どうも、がんばらないネコです。Twitterで活動しているサッカー分析ブロガーです。
バルセロナ対バイエルンの分析記事書きました🧐
— がんばらないネコ@サッカー分析屋 (@Ganbaranai_Neko) September 17, 2022
・前半バルセロナが好調だった理由💪
・後半バイエルンが復調した理由👍
を分析→解説しています😁簡単な試合統括なら2分で読めますよ😆興味がある方はぜひご覧ください👍
マジでこの試合は勝ちたかったな〜😂https://t.co/gridaJOA7E
ブラジル対クロアチアについて、「どうやってクロアチアが勝ったの?」「ブラジルの敗因は?」など試合内容が気になる人は多いと思います。
今回の記事では、クロアチアのプランと戦略、ブラジルが足りなかったことを解説しています。
この記事は次のような人にオススメです!
- クロアチアのプランと戦略を知りたい
- ブラジルの対応を知りたい
- ブラジルに足りなかったことを知りたい
優勝候補筆頭だったブラジルが敗れ、「クロアチアは何をしたのか?」と思っている方も多いかと思います。
今回の記事はクロアチアのブラジル対策、ブラジルの敗因を詳しく解説していきます。
今回の記事で読めば、「クロアチアのプランと戦略」や「ブラジルに足りなかったこと」などを知れますよ!
サッカーが好きな方や興味がある方は、ぜひ最後までご覧ください。
クロアチアのプランと戦略
クロアチアとブラジルの戦力差は雲泥の差。
ブラジルは各ポジションに超一流の選手がおり、控え選手も怪物揃い。
一方クロアチアは、モドリッチなど超一流の選手が数名いますが、普通の選手が多いです。
このような戦力差を埋めるには、しっかりとチームとして動き、プラン通りに試合を進める必要があります。
日本がドイツやスペイン相手にやったようなことですね。
クロアチアがどのようなプランで、どのような戦略を実行していったかを1つずつ見ていきましょう。
クロアチアのプラン:とにかくピンチを減らして無失点!!
圧倒的な攻撃力と抜群の安定感を誇る守備で、どんな敵をも圧倒できる最強ブラジルには、「耐え忍んでPKで勝つ」しかありません。
正直、得点を奪うことは期待できません。
ここまでのブラジルの戦いを振り返りましょう。
GS1戦目セルビア:2−0 ※シュート数は約4倍。セルビアは枠内シュート0。
GS2戦目スイス:1−0 ※シュート数は約2倍。スイスは枠内シュート0。
GS3戦目カメルーン:0−1 ※控え組で敗戦だが、試合内容では圧倒。
ベスト16韓国:4−1 ※前半で4−0の圧勝。
以上のように、スイスやセルビアという難敵との対戦を含め、攻守において完璧な内容で勝ち上がってきています。
現在のブラジル相手に勝つには、いかにブラジルの攻撃を弱体化してピンチを減らし、無失点に抑えられるかが鍵です。
そして、この試合でクロアチアは、完璧といっていいほどのブラジル対策を展開しました。
1つずつ見てきましょう。
戦略①:中央を完全封鎖
まずブラジルで一番止めるべきは中央で躍動するネイマールです。
抜群のスキルと圧倒的な創造性、そしてプレースピード。ネイマールをフリーにすれば必ずやられます。
例えば、以下のプレーはネイマールの危険性を表しているプレーです。
中央でボールを受けようとするネイマール。セルビアMFがプレスに来ますが・・・
ボディフェイントで一瞬で抜き去ります。
次のDFに対しても、まったく臆することなく勝負していくネイマール。
キレのあるボディフェイントでDFを翻弄。
再び抜き去りチャンス。
ネイマールにドリブルによってフリーになっていた味方がそのままシュート。
こぼれ球を押し込み先制点を奪いました。
以上のように、ネイマールを一瞬でもフリーにすれば、チームは非常に危険な状況に陥ります。
