どうも、バルセロナ大好きサッカー分析屋の”がんばらないネコ”です。バルセロナ対エルチェの試合分析を行なっていきます。
【バルセロナ対エルチェ 試合分析 LIGA第6節】レッドカードを生んだバルセロナの賢さ
バルセロナ対エルチェはバルサの順当勝ち。試合開始早々のレッドカードもあり、ストレスなく勝ちきれましたね。
まずは簡単な試合統括をしていきます。その後に詳細な分析をしていきますので、お時間の許す限りお楽しみください。
バルセロナ対エルチェ 前半統括
まず前半開始早々、エルチェはレッドカードを受けCBが退場。これで試合の行方がほぼ決まりました。
このレッドカードはエルチェの自滅ではなく、しっかりエルチェの守備の特徴を利用したバルセロナの賢さによって生まれました。
その点は非常によかったですが、レッドカード後得点が入らずギクシャクする内容に。
もっとも33分にゴールが入りますが、10人の下位チーム相手に少し物足りない攻撃を見せていました。
守備に関しては、バルセロナは特に問題はなかったです。カウンタープレスも機能してしましたし、全体的に落ち着いて対応できていました。
一方で、エルチェは退場者を出した場面は、もう少し後方のスペースをケアしておくべき場面だったと言えるでしょう。
CBの前がかりのディフェンスは戦術だったでしょうが、3CBのうち1〜2枚はスペースケアに使うべきです。
ただ、退場後のディフェンスは素晴らしかったです。前半2失点してますが、バルセロナが相手と考えると十分な対応はしていたでしょう。
バルセロナ対エルチェ 後半統括
後半も同じペースで試合が進みました。開始早々ゴールを決めましたが、その後はなかなか決めれず、少し停滞していました。
簡単にクロスを上げたり、逆に難しいプレーをしたりと、効率の悪い攻撃も多々見られました。
3−0だったので勝利は確実でしたが、ファンとしては10人相手にもっとゴールを見たかったです。
一方エルチェは10人なので何もできず。耐えるだけの試合展開となってしまいました。
後半もエルチェの頑張りが見られ、バルセロナの攻撃をやや停滞させていました。
バルセロナがいろいろな形で攻撃を仕掛けてくる中、中央に集中した守備でギリギリ止めていました。
一方でバルセロナは前半同様落ち着いて対応していました。10人のエルチェ相手にチャンスすら作らせず。
ファンとしては安心して試合を見れました。
全体統括
開始13分でエルチェの守備を攻略し、レッドカードを生み出したバルセロナは素晴らしかったです。
その後、気を抜いたのか攻撃がやや停滞気味になりますが、きっちりチャンスを決め切り3−0完勝。ミュンヘンでの敗北を引きずらず勝ててよかったです。
10人のエルチェの守備がよかったので、次戦では11人のエルチェ相手にしっかり勝てるところを見てみたいと思った試合でした。
バルセロナ対エルチェ 詳細分析
ここからバルセロナ対エルチェの詳細な分析に入ります。レッドカードが生まれた理由も解説します。
なお、開始13分でエルチェにレッドカードが出たため、それ以降はこれといった見せ場はなかったです。
なので、今回の詳細分析は最初の15分間の分析がハイライトです。では、お楽しみください。
0〜15分 レッドカードを生んだバルセロナ
では、この試合を決定づけた最初の15分間から見ていきましょう。
まずはエルチェの守備を見ていきましょう。エルチェの守備戦術を理解すれば、レッドカードが生まれた理由がわかります。
エルチェの守備の特徴は以下の2つです。
- SHの守備範囲
- CBの前がかりの守備
1つずつ見ていきましょう。
SHの動き
エルチェのSHはバルセロナSBを優先的に警戒していました。例えば、1:30ごろのプレー。
バルセロナCBがボールを持っています。エルチェMFがプレスに行きます。
それによってできるMF背後のスペースをバルセロナFWデパイが狙い、SBバルデがデパイの動きによってできるスペースを狙います。
これに対してエルチェは以下のような対応をします。
CBの1人がまずデパイをマークします。そのCBが空けたスペースをWBが埋めます。
WBが空けたスペースをバルセロナSBが狙う動きに対しては、エルチェSHがついていきます。
同じように、0:50ごろのプレーでもSBを警戒する守備を見せます。
バルセロナMFぺドリがボールを持っています。エルチェMFがプレスに行き、もう1人のMFがカバーリングポジションを取ります。
この時のSHの動きを確認します。まず左SBバルデが高い位置を取るのに対して、エルチェSHがついていきます。
そして、逆サイドの左SHはバルセロナ右SHクンデを優先的にマークします。それによって、中央にスペースができています。
