どうも、がんばらないネコです。Twitterで活動しているサッカー分析ブロガーです。
【祝アルゼンチンW杯制覇😆】(今頃😂)
アルゼンチンが優勝できた要因を分析し記事にしました👍・アルゼンチンは何をしたのか?
・強さの秘密は?
・アルゼンチンから日本が学べることは?興味がある方はぜひご覧ください。#アルゼンチン代表 #FIFAワールドカップ https://t.co/lmrOLQhCJg
— がんばらないネコ@サッカー分析 (@Ganbaranai_Neko) December 28, 2022
マンU戦について、「バルセロナはなぜ敗退したの?」「どこが問題だったの?」など敗退の原因が気になる人は多いと思います。
今回の記事では、マンU戦の敗因を解説しています。
この記事は次のような人にオススメです!
- バルサの狙いを知りたい
- バルサが苦戦した理由を知りたい
- バルサに足りなかったことを知りたい
調子が良い中でのバルサ敗戦に、「マジで悔しい!」と思っている方も多いかと思います。
今回の記事はバルサの狙い、抱えていた問題、勝利のために足りなかったことを詳しく解説していきます。
今回の記事で読めば、「バルサの敗退原因」や「バルサがやるべきだったこと」などを知れますよ!
バルサを応援している方や興味がある方は、ぜひ最後までご覧ください。
PO第1戦:主力の怪我と戦術ミスによる苦戦
まずはELプレーオフ第1戦を見ていきましょう。
結果としては、2−2のドロー。ホームチームであるバルセロナは勝利を収められず、さらにアウェイゴールまで決められました。
試合は非常に白熱したものとなり、両チームが勝つ可能性をあった印象。
どちらかといえば、バルセロナが優勢で多くのチャンスを作ってましたが、絶好調ラッシュフォードを止めきれず。
バルセロナとしては非常にもったいなかった試合と言えるでしょう。
では、なぜバルセロナは苦戦したのか?両チームの狙いやバルサの問題を見ていきましょう。
バルサとマンUの狙い
まずバルセロナの狙いとしては、マンUの緩い前線の守備+空きがちな中盤を狙ってチャンスを作ることでした。
マンUの弱点として、まずは「緩い前線の守備」が挙げられます。
すごい悪いというわけではないですが、フリーマンを作らせやすいプレスを行います。
なので、縦パスを簡単に入れられる機会が多いですね。
また、2つ目の弱点としては「カゼミーロの負担が大きい」ことが挙げられます。
基本的に4−2−3−1や4−3−3を使うマンUですが、カゼミーロ以外の2枚の中盤が高い位置を取る傾向があります。
それに加えて、DFラインが前への対応ではなく、後ろへの対応を優先している印象。
これらによって、ライン間の守備をカゼミーロ1人で対応するという状況になっており、非常に負担が大きいです。
バルセロナは、マンUの緩い前線守備を掻い潜り、空いているカゼミーロ付近に縦パス→中央を支配することを狙っていました。
これに対して、マンUは両SHを中央に絞らせて、バルセロナの中央からの攻撃を牽制しようとしていました。
まずは両SHがFWと一緒にバルサCBにプレスを仕掛け、SBへのパスを誘発。
次に、中盤にいる選手をマンマーク気味に守備することで、バルサSBからのパスを制限し組み立てを阻害。
最後は、無理にSBが縦パスやドリブルで前進を狙ったところをボール奪取してカウンターを狙う。
バルサSBはそこまで組み立て能力が高くないため、マンUの狙いは非常に良かったと思います。
では、どちらが狙い通りに試合を進められたのかを見てきましょう。
前半:バルサが狙い通りに試合を進める
前半はバルセロナが狙い通りにプレーを遂行できていたと思います。
まずバルセロナが行ったことが、デヨングとケシエが状況に応じてDFラインに落ち、マンUのプレスを無効化。
これによって、CBやSBから縦パスを安定的に供給できていましたね。
そして、ペドリとガビが効果的なポジショニングをしっかり実行し、カゼミーロを攻略し中央を支配していました。
