どうも、がんばらないネコです。Twitterで活動しているサッカー分析ブロガーです。
今回はマンチェスターシティ対リバプールの内容から、プレミア勢の強さの秘密を見ていきましょう。
この記事は、以下の内容をお送りします。
この記事は次のような人にオススメです!
- 試合の振り返り
- 現代サッカーの特徴
- プレミア勢が強い理由
ここ数年欧州を引っ張っている両チームの今シーズン初の対決であり、非常に見応えのある試合でしたね。
今回の記事は試合の内容、サッカー界の変化、プレミア勢の強さを詳しく解説していきます。
今回の記事で読めば、「なぜプレミア勢が強いのか?」や「現代サッカーの特徴」などを知れますよ!
サッカーが好きな方や興味がある方は、ぜひ最後までご覧ください。
それでは、どうぞ!
【シティ対リバプール】不安定な戦いを支える優秀なDFたち
サッカーで勝利を掴むには基本的なことをしっかり行うこと。特に守備面での対応が非常に重要です。
ここ数年でサッカー界はポゼッションの呪縛から解き放たれ、テンポの速いサッカーが多くなってきました。
その分、カウンターでの攻撃も多く見られ、DFラインの負担が多くなっている印象。
上のデータにあるように、シティにとってはデュエル数や空中戦の数が非常に多い試合でした。
言い換えれば、ルーズボールの多い”コントロールしにくい”試合だったということです。
以上のようにコントロールしにくい試合では、不利な状況でも失点を防ぐことができる”GKを含むDF陣”の働きが勝利の鍵を握ってます。
そして、今回の試合では両チームのDF陣は素晴らしい働きを見せていましたね。
それでは、両チームDF陣の素晴らしい対応を見ていきましょう。
シティDFラインによる素晴らしい対応
リバプールDFがシティMFラインを突破。
これに対してシティ側の対応は・・・
まずCBディアスが少し前に出て待ち受ける対応。
これによってリバプールは、
- ドリブルのスピードを下げる必要がある
- 中央からの突破を難しくなる
- スルーパスを出せるコースが狭くなる
という問題を抱えることになりました。
また、ウォーカーとアカンジの対応も素晴らしいです。
相手の突破にまったく焦らず、ラインをしっかり合わせながらゆっくり下がる。
この対応も、リバプールのスピードを下げること、スルーパスなど中央突破の可能性を削ることを大いに助けています。
結果としてDF陣の働きより、リバプールDFはスピード下がり、スルーパスも出せず、中央突破の可能性が消えました。
リバプールは中央突破を諦め、サイドからの攻略を狙います。
中央突破に対して見事な対応を見せたシティですが、リバプールは強力なFWを擁しており、サイド攻撃も強い。
クロスからの打点の高いヘディングは非常に脅威です。
今回の場面でも、サラーのピンポイントクロスから打点の高いヘディングシュートを炸裂させるFWヌニェス。
非常に危ない場面でしたが・・・
シティの守護神エデルソンのスーパーセーブが炸裂。チームの危機を救いました!!
以上のように、強力なリバプールの攻撃を冷静で的確な対応によって防いだシティDF陣。
やはり欧州王者は守備力も伊達ではありませんね。
リバプールDFラインによる素晴らしい対応
続いて、リバプールの対応を見ていきましょう。
シティの組み立てが成功し、4対4の状況を作られるリバプール。
ここでのリバプールDF陣の対応は、「焦らない」、「ラインを合わせる」、「ゆっくり下がる」の3つ。
先ほどのシティの守備と同様に、まずは攻撃のスピードを下げることが大事。
そして、まずは危険度の高い中央からの攻撃を防ぎ、サイドに誘導すること。
シティは中央へのスルーパスを狙いますが、適切なラインコントロールにより牽制。
結果的に、シティMFはスルーパスを出せず。リバプールの素晴らしい対応でした。
中央突破を防がれたシティはサイドに。
カットインからの攻撃を行うシティに対して、リバプールはしっかりラインを合わせて、まずはスルーパスを牽制。
また、先ほどの守備対応のおかげでシティの攻撃スピードが遅くなったので、その分リバプールMFの帰陣が間に合っています。
適切なラインコントロールもあり、結果としてシティFWはミドルシュートを選択。
強烈なシュート力を持つフォーデン。リバプールの素晴らしい守備対応の中でもさすがのシュートを放ちます。
ここで並のGKなら失点してる可能性が高いですが・・・
リバプールの守護神であり名手アリソンのスーパーセーブが炸裂!!
