去年12月21日、リーグ戦でやり合った2チームの再戦。
12月のリーグ戦では、後半アディショナルタイムにFWセルロートの劇的逆転弾でアトレティコがアウェイで勝利を収めました。
終始優勢だったバルセロナはかなり落胆したはず。だからこそ今回の試合は絶対に勝ちたい!!
そんなバルサのスタメンはご覧の通り。

ワントップはレヴィじゃなくてフェラン。そして、ラスパルマス戦で大活躍だったオルモも名を連ねる。
それに対して、アトレティコのスタメンは以下の通り。

好調アルバレスと大黒柱グリーズマンをはじめ安定したメンツが揃う。GKだけ代わりオブラクではなくムッソになってます。
前回の対戦からスタメンを大きく変えたバルサとは対照的にほぼ同じのアトレティコ。
アトレティコ監督シメオネは「できうる限りバルサにダメージを与える試合をする」と述べ、今回のスタメンに自信を臨かせましたが、試合はシメオネの思惑通りに始まりました。
・アトレティコ1点目

・アトレティコ2点目

爆発的火力で勝ってきた今季のバルサの弱点「慌てて失点してしまう癖」を完璧についたアトレティコ。
CLでもベンフィカ相手に失点を重ねたバルセロナは、再び強豪相手に弱さを露呈したと思う。
完全に出鼻を挫かれたバルセロナですが、フリック監督が試合前に述べた「チャンスがあるなら掴まなければならない」を体現する見事な攻めを見せる。
・バルセロナ1点目

・バルセロナ2点目

・バルセロナ3点目

まさかまさかの逆転劇。素晴らしいリバウンドメンタリティを見せつけ完全に試合を支配するバルセロナ。
この逆転劇を牽引したのは17歳ヤマル。10代とは思えないスキルでアトレティコの左サイドを完膚なきまで破壊する。

何度見ても17歳とは思えないプレーを連発するヤマル。若さは感じますが、破壊力は世界でもトップレベルですね。
ヤマルを中心にアトレティコを完全に押し込み攻守両面で圧倒、そして後半も同じくバルサの攻勢は続き4点目を奪う。
・4点目

73分の時点でスコアは4−2。試合後のシメオネ監督は「4−2からやり返すのは難しいと思った」と述べています。
それくらいこの時点で試合の決着はついていた。
はずだった・・・
フリックは言う。「時には得点を狙うよりもボールを保持するほうがいい」と。
アトレティコのようなチームから得点を奪うためには、やはりリスクを負って攻めることが必要です。
そしてリスクを負うというのは、攻守のバランスが崩れ、失点のリスクが高まるということ。
4−2というスコア。ムードも完全にバルセロナ。残り時間は15分ほど。あとは試合を締めるだけだったはずです。
しかし、バルセロナは中途半端に攻め続け、その隙をつかれてアトレティコに流れを渡してしまいました。
3失点目直前のプレーを見てもわかりますね。

まず思いっきりSBクンデの裏をつかれたためクバルシがサイドに釣り出される。
それ自体はそこまで悪くないが、クバルシが開けたスペースのカバーをするのがもう1人のCBイニゴ。つまりエリア内で守備の要が機能しない位置に移動させられている。
そして、通常その穴を埋めるのはMFですが、そもそも間に合ってませんし、ボールに気を取られ背後のスペースは空き空き。
4−2で勝ってるのにこんなにCBに負荷がかかる守備をしてるのは到底理解できない。
・アトレティコ3点目

試合が始まって84分。アディショナルタイムを含めればまだ10〜15分程度ある。
アトレティコは息を吹き返しており、スタジアム全体に不穏な空気が漂い出します。
そして、残念ながらバルセロナの悪い予想は的中する。

試合後アトレティコFWセルロートは「バルセロナは広大なスペースを残す」とコメントし、見事にそのスペースを使われた。
大事なところでプレスをかけられず、プレー予測も外れる。
集中力の問題でもあり、戦術理解の問題でもあり、試合の流れを読めないという問題でもあるかな?
なんにしても、3月が始まりシーズン終盤に入る段階でこのようなミスをしていることは大きな問題でしょう。
・アトレティコ4点目

試合時間残りわずかで4−4。両チームとも体力の限界。もはや逆転する力は残されていませんでした。
この試合を統括すれば、「時には得点を狙うよりもボールを保持するほうがいい」という先ほどのフリックの言葉に尽きる。もっといえば「落ち着かないといけない」ですね。
走力という武器を手に入れた今季のバルサは開幕から圧倒的火力で快進撃を続けています。
その一方で、失点の量や仕方が気になるのも事実。
人によっては「失点以上に得点できてるからいい」というかもしれませんが、守備が安定していないチームがタイトルを獲れるとは思わない。特にCLは。
せっかく素晴らしい攻撃ができているのに、タイトルが十分獲れないなんて悲しいでしょう?
CBのクバルシとイニゴは開幕当初から比べると格段に成長してるし、彼らの守備がもっと結果に現れるようなチームになってほしいと思う。
昨季の無冠からの復活を託されたフリックと選手たち。
3冠の可能性をまだ残しているバルセロナはシーズン終わりには笑顔で喜んでいるでしょうか?
では。
今季バルセロナに関する記事です。
・去年10月
・去年12月
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