では、上のようなスペースに対して、エルチェはどのように対応したのか。それは次のCBの動きによる対応です。
CBの動き
先ほどのシーン。ぺドリからMFケシエにパスが通ります。この時、エルチェCBは前がかりな守備を展開します。
自分の持ち場を大きく離れてケシエにプレスしにいくエルチェCB。
このようにエルチェのCBは持ち場を離れて、前にプレスにくるシーンが多々ありました。
レッドカードの予兆
ここまでエルチェのSHとCBの動きを見ていきました。SHとCBの動きを利用することでバルセロナはレッドカードを生みました。
そのレッドカードが生まれる5分ほど前に予兆がありました。そのシーンを見ていきましょう。
まずバルセロナMFデヨングがDFラインに降ります。それによってエルチェFWを引きつけます。
デヨングからCBアラウホへ。エルチェFWはすでにデヨングにプレスに行っているので、エルチェはMFがプレスに行きます。
ここで先ほど説明したエルチェSHの守備特徴があるので、中央にスペースができます。そこをMFぺドリが狙います。
ぺドリにパスが出ます。ここでエルチェの守備特徴2つ目の前がかりのCB。ボールを受けたぺドリにエルチェCBがプレス。
プレッシャーを受けたペドリはサイドのWGデンベレに展開し、チャンスを作りました。
このシーンと同様の動きによって、エルチェのレッドカードが生まれました。
仕組まれたレッドカード
まずデヨングはエルチェFWがプレスに入っていたので、ボールを持つCBアラウホにはエルチェMFがプレスに行きます。
この時、ライン間(DFラインとMFラインの間)にはケシエ、レヴァンドフスキ、ぺドリの3人が。
そして、エルチェのCBがライン間にいる3人をマークしています。
アラウホからケシエにパス。エルチェCBがプレスに来て、ボールをルーズボールになります。
この時、3CB全員高い位置を取っているので、背後に大きなスペースがあります。
ルーズボールをエルチェMFがクリアしますが。
ボールはデヨングの元へ。そして、レヴァンドフスキが素早く背後のスペースを狙い、デヨングからパスが出ます。
レヴァンドフスキに完全に抜けられそうになり、エルチェCBが倒してファール。
決定機阻止のために審判はレッドカードを提示。勝敗がほぼ来まった瞬間でしたね。
エルチェの守備をすぐに理解し、素早く活用していたバルセロナはさすがと言えます。文句の出ない15分間でした。
15〜30分 不甲斐ない攻守
退場者を出したエルチェに対して、早めに試合を決めたいバルセロナでしたが、不甲斐ないプレーをしてしまいます。
ここでは、15〜30分の15分間であった「?」というプレーを見ていきます。
甘い守備
エルチェのカウンター。SHがボールを持っており、バルセロナMFデヨングがプレス。
SHからFWにパスが出ました。バルセロナは3人で囲い込みボールを奪いたい場面。
しかし、3人とも体を当てずに距離を離してしまい、簡単にプレーさせてしまいます。
プレッシャーをあまり受けなかったエルチェFWは包囲網を抜けて、MF経由でスペースのあるサイドに展開しました。
FWに1人でもしっかりプレッシャーをかけていれば簡単にボールを取れたはずです。この試合、同じようなシーンが何度か見られました。
自己中プレー
次には攻撃に関して。10人のエルチェに対して、簡単にゴール前には行けましたが、そこからのプレーがあまり良くなかったです。
例えば、次のデパイのプレー。
デヨングがボールを持っています。ライン間でペドリがフリーです。
ぺドリにボールが渡りました。ラストパスを狙うぺドリ。
エルチェCBの背後を狙ったデパイにパスが出ます。
裏に抜け出してシュートを打とうするデパイ。エルチェCBも必死に対応しようとします。
エルチェCBの動きの逆をつくシュートフェイントを披露するデパイ。完全にCBを振り切ります。
ここで中央ではレヴァンドフスキとペドリがフリーです。角度的にもシュートが難しいので、パスをしてほしい場面ですが。
シュートを選択し、GKに弾かれました。
このように自己中なプレーが何回か見られたデパイ。スタメンになるのは遠い未来でしょうか。
30〜45分 やっと決めれた
不甲斐ない15分間を過ごした後、やっと決めることできた15分間でした。ゴールシーンを振り返っていきましょう。
1点目
WGデンベレがボールを持っています。中央の低い位置でペドリがフリーです。
ペドリにボールが渡ります。
ここで上がってきたSBバルデにパス。エルチェFW?が必死についていきますが。
バルデから鋭いクロスが中央へ。
レヴァンドフスキが押し込み先制点を奪いました。
2点目
SBクンデがボールを持っています。ここでどこにパスを出すか?
