ヨーロッパサッカーを中心にサッカー分析している”がんばらないネコ”です。
今日はUEFAチャンピオンズリーグ第1節バルセロナ対プルゼニのマッチレポートを書いていきます。
【バルセロナ対プルゼニ CL第1節】ベスト4に向けた順当な勝利
いよいよ開幕しましたUEFAチャンピオンズリーグ。そして、我らがバルセロナも出場しています。
今日はCL第1節バルセロナ対プルゼニ戦の試合分析を書いていきます。初戦なので両チームとも少しナーバスな部分はあったかと思いますが、どうなったでしょうか。
なお、今回の試合はあまり内容的に薄かったので、短い記事となります。ご了承ください。
まずは試合統括
まずは試合統括です。結果は5−1でバルセロナの完勝でした。内容的にもバルセロナの完勝と言ってもいいでしょう。
プルゼニが用意した守備はゾーンとマンマークの併用でした。以下のイラストのように、自分のゾーンに入ってきた選手をマンマークし、マークの受け渡しが可能な場合だけマークを離すというものでした。
基本的には、FWもしくはトップ下がバルセロナCBにプレス、プレスに行かなかった方がボランチのブスケッツをマークするという動きを見せます。
ボール保持者を自由にさせず、なおかつパスの受け所も事前に潰しておくというものでした。
ただ、バルセロナの個人能力の高さを考慮してか、全体的にプレスが弱かったので、バルセロナは簡単にボールを持てていました。
また、ハーフスペースと両CB前のスペースでのマークが曖昧だったこともあり、そのスペースをうまくバルセロナに利用されていました。特にハーフスペース。
そして、なんと言ってもバルセロナのカウンターに対するプルゼニの守備力がまったく足りなかったので、かなり危険なシーンを何度も作られていました。
プルゼニはチェコのチームであり、CL中でも下位レベルですので、今回の結果は致し方ないと言えるでしょう。
そんな中、プルゼニはバルセロナから1点奪っています。これは本当にいらない1点であり、次のバイエルン戦に向けて大きな不安要素でしょう。
相手がプルゼニなので気を抜いていた部分もあるでしょうが、ボールがまだ出ていないのに出るを勘違いして足を止め、それをプルゼニが回収してフリーでクロス。
中央で完全に空中戦に負け、ヘディングシュートを決められて失点。これはカウンターからの失点でしたが、相手のレベルを考えると、守備を抜けられる場面が多かったです。
バルセロナ戦を見た後に、同じくCグループのバイエルン対インテルを見ましたが、バイエルンはなかなか強いです。
スペースを作る動きと活用する動きの質と頻度、スピードが素晴らしいチームで、ボールロスト後の守備を含めて全体的な守備のインテンシティも高いです。
来週バルセロナ対バイエルンですが、バルセロナにとっては、今シーズン初の「自分たちのレベルを測る試合」になるでしょう。
ファンとしては勝利を願ってますが、現実的に見ると、勝つ確率は20%ほどでしょう。バイエルンの方が明らかに強いですね。
今回プルゼニ戦の勝利を喜びつつ、次戦のバイエルン戦を不安と期待を持って待ちましょう。そんなところで簡単な試合統括でした。
これ以降は、この試合の詳細な分析です。試合が退屈なものだったので、あまり濃い内容ではないですが、興味がある方はぜひご覧ください。
プルゼニの守備
ここではプルゼニの守備を説明していきます。先ほど簡単には説明しましたが、プルゼニはゾーンとマンマークの併用をピッチ全域で使っていました。
そして、プルゼニは攻撃型(バルセロナゴール前の守備)と中盤型(センターサークル付近の守備)プレッシングはあまり積極的に行いませんでした。
プルゼニは、守備型プレッシング(プルゼニゴール前の守備)を中心に守備を行なっていました。では、実際のプレーを見ていき、より深くプルゼニの守備を理解していきましょう。
例1 00:30ごろ
CBクンデがボールを持っています。プルゼニFWがプレスに来ます。
クンデからSBアルバにパス。プルゼニSHがプレスに行っている間にバルセロナWGファティが下がってきます。
ファティにはプルゼニSBがプレスに来ますが、バルセロナはCHペドリ経由でCBクリステンセンにボールが渡ります。
CBクリステンセンからWGデンベレにパス。プルゼニはSBとSHが対応。ここで先ほど説明したようにハーフスペースが空きます。
そこを狙ってバルセロナCHケシエが走り込みます。
デンベレからケシエにパスが通り、プルゼニCHがマークし続けます。またバルセロナSBセルジが上がってきます。