以上のように、狙い通り試合を進めていたバルセロナでしたが得点には至らず。これは中々痛かったですね・・・
そして、そんなバルサを大きく狂わしたのは、前半終了間際の「ペドリ負傷交代」でした。
バルサの誤算:ペドリの負傷で作戦変更を余儀なくされる
カゼミーロ相手に巧みなボールキープでバルセロナを引っ張っていたペドリの負傷。
代わりに入ったセルジロベルトはペドリとはタイプの違う選手であり、いろんなスペースに走り込んでチャンスを作るタイプ。
タイプの異なる選手を起用することになったため、当初の作戦を実行するのが困難になりましたね。
後半から「ペドリ抜きの作戦」に変更したバルセロナですが、これがバルサを苦境に追い込んでしまいました。
後半:バルサの作戦変更が失敗に終わる
ペドリがいなくなった後半。バルセロナが変えたことはデヨングとケシエのポジショニング。
DFラインに落ちることでパサーの確保を行なっていた2人をボランチの位置に固定。
しかし、このポジショニング変更によって、DFラインがプレスに晒されパサーの確保が困難になってしまいました。
マンU1点目の原因になったのは、まさにこの作戦変更でした。
安定してパスを回せない状況を自ら作ってしまい、マンUの強烈カウンターを何度も食らったバルセロナ。
組み立てを安定させておけば、少なくとも1失点目のような失点の仕方はしなかったはず。
後半からの作戦変更は大きな失敗でしたね。
また、不安定な組み立てをより悪化させたのは、受け手の問題もありました。
ボランチの位置に固定されたダブルボランチの2人+ガビ+セルジが中央に密集。
それによって、中央へのパスコースを自ら消してしまい、DFラインから縦パスを入れることが困難に。
ただでさえDFラインがマンUのプレスに苦しむ中で、中盤や前線がボールの逃げ道を作れてませんでした。
以上のように、組み立てがまったく安定しないような戦術を実行したため、後半開始15分で2失点。
ホームで勝利を目指しいたバルセロナは、自ら難しい試合を演じてしまい、勝利を逃してしまいました。
PO第2戦:修正されなかった戦術ミスによる敗北
続いてプレーオフ第2戦を見ていきましょう。
結果としては、1−2で敗北。試合内容としても満足のいくものではありませんでした。
第1戦、特に前半のような素晴らしい攻撃は見られず、終始マンUにうまく守られていました。
そして、第2戦後半は完全にマンUが圧倒。バルセロナはほとんど何もできず。
なぜバルセロナは敗北したのか?第2戦のバルサの問題を見ていきましょう。
バルサの現状:主力が軒並み欠場→チーム力の低下
まずは第2戦でのバルセロナのチーム状況を振り返りましょう。
何といっても、ペドリ+ガビの不在により、中央で躍動できる選手がいない。
今シーズンのバルセロナを引っ張ってきた選手2人が同時にいないのは非常に痛かったですね。
また、第1戦と同様に右サイドにデンベレがいないため、バルセロナの1番の武器であった右サイド攻撃が弱体化。
代わりに出ているラフィーヤは第1戦でゴールを上げてますが、デンベレの破壊力には到底及ばない。
そして、現在のバルサは左WGに中盤の選手を起用し、守備時の中盤の強度を確保しています。
そのため、左サイドの攻撃は左SBに頼っており、大きな破壊力を期待できない状況です。
まとめると、中央+右サイド+左サイドのすべてのエリアで攻撃を失っていました。
こういう状況で、ユナイテッドをオールドトラフォードで倒すのは難しいゲームだったことは事実。
ただ、このような状況をより悪化させたのは、第2戦で行った戦術。
ファンとしては、戦術やメンタルなど他の要素で良い試合を演じてほしかったですが、結果以上に内容が良くありませんでした。
バルサの総シュート数はわずか6本。しかも、後半のシュート数は、マンU9本に対してバルサが2本。
完全にユナイテッドに圧倒されてしまったバルセロナ。
バルセロナの何が良くなかったのかを見ていきましょう。
バルサ:チーム状況に合わない戦術に終始し自滅