シティと同様に、さすがの守備対応を見せたリバプールでした。
昨季の不調から見事に脱却していますね!!
一瞬の隙を得点に結びつけるのも強者の証
守備陣の活躍があり、両者チャンスは作るもなかなか得点にまで結びつかなかった試合。
このような試合で得点を奪うのは、やはり一瞬の隙を見逃さないチーム。そして、シティもリバプールもそのようなチームです!!
・シティの得点シーン
リバプールGKのミスキックを回収して、ショートカウンターを仕掛けるシティ。
これに対して、リバプールは2枚でプレスに行きますが・・・
1人目はあっさりかわされてしまいます。
動きを見る限りバックパスを予測していたように感じますが、お粗末な対応でしたね。
そして、2人目も簡単に突破される。
1人目のカバーリングをしていたため体勢が外側に向き、内への侵入に対応できませんでしたね。
2人を抜き去ったシティDFはFWハーランドへパス。
陣形が整っていないリバプールDF陣に対して、完璧なトラップでシュートに持ち込むハーランド。
必死にシュートブロックに来るリバプールDFが間に合わないタイミングで正確なシュートを放ち・・・
名手アリソンも届かないコースを打ち抜き、貴重な先制点を奪ったシティでした。
これぞ強者という攻撃!!
・リバプールの得点シーン
後半40分ごろ。左サイドからの攻撃を仕掛けるリバプールに対して、シティは枚数が揃っているので得点は難しいか?
途中出場のガクポがエリア内にラン。それにシティはMFがついていくことで対応します。
しかし、結果として中央にスペースが生まれ、ベストなタイミングでSBアーノルドが侵入。
素晴らしいタイミングの侵入だったので、シティMFのプレスが一瞬遅れます。
このプレスの遅れを見逃さず、アーノルドは高精度のシュートを放つ。
シュートはシティDFを掻い潜り・・・
守護神エデルソンも触れられないコースを打ち抜きました!!
残り10分少々の場面で素晴らしいゴールを決めたリバプールには脱帽です!!
この素晴らしい試合のハイライトを載せておくので、ぜひご覧ください!!
「強者とは何か?」を教えてくれる試合でしたね
プレミアが最強な理由:不安定な戦いに慣れている
Why we love the Premier League 😍
The ‘wheel of wins’ is complete ➡️ https://t.co/QZZv26j6Qs pic.twitter.com/H1kEYGBLBl
— Premier League (@premierleague) November 21, 2023
今回の試合を見て感じたのは、「やっぱりプレミアリーグが一番強いな〜」ということでした。
ペップバルセロナ登場以降、なかなか欧州の中心になれなかったプレミア勢。
しかし、少なくともここ5年間はプレミアの時代と言っていいでしょう。
なぜこのように思うのかを書いていきたいと思います。
スペシャリストでは勝てない時代になったサッカー界
まずは現レアルマドリード監督であるアンチェロッティの言葉をご紹介します。
「ノー。“ティキ=タカ”は死んだわけではない。ボールに触れることは、フットボールにおいて重要なことだ。しかし、試合に勝つためにはほかのこともしなくてはいけない。パス回しだけでは試合には勝てないし、速攻やほかのことも混ぜ合わせる必要がある」
DAZN
この言葉は、スペイン代表がカタールW杯で早期敗退したあとのものです。
ペップバルセロナが生み出したポゼッション重視の潮流。
それに対抗して生み出されたインテンシティからのカウンター攻撃の潮流。
いわば1つの部分が突出したスペシャリストなチームが強かった時代と言えます。
そして、各潮流で一流のスペシャリストであったスペインとドイツはW杯を制覇しました。
しかし、時代は変わりました。2018年はフランス、2022年はアルゼンチンがW杯を制覇。
フランスもアルゼンチンもスペシャリストではありません。
どちらもポゼッションもカウンターもある程度でき、必要なインテンシティも兼ね備えているチーム。
つまり現代サッカーは、満遍なくいろんなプレーを一定のレベル以上でできるジェネラリストのチームが勝つ。
三冠を達成したマンチェスターシティもポゼッション一辺倒からカメレオンのようなチームに変貌。
以前のシティと大きく変わり、ロングボールも普通に使いますし、ブロックを敷くのも許容している印象です。
以上の結果が示しているように、時代は大きく変わり、ジェネラリストの時代になってしまいました。
勝利のカギ:不安定な戦いを生き抜けるか?