ケシエからデンベレ経由でSBセルジにボールが渡ります。ここで再びハーフスペースが空きます。
SBセルジはデンベレとのワンツーでハーフスペースに攻め込みチャンスを作りました。SBセルジに対してプルゼニトップ下がついて行かずに足を止めていたので、プルゼニCBが慌てて対応していたのが印象的でした。
例2 2:30
CBクリステンセンがボールを持っています。バルセロナはCHケシエとWGファティが裏のスペースを狙い、プルゼニCHがそれに対応します。
プルゼニの両CHがDFラインに吸収されたため、中央に大きなスペースが生まれました。そこを狙って、バルセロナCBクリステンセンがドリブルで持ち込みます。プルゼニFWのプレスも遅れていました。
最終的にはCBクリステンセンからFWレヴァンドフスキ(以下、レヴィ)経由で上がってきたSBアルバに展開しチャンスを作りました。
2つのプレー両方とも、プルゼニの守備の特徴をうまく活用していました。ただ、プルゼニのプレスが弱かったことが、よりバルセロナを円滑にプレーさせていたことは言うまでもありません。
バルセロナの攻撃
次はプルゼニの守備をうまく活用してゴールを奪ったバルセロナを見ていきます。良いプレーがたくさんあったので、印象的だったレヴァンドフスキのゴールだけ見ます。
レヴァンドフスキのゴール
まず左サイドでSBアルバがボールを持っています。ここでイラストで状況を確認しましょう。
ここまでの説明通り、プルゼニはCH含め各選手がマンマーク気味に守備します。それによって、この場面では両CHが上記の位置にいます。
なので、バルセロナとしてはプルゼニCH不在の中央のスペースを狙いたいところです。
WGファティが裏に走り込み、プルゼニCBが2枚で対応します。そしてCBが空けたスペースをバルセロナCHケシエが走り込み、プルゼニCHがついていきます。
中央に空いた大きなスペースをFWレヴィが寝ら走り込みます。プルゼニは誰もマークできず、FWファティからパスが出ます。
完全にフリーで射程圏内でボールを持ったFWレヴィがしっかり決めました。
これまで説明してきた通り、プルゼニが空けるハーフスペースとCB前のスペースをうまく活用してゴールを奪ったシーンでした。
上記のような攻撃を何度も繰り返し、カウンターでも点を取ったバルセロナ。こうして、CL初戦プルゼニ戦には順当に勝利を手にしました。
バイエルン戦に向けて
最後に来週行われるバイエルン戦に向けた不安を少し書きます。まずは、今回の失点シーンを見ましょう。
中央からのプルゼニの攻撃。ボールはバルセロナ選手にあたり、サイドに流れます。まず、バルセロナGKテアが取りに行こうとします。
それ以外の選手は止まっていますが、それを見てプルゼニのSH?がボールを取りに行きます。
ボールが思った以上にゴールから離れたためか、GKテアが取りに行くのをやめました。ボールに近いのは完全にプルゼニ。バルセロナは慌てて対応します。
プルゼニSH?が間に合い、クロスを上げます。中央の人数はプルゼニが完全に優勢。
完全に集中力が欠けた守備。正直プルゼニ相手に失点してはいけません。それくらい力差はあったはず。
ここまでリーグ戦含め5試合やってますが、プルゼニ戦失点シーンのように簡単にチャンスを作られる場面がけっこうあります。
これまで戦ってきた相手が下位もしくは中堅だったので、ゴールを決められることはあまりありませんでしたが。
しかし、次の相手はバイエルンミュンヘン。ドイツ王者であり、CLの優勝候補の1つです。今までと同じようには絶対に行きません。
これまで以上にインテンシティを上げて、カウンタープレス含め守備をしっかりやらないと、前回と同じく完敗を喫します。
ぜひとも、厳しい守備をバイエルン相手に披露してほしいですね。
最後に:【バルセロナ対プルゼニ CL第1節】ベスト4に向けた順当な勝利
今回は、バルセロナ対プルゼニのマッチレポートを書きました。相手が相手だったので、内容的には薄い試合でした。
次回はバイエルンミュンヘン。今シーズン初めての強敵とやり合うので、けっこう楽しめそうですね。期待してましょう。
今回の記事で何かご意見等ございましたら、気軽にコメントしてください。
また、集中力の大切さを教えてくれるセビージャ戦の分析記事もありますので、ぜひご覧ください。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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