第1戦の後半、組み立ての問題を抱えたバルサはユナイテッドのカウンターに撃沈。
そんな状況だったので、第2戦でバルセロナは組み立ての問題を解決するべきでした。
しかし、バルセロナが行なっていたのは第1戦後半と同じ組み立て。つまりマンUの守備に止められやすい組み立てでした。
デヨングとブスケッツがボランチの位置に居座り、DFラインがマンUのプレスに晒されました。
結果として、第1戦後半と同様に中盤に縦パスを入れられない状況が続き、チームとして前進ができず。
言い換えれば、マンUを自陣に押し込むことができず、試合はオープンな展開となり、バルサにとっては不利な展開になってしまいました。
そして、不利な状況に陥るバルセロナをより苦しめたのは、選手の特性に合わない戦術。
ペドリとガビの代わりに起用されたのはセルジとケシエでしたが、彼らはライン間で動ける選手ではありません。
しかし、そんな特性に合わせず、セルジとケシエに中央での躍動を期待していたことがバルサをより苦戦させていましたね。
ライン間で2人にボールが渡ることがありましたが、ペドリやガビのようにドリブルやパスでチャンスを作れるはずもなく。
マンUにとっては非常に止めやすい攻撃に終始していましたね。
そんなバルセロナを横目に、うまくユナイテッドは試合を進めました。次にユナイテッドの作戦を見ていきましょう。
マンU:攻守両面でバルサを圧倒し勝利
1つ目の作戦は、成功率が低いクロス攻撃にバルセロナを誘導することでした。
これは第1戦でも見られたものですが、デンベレがいなくなったバルセロナのサイド攻撃は中々成功していません。
第2戦、両サイドから何度もクロスを供給したバルセロナですが、チャンスになったのはクンデに合わせた1本のみ。
ただでさえ攻撃力を失っていたバルセロナを、より攻撃力の低いクロス攻撃に誘導していたのは、素晴らしい作戦だったと言えますね。
また、そんなバルセロナに追い打ちをかけるように、後半から攻撃を修正したマンU。
ゆっくりとした組み立てをやめ、より直線的な攻撃に変更。それに合わせて、右WGにスピードに定評があるアンソニーを起用。
マンUのスピードがある前線に中々ついていけないバルセロナDF。アラウホ以外が裏へのボールへの対処がうまくない。
パス1本でゴールに攻め込まれるバルセロナ。そして、自陣に押し込まれて攻撃に転じられない時間が続き、逆転を許しました。
見事に作戦がハマったマンUと、まったくハマらなかったバルセロナ。スコア以上にマンUの圧勝でしたね。
もっとも良くなかったこと:小さなミスを連発
PO第2戦、戦術のミスもあり完全にマンUペースで試合が進んでしましたが、個人的に残念だったのは小さなミスが本当に多かったことです。
ゴールに迫ったシーンやカウンターを仕掛けたシーン。バルセロナが2点目を決めれた可能性はありました。
しかし、すべての場面を簡単なパスミスなどで無駄にしていた印象です。
また、守備においてもミスが多発。
1失点目は完全にバルサ側のミスによるものであり、ケシエのボールロストとバルデの対応ミスです。
バルセロナの選手として、特に中盤の選手としてはしっかりボールキープしてほしい場面ですが・・・
トラップミスをしてしまうケシエ。正直ペドリやガビならしないと思う。
危険な位置でボールロストをし、マンUのショートカウンターを喰らう。
中央への展開にうまく対応するべきだったが、バルデが中央ではなくサイドの守備を優先。
それによって、ボールを受けたフレッジに簡単にエリア内への侵入を許す。バルデが最初からフレッジに対応しておけば止めれたかも。
後半開始早々に失点を許してしまったバルセロナ。ここから完全にマンUが試合を支配して万事休す。
マンUの作戦も素晴らしかったですが、バルセロナとしては不完全燃焼で終わった第2戦。
ファンとしては非常に残念な試合でした。
バルサがやるべきだったこと:得点ではなくボール保持を最優先に
では、バルセロナがやるべきだったことは何だったのか?
