どうも、がんばらないネコです。Twitterで活動しているサッカー分析ブロガーです。
今回はマンチェスターシティ対レアルマドリードを分析し、勝敗を分けた要因を見ていきましょう。
この記事は、以下の内容をお送りします。
この記事の内容はこちら!!
- レアルの戦術
- シティの修正
- 試合感想
昨季ベスト4の再戦となった1戦。優勝候補筆頭同士の激しい戦いになりましたね。
今回の記事はレアルの戦術、シティの修正、勝敗を分けた要因を詳しく解説していきます。
今回の記事で読めば、「レアルが勝ち抜けた理由」や「シティの足りなかった点」などを知れますよ!
サッカーが好きな方や興味がある方は、ぜひ最後までご覧ください。
それでは、どうぞ!
レアル:能力を活かしたプレスとカウンター
今季のCL優勝を占う1戦となったベスト8”シティ対レアル”。
私自身も優勝候補筆頭に挙げていた2チームの対決はまさしく激戦でした。
素晴らしいプレーの数々が見られた拮抗した戦いは、PK戦の末にレアルマドリードに軍配。
内容的にはシティが若干優勢だった印象ですが、レアルの勝因は「能力を活かした戦術」。
それでは1つずつ見ていきましょう。
勝因①:個の能力を活かしたプレス
まずシティとレアルのメンツを比較すると、レアルが優勢なのはSBの守備力とシティWGの突破力です。
グリーリッシュとシウバのプレースタイル、ドクの経験値、そしてマフレズの移籍によって、突破力に欠けるシティWG陣。
もしレアルSBがシティWGと1対1になったとしても、抜かれることはまずない。
なので、シティをサイドに誘導し、WGを孤立させてSBとの1対1を演出。そして攻撃を停滞させるのがレアルの狙いに見えました。
シティの攻撃で厄介なことは、バックパス→空いている逆サイドへの展開→優位性を活かした攻撃という”攻撃の仕切り直し”。
たとえ優れた守備で右サイドを封じようとも、効果的なサイドチェンジで左サイドを狙われて失点。
どの試合でも見られる光景であり、レアルとしてはシティの攻撃の仕切り直しを止めないといけない。
そのために最初にしたことは、DFラインに積極的にプレスであり、パス回しを急かして、シティ優位の陣形を作らせないようにしてました。
1stレグ前半において、シティは優位な状況を作り出せない中で、レアル優勢のサイドに誘導されてましたね。
積極的なプレスによってサイドに誘導したあとは、プレスバックで中央の展開を阻止し、シティWGを孤立させる。
先ほど述べたように、シティWGはレアルSB相手に1対1を制する力はない。
適切なプレスバックによって中央への展開を阻止すれば、シティWGはチャンスを作るのが難しくなる。
レアルの狙い通り、WGに展開された後に効果的な攻撃はそこまで見られず、シティの攻撃はかなり停滞してましたね。
そして、孤立したWGに残されているのはバックパス。レアルはそのバックパスを狙ってボール奪取を成功させてました。
バックパス時にギアをあげたかのように強烈なプレスを仕掛けるレアル。
これは先ほどの述べたシティによる攻撃の仕切り直しを防ぐためです。
特に、逆サイドのSHバルベルデやロドリゴのプレスによってサイドチェンジを許さず、無理な縦パスに誘導しカット。
そこから強烈なカウンターを炸裂させ、何度もチャンスを作っていましたね。
以上のように、SBの守備力、そして各選手の走力を活かした守備でシティを苦戦させていたレアルでした。
勝因②:脅威の3人を活かしたカウンター
上記のように優れた守備でシティを苦戦させていたレアルですが、攻撃面でもシティを苦しめていました。
まずシティを苦戦させたのは、中央のベリンガム+ヴィニシウス、左サイド”ロドリゴ”の新フォーメーション。
普段は右にヴィニシウス、中央にベリンガム、左にロドリゴです。
しかし、シティの守備力の高さとウォーカーの不在もあって、ロドリゴを左サイドに置く戦術を採用。
脅威の3人でウォーカー不在の左サイドを重点的に狙った戦術はハマり、何度もゴールに迫ってましたね。
次にシティを苦しめていたのが、前線3人の脅威のスキル。強烈なシティのプレスを何度も掻い潜る。
並のチームならもっとボール奪取できていたでしょうが、レアルの前線は別次元。
たとえ複数人で囲んでもボールをキープされ、カウンターの起点として躍動。
最後にシティをより苦しめていたのは、自由度の高い3人の動きであり、シティDFは何度もマークを外していました。
左サイドを重点的に狙っていた印象ですが、状況に応じて中央も右サイドも自由にスペースをついてくる3人。
予測不可能な動きの数々にシティDF陣は翻弄されていた印象。
1stレグでのレアル2点目はまさしく狙い通り(アンチェロッティも言っていたように)。
以上のように、シティとレアルの戦力をしっかり把握した上で立てた特別な戦術が功を奏したレアルでした。
勝因③:試合の流れを渡さない
最後にレアルの勝因として挙げられるのは、「シティに流れを渡さなかったこと」です。
昨季より若干弱くなっているとはいえ世界最強には変わりないシティ相手に流れを渡せば確実に負ける。
昨季0−4で敗れた2ndレグでは、完全にシティに流れを渡してしまい、完膚なきまで叩きのめされたレアル。
今回の試合では、どれだけ攻め込まれようとも粘り続けて、流れを渡さないゴールを奪ってましたね。
1stレグでは開始2分で先制されましたが15分間の逆転。
後半に修正したシティ相手に逆転を許したが、終盤にしっかり同点に追いついて敗北を逃れる。
2ndレグではアウェイでありながら開始早々に先制点を奪い、シティの出鼻をくじいていました。
またそこから後半終盤まで1−0で耐え抜いたことも素晴らしい。
もし前半のうちに同点または逆転されていたら、PK戦までいかず99%シティが勝利していたでしょうね。
以上のように、試合の流れを渡さない脅威の粘りがレアルの勝利に導きました。
まさにCLの王!!
