【バルセロナ対バジャドリー LIGA第3節】バルセロナに負ける方法

サッカー分析

【バルセロナ対バジャドリー LIGA第3節】バルセロナに負ける方法

バルセロナ対バジャドリーのマッチレポートです。第2戦ソシエダとの試合では4−1の快勝でしたが、今回のバジャドリー戦はどうでしょうか?

結果としては4−0のバルセロナの快勝。内容的にも問題なく、勝てる相手にしっかり勝ったといえるものでした。

バルセロナが特段良かったというわけではなく、バジャドリーの守備がまったく不十分なものだったのが、今回の快勝に繋がった印象です。

開幕戦のラージョや2戦目のソシエダは、バルセロナに対して良い守備をしていました。良い守備とはインテンシティの高い守備です。

ボール保持者への厳しいプレス、ランにしっかりついていく、スペースのケアという守備の基本をいかにしっかり行えるかが、バルセロナのような強豪とやり合えるかの分かれ目です。

今回のバジャドリーの守備は、インテンシティが低かったですね。簡単に危険なスペースに入られ、前半で決着をつけられてました。残念なプレーでした。

そのような守備の弱さをしっかり突いたバルセロナでしたが、後半は気の抜けた形で、簡単にボールを失ったり、ゴールチャンスを謎のプレーで無駄にしたりと、バルセロナも反省すべきことが多数ありました。

なので、試合全体としては味気ないものになってしまってましたね。観戦者からすれば、もっとエキサイティングな試合を見せて欲しかったです。

それでは、バジャドリーの守備、そしてバルセロナの攻撃を見ていきましょう。

バジャドリーの守備

今回は中盤型プレッシング(センターサークル付近の守備)と守備型プレッシング(バジャドリーゴール前での守備)を見ていきます。

この試合では、攻撃型プレッシングはほとんど行われなかったため、今回の記事では取り上げません。

中盤型プレッシング

まずは中盤型プレッシングから見ていきます。バジャドリーは4−3−3のフォーメーションでした。バジャドリーの守備の特徴は、バルセロナの中盤であるブスケッツとペドリ、ガビに密着することでした。

中盤型プレッシング

バルセロナのボールの出どころであるブスケッツ、ペドリ、ガビを厳しくマークすることで、円滑なボール回しを阻害する狙いでした。

それでは実際のプレーを見ていきましょう。

例1 10:50ごろ

例1 10:50ごろ

バルセロナCB(センターバック)クンデがボールを持ちます。CH(センターハーフ)ガビがボールを受けに降りてきます。

CHガビの動きに対して、バジャドリーボランチがしっかりついて行きます。またCBクンデにはバジャドリーCHがプレスし、バルセロナボランチのブスケッツにはバジャドリーFWが降りてきてマークします。

中央にパスコースがないので、SB(サイドバック)アラウーホにボールが渡ります。バジャドリーWGが縦を切りながらプレス。そして、バジャドリーSBがバルセロナWGデンベレをマーク。

ここでバジャドリーの守備の特徴が2つ。まずSBがサイドに移動しても、CBはそれ合わせて動かずに中央に居座る2つ目は左サイドにボールが出ると、ペドリをマークしているCHが中央に移動し、スペースをケアする

このことから、中央への攻撃を警戒、中央への斜めパスを警戒していることがわかります。それによって、CBとSBの間のスペース、いわゆるハーフスペースが空くことがよくありました