第1戦後半〜第2戦終了までの135分間の戦いにおいて、バルセロナがマンUに真っ向勝負を挑んでしまったことは失敗でした。
マンUはラッシュフォードをはじめ攻撃の主力がちゃんと出場してましたが、バルセロナは攻撃を引っ張っていた選手が軒並み欠場。
つまり、真っ向勝負になればマンUに分があるのは当然で、ガビまで欠場した第2戦でマンUに圧倒される姿は必然だったと言えます。
個人的にバルセロナがやるべきだったことは、まずはできるだけボールを保持して、マンUを自陣に押し込むことだったと思います。
もしバルセロナが組み立てをしっかり行いマンUを自陣に押し込めば、主力不在で下がっているチーム力を補えます。
まずカウンタープレスを機能させられるので、マンUの攻撃機会を減らし、2失点はしなかったかもしれない。
また、カウンタープレスからの二次三次攻撃を行うことで、ペドリなどがいなくても得点を狙えたはず。
マンUを自陣に押し込むことは、バルセロナにとって唯一の勝ち筋があった戦い方だと思います。真っ向勝負は間違いでしたね。
では、どうすればマンUを自陣に押し込めるのか?
スタメンは左WGフェラン、右SBのセルジを起用。フェランは突破力を、セルジは中盤の支配を担当。
組み立てに関しては、マンUのSHを狙います。
マンUのSHは、中央を守るのか、サイドを守るのかが曖昧で、相手チームのプレスを掻い潜られる原因になっています。
バルセロナとしては、SBセルジが偽SBとしてプレーして、上記のような数的優位を形成。
そして、SHがどこを守るかによってボールの逃げ道を作り変え、チーム全体での前進を狙います。
たとえばマンUのSHがDFラインへのプレスにいった場合は、相手サイドにデヨングとセルジが移動しボールを受け前進します。
ちなみに、第1戦前半ではデヨングがこの動きを多用して、ボール回しを円滑にしてました。
マンUのSHがデヨングやセルジへの縦パスを警戒した場合は、フェランとラフィーヤが降りてきてボール受ける。
WGに対してマンUのSBがマークしてくる可能性があるので、レヴァンドフスキとケシエがSBの背後を狙う。
コンセプトは後方の数的優位→常にパスコースを確保すること。前進のやり方は他にも多数ありますが、もっと柔軟になるべきでしたね。
以上のように、後方の数的優位をしっかりつくることで前進し、マンUを自陣に押し込みます。
そして、サイドからはフェランとラフィーヤが突破を狙い、中央はレヴァンドフスキに加えてケシエとデヨングが2列目から飛び出し、クロスに合わせる。
一番の狙いは、カウンタープレスからのショートカウンター。そのために、崩しではなくカウンタープレス要員を確保することが最優先。
このような戦い方を90分間しつづければ、1−0で勝利できた可能性はあったでしょう。少なくとも真っ向勝負よりは勝機はあったかと。
組み立ての柔軟性を欠いていた点は、今回の戦いで見つかった大きな課題であり、このチームのポテンシャルでもあります。
組み立てが安定するようになれば、どんな相手とも互角以上に渡り合えるはず。
ぜひとも、組み立ての柔軟性を獲得するために色々と試行錯誤してほしいですね。
まとめ
今回はマンU戦の敗因を解説しました。
最後にマンU戦の問題点を振り返りましょう。
マンU戦の問題点 ・主力が軒並み欠場しチーム力が大幅低下 ・組み立てが安定しない戦術の採用 ・選手の特性に合わない戦術の採用
バルセロナにとって大きな失望が伴う敗北でしたね。
まず第1戦は良い戦いをしながらの引き分け。正直前半で2−0とできた試合だったのでもったいなかったです。
続いて第2戦に関しては、完全に作戦ミス。負けて当然の試合だったといえます。
もちろん主力が軒並み欠場していたのは非常に痛かったですが、もう少しやりようがあったのではと思います。
ただ、シャビ政権が始まってまだ1年弱でここまで素晴らしいチームになっていることは大きな成長です。
今後のバルサに非常に注目ですね!!
今回の記事で何かご意見等ございましたら、気軽にコメントしてください。
また、バルセロナの課題を分析した記事もありますので、ぜひご覧ください。
最後までお読みいただきありがとうございました。
コメント