現アトレティコマドリード監督であるシメオネの最近の発言。
ただ、これはラ・リーガ全体に言えることで、他リーグに比べてインテンシティという面に弱点を抱えていて、それがヨーロッパでの戦いを苦しめている
SOCCER KING
ジェネラリストの時代になった今、試合展開がよく変わる”不安定な戦い”が多くなっていますね。
ポゼッションの時間もあれば、カウンターを狙う時間も。
ボールを大切に回す時間もあれば、ロングボールを簡単に放り込む時間も。
インテンシティでの争いが多い試合もあれば少ない試合もある。
試合中にありとあらゆるプレーが行われ、予測することがより難しくなっている印象ですね。
次のプレーを予測しづらくなった現代サッカーにおいて、プレミアリーグ勢が一番結果を残しています。
CLでのベスト8及びベスト4進出回数は、ここ5年でプレミアリーグが1位。
そして優勝回数も3度で1位(マンチェスターシティ、リバプール、チェルシー)。
やはりこれは、プレミアリーグには多種多様なチームがおり、いろんなプレーを日々経験しているからでしょう。
アーセナルやブライトンといった強力なポゼッションを誇るチーム。
リバプールやニューカッスルは強力なインテンシティを活かしたカウンターチーム。
加えて他の中堅や下位チームも、堅い守備や鋭いカウンター、素早い連携という武器を持つ。
今のプレミアを制覇するには、目紛しく変わるプレーに対応できる柔軟性がなければ不可能と言えます。
その一方で、スペインやドイツ、イタリアといった他の主要リーグには、プレミアほどの多様性はありません。
スペインはテクニックの高さを感じられますが、インテンシティという面ではまだまだ。
ドイツはインテンシティの高さを感じられますが、ポゼッションとテクニックは足りていない。
イタリアはまだまだ欧州の潮流に乗り切れていない。
多様性から生じる不安定な戦いをあまり経験できない他国リーグがプレミアから遅れているのは必然かなと思いますね。
ちなみに、プレミア勢以外でのCL制覇はレアルマドリードとバイエルンミュンヘン。
2020年制覇のバイエルンは、インテンシティという最大の武器のみならず、ポゼッションもブロック守備も優れていた。
2022年制覇のレアルは、アンチェロッティらしい絶妙なバランスでプレーの自由度をかなり持ったカメレオンのようなチーム。
いずれもタレントが揃い柔軟性に長けたチームであり、不安定な戦いに対応できる能力を持っているチームでしたね。
レアルとバイエルンの例から見ても、柔軟性の高さ、言い換えれば”不安定な戦いを生き抜ける力”が重要なことがわかります。
今後のサッカー界がどこに向かうのかわかりませんが、数年間はプレミア勢が支配しそうですね。
バルサファンの私から見ると苦しい時代です
まとめ
今回はマンチェスターシティ対リバプールからプレミア勢の強さを解説しました。
最後にプレミア勢の強さの秘密を振り返りましょう。
プレミア勢が強さの理由 ・リーグ全体で多種多様なチームが存在している ・日頃から多種多様なプレーに対応している ・不安定な戦いを生き抜く力が培われている
シティ対アーセナル戦も同じように、多種多様なプレーがあふれる”不安定な戦い”でした。
今のプレミアリーグは近年稀に見る群雄割拠だと言える状況で、非常に見応えがありますね。
優れたタレントも集まってくるので、ますます制することが困難になってる印象。
プレミア勢の優位性はまだまだ続くでしょうね!!
今回の記事で何かご意見等ございましたら、気軽にコメントしてください。
また、優勝候補の1つであるアーセナルの現状を分析した記事もありますので、ぜひご覧ください。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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