シティ:抜群の修正と遠かったゴール
レアルのプレスに苦戦したシティでしたが、2ndレグで抜群の修正を見せる。
シュート本数は29本に及び、数多くの決定機を作り出せていましたね。
では、どんな修正を施したのか?そして、なぜ負けたのか?
1つずつ見ていきましょう。
修正①:ボールの逃げ道を安定させる
まずシティが修正したのは、レアルSHを低い位置に誘導し、バックパスを安定させること。
バックパスを安定させれば攻撃がうまく回り、またレアルのカウンターを発動させないことにつながる。
バックパスを安定させるためにしたことは、フォーメーションの変更とインサイドハーフの役割変更です。
フォーメーションを3ー2ー4ー1のように変え、組み立て時に数的優位を作りやすい形にしました。
そして、インサイドハーフがサイドにポジショニングすることで、レアルSHを前に出れないようにする。
もしレアルSHがDFラインへプレスにいけば、シティはサイドで数的優位を作って攻撃できるため、レアルSHは後ろに残るようになる。
そうなると、DFラインへのプレスはレアルFW2枚になるので、バックパスが安定し、攻撃の仕切り直しが容易になる。
またレアルがサイドを重点的に守ってきたときには、ロドリやアカンジが中央に移動してボールを受け、逆サイドに展開してましたね。
以上のように、レアルのプレスを的確に理解した上で、持ち前の幅広い戦術を活用してレアルを圧倒しました。
修正②:幅広くスペースを突くMF
ポゼッションを安定させたシティは、ゴール前での動きも改善しゴールに迫りました。
最初に行った修正はインサイドハーフがピッチを走り回り、レアルボランチを翻弄すること。
1stレグ(前半)ではフォーデンが単独でレアルボランチをやり合い、十分な攻撃力を得ることができませんでした。
その反省を活かして、デ・ブライネとベルナルトの2枚体制でボランチを相手にし、しかも縦横無尽に動き回り翻弄してましたね。
サイドにも中央にも、そしてハーフスペースにも現れるインサイドハーフにレアルボランチはマークが追いついてませんでしたね。
そして、レアルボランチをさらに苦しめるために、ロドリとアカンジが積極的に高い位置を取っていました。
ただでさえインサイドハーフのマークに追われているレアルボランチは、ロドリやアカンジもマークしないといけない。
想像するだけでレアルボランチの大変さがわかる。
シティの思惑通り、インサイドハーフとボランチのコンビネーションから何度もチャンスを作ってましたね。
もちろんこれは”攻撃の仕切り直し”が安定していたからこそできる戦術。やはりシティは世界最強ですね。
しかし、PK戦の末に負けてしまったマンチェスターシティ。
続いては、敗因を見ていきましょう。
敗因①:ビッグゲームでの勝負を決める力
敗因1つ目は「ビッグゲームでの勝負を決める力」です。
今季のシティはビッグゲームでなかなか勝てていない。
リーグ戦とFAカップに絞っても、3勝1敗6引き分けであり勝率が低い。
今回のレアル戦でも、3−3と1−1とどちらも勝てていない。しかも、PK戦まで行かずに勝てたと思える内容で。
これはひとえに、試合の流れを掴む力が昨季ほどないことが原因でしょう。
内容と結果が一致しないシティが負けたのは必然ともいえる。
敗因②:主力の不調や離脱
敗因2つ目は、「主力の不調と離脱」です。
個人的には、ウォーカーの1stレグ欠場とデ・ブライネとハーランドの不調はかなり痛手だっとと思う。
2ndレグのウォーカーの活躍を見れば、もしウォーカーいれば1stレグで3失点もしなかったのでは?