例1 10:50ごろ

ボールはCBクンデに戻され、バジャドリーCHがブスケッツのマークに戻ります。

例1 10:50ごろ

CB間でボール交換し、CBガルシアがボールを持ちます。バジャドリーのFWがあまり積極的に守備しないため、CBガルシアはドリブルで持ち上がります。

ここでCBガルシアに誰か当たりにくるのではなく、ペドリが高い位置に移動するのに合わせてバジャドリーCHも高い位置に移動していました。

また、バジャドリーWGはバルセロナSBバルデを警戒して、比較的高い位置にいました

例1 10:50ごろ

そのようなバジャドリーの守備に対して、バルセロナCBガルシアからWGデンベレにボールが渡りました。

バジャドリーの中盤型プレッシングは以上のような動きを行います。他のプレーも見て行きましょう。

例2 14:50ごろ

例2  14:50ごろ

CBガルシアがボールを持っています。今回はバジャドリーのミスなのか、バジャドリーWGがバルセロナCBクンデを警戒しています。

なのでSBアラウーホがフリーです。

例2  14:50ごろ

CBクンデにボールが渡ります。バジャドリーWGがプレスにきます。

例2  14:50ごろ

パスコースがないので、GKテアに戻します。

例2  14:50ごろ

GKテアからSBアラウーホへパス。ここでバジャドリーWGが当たりにくるかと思いましたが、ジョギングで戻ってきてました

例2  14:50ごろ

フリーのアラウーホがドリブルで前進。バジャドリーSBはバルセロナWGをマークしているのでプレスに行けません。

なので、CHガビをマークしているバジャドリーボランチが仕方なくプレス。また、先ほど説明した通り、バジャドリーCBは中央に居座り、バルセロナFWレヴァンドフスキ(以下、レヴィ)をマークしています。

そのようなバジャドリーの守備を見て、CHガビが先ほど説明にあったハーフスペースを狙います

例2  14:50ごろ

バジャドリーボランチのプレスも弱かったので、アラウーホは簡単にガビにパスを通します。

以上のように、帰陣が遅かったり、スペースを簡単に与えたりと、インテンシティの低い守備が目立ってました

記事にしていますが、バルセロナの開幕戦の相手、ラージョバジェカーノはインテンシティという点で非常に優れていました。バジャドリーと違い、マークを外されてもすぐに戻る姿がよく見られました

守備型プレッシング

続いて、バジャドリーの守備型プレッシングを見て行きましょう。中盤型プレッシングでは、あまり激しい守備は見られませんでしたが、守備型プレッシングはどうでしょうか?

守備型プレッシングにおいても、中盤型プレッシングと同様の動きを見せていました。

例1 1:00ごろ

例1  1:00ごろ

CBクンデがボールを持っています。ブスケッツやペドリ、ガビは中盤型と同様にマークされています。

また守備型で特徴的だったのは、バルセロナSBが高い位置を取るのに合わせて、バジャドリーWGも下がってくることです

例1  1:00ごろ

CBクンデからWGハフィーヤにパス。バルセロナWGには2人で対応するバジャドリー

中盤型と同様にハーフスペースが空き、CHガビが狙います。

例1  1:00ごろ

CHガビの抜け出しには、バジャドリーボランチがしっかりついて行きました。それに対して、CBクンデにボールを戻すWGハフィーヤ。

例1  1:00ごろ

もう一度ハフィーヤにボールが出され、CHガビが下がります。バジャドリーはボランチがCHガビに合わせて下がる途中で、ハフィーヤへの対応に切り替えました。

例1  1:00ごろ

ガビとブスケッツのパス交換後、ハフィーヤにボールが戻されます。ハフィーヤにはバジャドリーSBとボランチの2人で対応。

例1  1:00ごろ

ハフィーヤがバジャドリーSBを抜き去ります。それに対してボランチがしっかりカバーしました。

ハーフスペースが空くこと、サイドの守備力がそこまで高くないことが、バジャドリーの守備の弱みでしたね

例2 8:40ごろ

例2  8:40ごろ

CBガルシアがボールを持って、前進しようとしています。

例2  8:40ごろ

バジャドリーFWがプレスしに行きますが、逆サイドのWGハフィーヤにロングパスし、またハーフスペースが空きます。そして、CHガビが狙います。

例2  8:40ごろ

WGハフィーヤから裏に抜け出したCHガビにパス。少し対応が遅れましたが、バジャドリーボランチがダッシュでついていき、事なきを得ました。

例3 11:10ごろ

例3  11:10ごろ

CBガルシアからWGデンベレにパスが通ります。

例3  11:10ごろ

WGデンベレには、バジャドリーSBとWGの2人で対応します。それに対して、バルセロナSBバルデがオーバーラップ。

例3  11:10ごろ

オーバーラップしたSBバルデにパスが通りますが、バジャドリーSBとWGのどちらもしっかりついていかずピンチに

運よくバルデからのクロスは弾き返されましたが、サイドの弱さが露呈した場面でした。バジャドリーはFWとWGが守備にあまり参加したがらない印象でした。それではバルセロナとは戦えません。