CBをフィジカルで圧倒しているデパイにパスが出ます。
フィジカルでCBを押し込みながらキープするデパイ。
切り返して強烈なシュート。
GKの上を越えていくシュートがゴールに突き刺さり2点目を奪いました。
45〜60分 試合を決める3点目
後半開始早々に3点目を奪い、試合を決めました。ゴールシーンを振り返りましょう。
3点目
SBクンデがボールを持ってます。
WGデンベレにボールが渡ります。
中央にクロス。
ゴール前で混戦になります。
混戦の中でボールが後方に流れます。ボールはレヴァンドフスキの元へ。
狙い定めたシュートを放ち3点目を奪いました。
60〜75分 決めきれないバルセロナ
3点目も決め、勝敗は決していた状況でしたが、もう少し点がほしい。しかし決めきれない状況が続きました。
決めきれないチャンス
WGハフィーヤがボールを持っています。SBが高い位置を取っているので、中盤が守備が薄くなっています。
薄い中盤を利用して、フリーでボールを受けるペドリ。
ぺドリから浮き球パスを受けるFWファティ。中央にクロスを上げますが。
ギリギリクロスには合わず。決めきれませんでした。
75〜90分 気になる守備のミス
最後の15分間も同じような状況が続きました。ただ、またもや守備でのミスが見られました。
そのシーンを見ていきましょう。
甘い守備2
エルチェのカウンター。赤線のような動きを見せます。
FWにパスが通りますが、バルセロナが囲い込みます。しかし、再び甘い守備を見せて、強めのプレッシャーをかけれません。
プレッシャーが弱いので、SBにボールを渡します。バルセロナもSBにプレスに行きますが、縦へのパスコースを切れず。
再びFWにボールが渡ります。ここにも強めのプレッシャーをかけれず。
前線に移動していたMFまでボールが渡りました。最終的にはボールを奪いましたが、ここまでの対応は誉められたものではありません。
ミュンヘンでの戦いとは違って、体すら当てない守備が何度か見られました。10人相手とはいえ、そこはしっかりやってほしいものです。
今後に向けて
ミュンヘンでの敗北を引きずらず、しっかり勝てたことが一番の収穫です。メンタル面がそこまで柔じゃないということでしょうか?
相手の守備を理解して活用することに関しては、やはり優れた能力を見せるバルセロナ。これをし続ければ下位チームにはそこまで苦戦しないでしょう。
懸念で言えば、控え組の活躍度。ゴールこそあれどそこまで良いプレーをしていなかったデパイなど、もう少し頼り甲斐のある選手になってほしいですね。
また、時々見せる甘い守備は勝ち点を落とす原因になるので、最小限に減らしていってほしいです。
懸念を払拭して改善し続けて、ここままリーグ戦を含めて好調を維持していくことを願ってます。
最後に:【バルセロナ対エルチェ 試合分析 LIGA第6節】レッドカードを生んだバルセロナの賢さ
今回の記事では、ラリーガ第6節バルセロナ対エルチェの試合分析を行いまいした。
レッドカードがあり少し退屈な試合でしたが、勝利できたのでファンとしては良かったです。このまま好調を維持しましょう。
この記事で何かご意見等ございましたら、気軽にコメントしてください。
また、今回バルサが見せたような攻撃のコツを解説した記事もありますので、ぜひご覧ください。
最後までお読みいただきありがとうございましいた。
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