特に2失点目はウォーカーの速さがあれば止めれていたはず。
そして、2試合通じてハーランドは十分な活躍は見られず、エースとしてゴールを決めることはなく、不甲斐ない出来でしたね。
最後にデ・ブライネも昨季ほどのパフォーマンスは見られず、シティの攻撃力は不足してました。
重要な試合でキーマンが不完全だったことも敗因の1つだと思いますね。
レアルはベリンガムもヴィニシウスも、ロドリゴも素晴らしい活躍を見せていたので。
来季に期待です。
あれだけゴールが入らないのなら仕方ないか・・・
試合統括:最強同士の最高の2試合
各選手の力量、連携の質、経験、メンタリティ。どれを取っても他チームとは一線を画す両チーム。
そんな2チームの戦いにふさわしい最強同士の激しいやり合い。
2試合通じてまったく目を離せない戦いでしたね。
「これぞサッカーだ!!」と思える歴史に残る試合になったと思う。
そんな素晴らしすぎる今回の試合で思ったことを、最後に書いていこうと思います。
感想①:「良い戦術=ゴールを保証」ではない
最高の試合1つ目の感想は、「良い戦術=ゴールを保証」ではないということです。
当たり前なことですが、多くの人が見逃している点でもあると思います。
サッカーはチームでやるものであり、選手間の連携が良ければ攻守両面で相手を圧倒できる。
しかし、最終的にシュートを打つのは1人だけ。
そしてほとんど場面ではシュートを止めようとするDFやGKがいる。
つまりゴールを決めることとは、1選手のシュートスキルが相手GKやDFを上回ることが必要な個人競技といえます。
今回の試合、特に2ndレグでは、シティは戦術では圧倒していてもゴールを決める力は足りてなかった。
だからこそ勝ち抜けなかったといえますね。
感想②:個の力は偉大
2つ目の感想は「個の力は偉大」です。
先ほどサッカーはチームスポーツといいましたが、このレベルの戦いになると個の力が非常に重要です。
最強クラスのチーム相手に守備を崩すのは容易ではなく、得点を奪うのは個の力に頼らざるおえません。
1stレグでの壮絶な撃ち合いはまさしく個の力の見せ合いでしたね。
フォーデンやバルベルデのゴールシーンはまさしく個の力。
それ以外のシーンでも、両チームの強烈なプレスを掻い潜るスキルには何度も驚かされました。
もちろん守備面も同様に、偉大な相手に対しても冷静さと大胆さ、正確さを兼ね備えたディフェンスは素晴らしい。
相手を簡単に自由にさせず、ゴールの脅威を確実に減らしていましたね。
感想③:ベスト4以降で見たかった
最後の感想は「ベスト4以降で見たかった」です。
言葉通りで、今回のカードはベスト4や決勝で見たかった。
以前書いた両チームの分析記事で、シティとレアルをCL優勝候補筆頭に挙げていたので、ベスト8でシティが去るのは寂しい。
全チームを見ているわけではないですが、実力や経験、仕上がり具合から見てもレアルとシティは他のチームより一歩前に出ている。
正直、今回の戦いが事実上の決勝戦と呼べると思います。
勝ち残ったPSG、バイエルン、ドルトムントは実力や経験、仕上がり具合から見てもレアルよりかなり劣る。
怪我人発生など何が起こるかわかりませんが、順当に行けばレアルの優勝でしょうね。
レアルの優勝に100票!!
まとめ:【シティ対レアル2024】強みを活かしたレアルと足りなかったシティ
今回は、マンチェスターシティ対レアルマドリードを分析、解説しました。
最後に、今回の戦いを振り返りましょう。
シティ対レアル
・レアル:巧みなプレスとカウンター、そして脅威の粘り
・シティ:抜群の修正と猛攻、遠かったゴール
・まさに優勝候補同士の対決
どちらかが今季CLを制するであろう両チームのやり合い。
もちろんサッカーに100%はないですが、順当にいけばレアルマドリードが優勝でしょうね。
サッカーファンとしては、ベスト4も決勝もおもしろい戦いが見たい。
今季はどんな結末になるでしょうか?
今回の記事で何かご意見等ございましたら、気軽にコメントしてください。
また、以前書いた両チームを分析記事を見れば今回の試合をより理解できると思いますので、ぜひご覧ください。
・マンチェスターシティの現状
・レアルマドリードの現状
最後までお読みいただきありがとうございました。
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