どうも、サッカー分析をしている”がんばらないネコ”です。
今日はラリーガ第7節バルセロナ対マジョルカの試合分析を行っていきます。
代表ウィーク明けの試合。身体的は厳しい日程でアウェイでの試合。どのような試合になったでしょうか?
この記事で解説していることは、、、
- マジョルカの守備戦術
- バルセロナ苦戦の理由
- バルセロナが勝ち切れた理由
【バルセロナ対マジョルカ 試合分析】勝敗を決めた強豪の特権
試合結果は1−0でバルセロナの勝利。ただ、試合内容としてはあまり良くないものでした。
代表ウィーク明けではありますが、全体的に動きが鈍く、攻撃ではほとんどチャンスは作れず、逆にマジョルカに決定機を与えていました。
悪い試合展開の中、勝敗を決めたのは決定力の差。バルセロナの得点シーンを見ていきましょう。
サクッと勝因:決め切る力
結局サッカーは”ゴール前のパフォーマンス”がものを言います。「ゴールを決める」、「ゴールを防ぐ」という2つプレーが一番大事ですから。
まずはマジョルカの決定機を見ていきましょう。
右サイドでボールを持つマジョルカ。バルセロナの甘い守備を見逃さず、サイドから鋭いクロスを上げます。
中央に流れる高精度のクロス。
そして、走り込んできたマジョルカSB(サイドバック)がフリーでシュートを打ちます。
しかし、シュートはGK正面に飛んでいき、決定機を逃してしまいました。
一方でバルセロナは、決定機でないチャンスをモノする力を発揮。
裏に抜けたバルセロナFWレヴァンドフスキ(以下、レヴィ)。ただ、距離と角度的には良いチャンスとは言えない状況。
後ろから来たDFをフェイントでかわすFWレヴィ。ただ、マジョルカDFの良いポジショニングで良いシュートコースはない。
にもかかわらず、ここでゴールを狙うFWレヴィ。
DFの外から巻いたシュートはゴールを吸い込まれ、先制点を奪いました。マジョルカGKはノーチャンス。
サッカーは残酷なスポーツだと改めてわからされた試合でした。内容の良し悪しを言えば、マジョルカの方がよかった。
しかし、試合に勝つのは巨大な才能を多く抱えるバルセロナ。優勝できるチームとそうでないチームの差はここにありますね。
内容の改善は必須ですが、ここまま進んでいってほしいバルセロナでした。
次回は、CLインテル戦。守備が非常に堅いチームという印象なので、3倍の力で試合に臨んでほしいです。
バイエルン戦を思い出して、気迫あるプレーを頼んだよ!!
これ以降は、この試合の詳細な分析です。興味がある方はぜひご覧ください。
バルセロナ対マジョルカ 詳細分析
ここからは詳細分析に入ります。15分ごとに分析し、試合展開を詳しく見ていきましょう。
0〜15分 停滞する攻撃
まずはマジョルカの守備を見ていきます。フォーメーションは5−4−1の5バックで臨んでいました。
マジョルカ守備の特徴的な動きは、「自分のマークを捨ててボール付近のスペースをなくす」というもの。例を見ていきましょう。
バルセロナDFアルバがボールを持っている場面。FWファティがスペースに降りてきています。
これに対してマジョルカの対応は、、、
ファティをフリーにさせないために、まずマジョルカDFが当たりに行こうとします。ただ動きが遅かったため、マジョルカMFも当たりに行きます。
しかし、選手がかなり自由に動くことになるので、フリーの選手を作り出すことも多々ありました。今回はブスケッツがフリーに。
それに対して、マジョルカMFが遠い距離をダッシュしてプレスに行きます。
最終的にプレッシャーを受けたブスケッツは裏にパス。それをマジョルカDFが弾き返してプレーは終わりました。
他のプレーも見ていきましょう。
ブスケッツがボールを持っており、マジョルカDFがプレスにいっています。
マジョルカMFの股を抜いた相手の逆をつくパスでFWレヴィにボールが渡ります。これに対してマジョルカは、、、
サイドのMFがプレスに来ました。これによって、バルセロナDFが空きますが、中央優先ということでしょう。
最後にCB(センターバック)の動きも見ていきます。
FWデンベレが中盤でボールを持っている場面。
デンベレから複数の選手を経由して逆サイドに展開されます。
マジョルカMFの逆サイドへの移動が間に合っていない状況を利用して、バルセロナMFぺドリが裏に走り込み。
これに対して、マジョルカCBの対応は、、、