ラージョバジェカーノを見習ってほしいですね。

バルセロナの攻撃

続いて、バジャドリーの守備に対するバルセロナの対応を見て行きます。先ほどの説明でも、バジャドリーの守備を崩していましたが、他のプレーを見てみましょう。

中盤型プレッシング

まずはバジャドリーの中盤型プレッシングに対する対応。活用するバジャドリーの守備の特徴は、「ハーフスペースが空くこと」と「前線の怠慢な守備」です

例1 21:00ごろ

例1  21:00ごろ

CBクンデがボールを持っています。クンデにはバジャドリーCHがプレスにいき、残りのCHとボランチはそれぞれ、ガビとペドリをマークしています。

その結果中央が空いているので、FWレヴィが下がってきます。

例1  21:00ごろ

CBクンデからブスケッツへ、ブスケッツはダイレクトへFWレヴィにパスを通します。バジャドリー各人のプレスが弱いので、簡単にパスが通ります

そして、またもや空いているハーフスペースを狙ってCHガビが走り出します

例1  21:00ごろ

今回はバジャドリーSBが中に絞りCHガビに対応しました。しかし、それによって空いたWGハフィーヤにパスが通り、中盤型プレッシングを抜けます

ボール保持者へのプレスが弱く、バルセロナも楽々ボールを回している印象でした。不十分な守備ですね。

例2 26:00ごろ

例2  26:00ごろ

CBガルシアがボールを持っています。バジャドリーFWがプレスに入っている間に、バルセロナCHペドリが降りてきます。

例2  26:00ごろ

ペドリからダイレクトにCBクンデにボールが渡ります。フリーです。

例2  26:00ごろ

CBクンデがドリブルで前進します。しかし、前線の守備が弱いので、かなり奥に入り込まれます

バジャドリーSBが中央を閉めるために中に絞りますが、それによって空いてWGハフィーヤにパスが通り、中盤型プレッシングを抜けました。

あまりに簡単に突破されすぎですね。

守備型プレッシング

続いて守備型プレッシングに対してのバルセロナの対応を見ていきましょう。バジャドリーは全体的にインテンシティが低かったので、そこをしっかり突いたバルセロナでした。

例1 23:25ごろ

例1  23:25ごろ

CHペドリからWGハフィーヤにロングパス。

例1  23:25ごろ

ドリブルを開始するWGハフィーヤ。バジャドリーはWGとSB2人で対応。またCHガビにはバジャドリーボランチがついて行きます。

ここで問題だったのは、CBの対応。1人はラインを合わせず1人だけ低い位置に。もう1人はバルセロナFWレヴィのマーク担当に関わらず、しっかりマークしませんでした

その結果、ハフィーヤからのクロスをFWレヴィがしっかり合わせて先制点を簡単に奪いました。バジャドリーCBがしっかり対応していれば、オフサイドになっていたり、クリアしていた可能性は十分あります

例2 42:20ごろ

例2  42:20ごろ

ブスケッツからWGデンベレにボールが渡ります。特に何もされていないのに、こんなパスが通るバジャドリーの守備がダメです

例2  42:20ごろ

WGデンベレにはバジャドリーは2人で対応。CHガビがオーバーラップを狙ってます。

またここでバジャドリーの問題。CH2人の帰陣が遅れており、そこをバルセロナCHペドリが狙って走り込んできます

例2  42:20ごろ

WGデンベレがDFをかわしてCHペドリにパス。ペドリがダイレクトでしっかり決め切り、2点目を奪いました。

最初のパスも然り、ぺドリへの対応然り、バジャドリーはもっと走って厳しく対応しないとダメです。降格する可能性も高いですよ。

試合統括

前半で勝負は決まってましたね。バジャドリーの守備も攻撃も不十分でしたので、バルセロナとしては簡単に勝利をもぎ取れた印象でした。

ただ気になったのは、バルセロナの後半のプレー。簡単なボールロスト、パスミス、カウンタープレスの不発など、多くのミスが目立ち、気の抜けたプレーが散見されました

もちろん前半の内容から見れば、この試合でバルセロナが勝ちを逃すという可能性は極めて低かったですが、それにしても気を抜きすぎな感じがありました。

次の試合では、前半も後半もしっかりプレーしてほしいですね。

最後に:【バルセロナ対バジャドリー LIGA第3節】バルセロナに負ける方法

今回の記事では、バルセロナ対バジャドリーの試合分析を書きました。少し退屈な試合でしたね。

今日の試合では、バジャドリーが「バルセロナに負ける方法」を教えてくれた感じがあります。他のチームは参考にしてほしいです。

バルセロナの次戦は、低迷するセビージャです。どのような試合になるのか、楽しみに待ちましょう。

今回の記事で何かご意見等ございましたら、気軽にコメントしてください。

また、第1節の分析記事もありますので、ぜひご覧ください。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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