考えていきたいと思います。

目指すべきところ:エンリケ・バルセロナ

まず目指すところは、ルイスエンリケ監督時代のバルセロナですね。

メッシ、ネイマール、スアレスのMSNトリオを率いてCLを制覇したチーム。

今のPSGとメンツは似たようなものですが、「チームとしてプレーする」という点をは大きくかけ離れています。

バルサにはポジショナルプレーという独自の哲学があり、多くの選手がその哲学に従ってシステマチックにプレーしています。

当時はシャビやイニエスタ、ブスケッツが中心となってボールを支配し、チーム全体でMSNの3人を支えていましたね。

プレー哲学まで求められませんが、システマチックなプレーを基礎とすることが、やはり今のPSGに不可欠です。

一番足りない部分:中盤の力

では、システマチックなプレーを展開するために何が足りないのか?

それは中盤の力です。

ポゼッション主体にするにしても、カウンターを主体にするにしても、中盤の選手の質が足りてません。

攻撃に関してヴェラッティは素晴らしいですが、そのほかの選手は不十分。ボールを扱う技術もスペースを活用する能力も低いです。

また、ヴェラッティをボランチで使っていますが、守備時の強度が足りていない印象です。

例えば、バイエルンではキミッヒがボランチを務めていますが、周りの選手はフィジカル強者で、守備時の強度を補っています。

一方PSGは、ヴェラッティの周りの選手が普通のフィジカル。トランジションや引いた際に簡単に中盤のブロックを突破されます。

以上のように、どのプレースタイルにするにしても、技術もIQもフィジカルも足りていないのが、今のPSGの中盤です。

この点を改善しないと、MNMを抱えながらチームバランスをある程度保つことは不可能でしょう。

監督人事:求心力とバランス

最後に監督人事。

今回のCL敗退でガルティエ監督解任のニュースが出ていますが、正直解任するべきでしょう。

理由としては、選手の意識の低さが見受けられるからです。

第2戦、ヴェラッティなどのミスから失点し、厳しい状況に追い込まれたPSG。

ただ、まだ2−0の状況であり、2点奪えば延長にいける可能性は十分ありました。

しかし、PSGにはその姿勢は見られず、攻守ともに気迫がまったく感じられない。

そして、個人的に一番ダメだと思ったのは、バイエルン2点目のカウンターに対する、PSG選手のやる気のない対応。

監督人事:求心力とバランス

バイエルン2点目は、カンセロのソロランからのアシストで生まれましたが、その前にいくらでも止めれたはず。

カンセロに対応したエメリというこの選手は後半31分からの出場にもかかわらず、まったく止める気ない対応。

こんなプレーをする選手がいる時点で、CLで優勝できるわけありません。勝つ気がないんですから。

なぜこんなプレーをしたのかは知りませんが、ガルティエ監督の求心力が低いことを疑わざる負えないですね。

監督人事がどうなるか知りませんが、今シーズン中に改善の兆しが見られない場合は、迷わず監督を変えるべきです。

がんばらないネコ
がんばらないネコ

PSGはどのような道を進んでいくのかな?

まとめ

今回はバイエルン対PSGを解説しました。

最後にバイエルン対PSGを振り返りましょう。

バイエルン対PSG
   ・第1戦は両チームの狙いが機能
   ・第2戦はバイエルンの圧勝
   ・チーム力と修正力の差が結果に反映された

下馬評通り、バイエルンがベスト8に進出。

両チームともタレントが揃っていましたが、やはりチームとしての働きが優れていたバイエルンが勝利しましたね。

連携の種類や精度、スピードなど向上できる部分が多々あるので、末恐ろしいチームですね。

一方のPSGは、完全に力不足。チームとしてプレーできてません。

サッカーはチームスポーツ。いくらいい選手を集めても勝てないことは歴史が証明しています。

PSG首脳陣などがそれに気づかない限り、同じ失敗を繰り返すことになります。

今後どのような道をPSGが歩んでいくのかを注視しましょう。

今回の記事で何かご意見等ございましたら、気軽にコメントしてください。

また、今シーズンの行われたバルサ対バイエルンの分析記事もありますので、ぜひご覧ください。

・1試合目

・2試合目

最後までお読みいただきありがとうございました。

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