ぺドリにピッタリ着いていきます。また、CBがサイドに動いたことで空いたスペースに関しては、マジョルカMFが埋める動きを見せます。
ここまで説明してきたマジョルカの守備「自分のマークを捨ててボール付近のスペースをなくす」に対して、バルセロナは苦しんでいました。
しかしバルセロナ苦戦の一番の要因は、コンビネーション攻撃の少なさです。特にサイドでの攻撃。
先ほど説明したように、マークを捨てて中央へのプレスを行うマジョルカ。それによって空くサイド。
しかし、次のプレーのようにサイドを攻め崩せていませんでした。
カウンターの場面。FWレヴィにパスが出されますが、マジョルカはサイドを捨ててレヴィにプレス。
マジョルカのプレスが来ていましたが、うまくパスを繋ぎ、サイドのFWデンベレにボールが渡ります。
ドリブルが得意でシュート力もあるデンベレがスペースを得たことで、チャンスを生かしたいバルセロナ。
ドリブルで前進するデンベレ。しかし、周りの選手の動きが鈍い。
選択肢がなく、シュートを選択したデンベレ。シュートは大きく外れチャンスを不意にしてしまいました。
このプレーと同様に、消極的なプレーやアイディアに欠けるプレーが目立ちました。今回のプレーで言えば、、、
例えば、バルセロナMFケシエが縦へのランでマジョルカMFを引っ張り、デンベレのカットイン→シュートも1つ良い手だと思います。
また、バルセロナMFガビがフリーだったので、、、
同じくケシエのランによって中央にスペースを作り出し、デンベレ→ガビ→ミドルシュートも良い手だと思います。
残念ながら、0〜15分間はフリーな選手を作るも良いアイディアが見られず、停滞した15分間となっていました。
試合によって、アグレッシブさが浮き沈みが激しい気がする、、、
次の15分間ではどうなったのか?それでは見ていきましょう。
15〜30分 一瞬の隙を逃さない一流
15〜30分も攻撃は停滞していましたが、一瞬の隙を逃さず先制点を奪います。
右サイドでドリブルを仕掛けるFWファティ。縦に行くと見せかけて、、、
横に切り返して、マジョルカDFの守備を一瞬剥がします。ここでマジョルカはFWファティへを優先的に警戒します。
マジョルカのファティへの警戒を逆手に取り、裏に抜け出すFWレヴィ。ここでマジョルカDFも当たりに行きたいですが、、、
MFガビが裏を狙う動きを見せたため、FWレヴィには当たりに行けませんでした。この隙が先制点に繋がります。
ドリブルでゴール前に侵入。余裕を持っているFWレヴィ。
シュートフェイントで追いかけてきたDFを剥がす。
そしてシュートコースがないところで、正確なシュートを放つ。
超絶シュートを決め切り、ゴールを奪い去ったレヴァンドフスキ。大金を払った甲斐がありましたね。
「マジョルカ御免」と言いたくなるゴラッソだったな〜。
30〜45分 甘い守備が目立つバルセロナ
先制点を奪いましたが、30〜45分も攻撃が停滞。そして、攻撃以上に問題だったのが、甘い守備でした。
うまくサイドにスペースを作られるバルセロナ。
サイドにボールが展開されます。ここで問題発生。マジョルカMFが裏に抜け出そうとしていますが、誰もマークしていません。
まんまと裏を取られるバルセロナ。
ただ、クロスの精度が悪く、バルセロナは弾き返します。そして、ボールは再びマジョルカMFへ。
縦に仕掛けるマジョルカMFに対して、バルセロナはタッチライン際に押し出したい場面。
しかし、PKを恐れたのか、変に距離を空けて「ただ着いていく」守備を行うバルセロナDFとMF。
余裕を持ったマジョルカMFは、、、
中央に高精度のクロスを供給。そして、ここで大問題発生。
完全に中央にスペースを空け、まんまと活用され、フリーでシュートを打たれます。
幸運にも、シュートはGK正面へ飛び、ことなきを得ました。しかし、最初から最後まで甘い守備が見られた場面でしたね。
同じように、甘い守備によりカウンタープレスを抜けられる場面も目立ちました。
まずファーストディフェンダーのFWファティがドリブルで剥がされます。もっと厳しめのプレスをしてもらいたいですが、仕方ないでしょう。
ファティの守備を掻い潜り、カウンターを開始。縦パス→落としで攻めようとするマジョルカ。
ここは、バルセロナMFケシエが素早く戻って対処してほしかったですが、、、
チンタラ戻ってきていたので、完全に前を取られました。残るDFは2枚に対して、マジョルカは4人。
危険な場面だったので、ケシエがファールで止めて、イエローカードをもらいました。
ファーストディフェンダー→縦パスへの対応→落としへの対応の3つ全てが良くなかったです。
マジョルカの力不足によって得点こそ与えませんでしたが、インテンシティの欠如が目立った時間帯でした。
力をセーブするにしても、要所はしっかり閉めてもらわないとな〜。
45〜60分 パフォーマンスが上がらないバルセロナ
後半に入っても、パフォーマンスが上がらないバルセロナ。攻撃は停滞し、甘い守備も見られました。
右サイドでボールを持つマジョルカ。
マジョルカMFが裏を狙います。しっかりマークしたいバルセロナですが、、、
完全に裏を取られました。MFとDF両方マークできず。
ここでもマジョルカがシュートを外してくれましたが、十分なインテンシティを見せられていないバルセロナでした。
後半に入っても調子が上がらないのは不安要素だな〜。
60〜75分 交代で息を吹き返すバルセロナ
先制点を奪ってから良くないパフォーマンスを見せるバルセロナ。68分にぺドリとハフィーヤを投入します。
交代が功を奏したのか、攻撃と守備が活性化しました。
ブスケッツがボールを持っている場面。ボールを受けるために、交代で入ったMFぺドリが降りてきます。
ぺドリにパスが通ります。また、同じタイミングで交代で入ったFWハフィーヤが中央に移動。
裏に走り込んだハフィーヤへぺドリから高精度のパス。完全に裏をとったバルセロナ。ここまでの60分間では見られなかった積極的な攻撃。
最終的にはボールコントロールを誤りゴールチャンスをはなりませんでしたが、やっとアグレッシブな動きを取り戻した時間帯でした。
75〜90分 きっちり試合を締めるバルセロナ
交代によってアグレッシブさを取り戻したバルセロナ。それは守備面においても同じで、1点をしっかり守り切れた要因と言えます。
マジョルカをうまくサイドに追い込んだバルセロナ。プレスに行っているのは交代で入ったぺドリ。守備でも活躍しますね。
マジョルカが無理やり縦パスを出し、FWまで届きます。しかし、バルセロナDFも「前を向かせない」しっかりした対応。
サイドに展開されますが、交代で入ったハフィーヤがしっかり戻って対応します。
マジョルカFWがうまくフェイトで交わしますが、バルセロナDFが待つスペースへの突破になりました。
スペースがないので仕方なく縦へパスを出しますが、そこもちゃんとマーク。
甘い守備を修正し、マジョルカに隙を与えなかったバルセロナが、1点を守り切り勝利を得ました。
盤石な15分間。落ち着いて観戦できた。
今後に向けて
レヴァンドフスキのゴラッソを抜けば、ペドリやハフィーヤが入ってくるまでの約70分間は褒められたものではなかったです。
代表ウィーク明けで疲労は溜まっているでしょうが、試合開始早々からアグレッシブに動いてほしいものですね。
また、控え組数名がスタメンで出た試合でしたが、スタメンを奪えるパフォーマンスは見せていませんでした。
ワールドカップがシーズン中に開催されるという超過密日程のなか、控え組の活躍も求められますが、もっとパフォーマンスを上げてほしいですね。
最後に、この試合での収穫は、「試合内容が悪い中でも勝ち点を奪える」ということでしょうか。
やはりタイトルを取るチームは、試合内容の良し悪しに限らず勝ち点を奪えるので、「今のバルセロナもそのレベルにあるのかな〜」と期待してしまいます。
リーガ奪還に向けて、勝ち点を積み重ねていってほしいと思います。ここまま突っ走れ。
最後に:【バルセロナ対マジョルカ 試合分析】勝敗を決めた強豪の特権 ラリーガ第7節
今回の記事では、ラリーガ第7節バルセロナ対マジョルカの試合分析を書きました。
難しい試合を勝ち切れて、ファンとしてはホッとしました。これからも勝ち続けてほしいです。
この記事で何かご意見等ございましたら、気軽にコメントしてください。
また、「強者とは何か?」を教えてくれたクラシコの分析記事もありますので、ぜひご覧ください。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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