ネイマールを止めるためのクロアチアの対策は、「マンマークを駆使した完全な中央封鎖」です。
まずは中央にいるネイマール、パケタ、カゼミーロをマンマーク気味に守り、フリーでボールを持たせないようにします。
※基本はマンマーク気味ですが、中央のスペースを優先的に守る場面もありました。
一方で、サイドにボールが出たときは、1人が中央のゾーンを守る役を、残りはマンマークを継続します。
これは、FWなど他の選手が中央に空いたスペースを使うことを防ぐためです。
そしてもう1つ、クロアチアの両SHがかなり中央に絞って、中央へのパスコースを消すことを徹底していました。
このクロアチアの中央封鎖によってブラジルは弱体化、特に前半はブラジルにほとんどチャンスを作れてませんでしたね。
言うまでもなく、インテンシティは今まで以上に高かった。
戦略②:両SBの性能に賭ける
中央を封鎖しても、WGを止めなければブラジルは止まりません。
例えば、以下のプレーはブラジルのWGの恐ろしさを表したプレーです。
左サイドでボールを持つWGヴィニシウス。スイスは2人で対応しますが・・・
ドリブルでスイスDFを引きつけスペースを作り、味方の高速連携を演出します。
すべてダイレクトパスでつなぎ、強烈なシュートを決めました。
以上のように、中央だけでなく、サイドも力を入れて守備しないと得点を奪われます。
クロアチアのサイド守備は、「SBの性能に賭ける」、「3、4枚で連携を防ぐ」の2つでした。
まず「SBの性能に賭ける」は、この試合で一番の賭けだったと思います。
なぜなら、中央封鎖の影響で、クロアチアのSBはブラジルWGと1対1になる時間が多いからです。
ブラジル第2の武器とも呼べるほどWGの能力は高いので、SBへの負担は尋常ではありません。
そもそものSBの性能が低ければ、必ずブラジルWG陣にボコボコにされ、試合に敗れるでしょう。
また、性能が十分でも延長含め120分間抑え続けるのは至難の業。
しかし、クロアチアSBはブラジルWGに120分間何もさせず、完璧に仕事をやってのけました。
第2エースのWGヴィニシウスが後半早々に交代したのは、クロアチアSBが完璧だったことを表す証拠ですね。
そんなクロアチアSBの奮闘によって、ブラジルの連携も止めることができました。
SBがブラジルWGを止めることで、クロアチアCHやSHがサポートに行ける時間を十分稼いでくれていました。
例えば、FWとの連携に対しては、クロアチアCBとCHが挟み込みで対応。
また、IHとの連携に対しては、クロアチアCHとSHが挟み込みで対応。
以上のように、SBの奮闘によってブラジルWGの個人技だけでなく、ブラジルの高速連携にも対応できていました。
個人的には、SBがMVPですね!!
戦略③:最後の砦GKリバコビッチに賭ける
どんな守備戦術で対策してこようと、それを上回りチャンスを作るのが、ブラジルの最強たる所以です。
ここまで説明してきたように、クロアチアの対策でブラジルの攻撃は非常に弱体化していたといえます。
前半はシュート5本に抑え込まれ、決定機と呼べるものはなかったと思います。
ただ後半に入り、ブラジルが大幅修正→チャンスを作り始めました(修正内容は後述)。
後半45分間でチャンスは7度、決定機は3つ。前半とは違い、クロアチアは本当にギリギリの対応を迫られていました。
ただ、そんな数々の大ピンチを救ったのがGKリバコビッチ。決定機をすべて弾き返す異常ぶりを発揮しました。
どんだけ止めんだよ!!
以上のように、数々の決定機をすべてセーブしたリバコビッチでした。
まさに異次元の活躍ぶりでした!!
最強ブラジルの対応
クロアチアの守備で一番厄介だったのは、2人のCHの存在。
彼らは中央封鎖+サイド封鎖の両方を支える存在であり、ブラジルにとって大きな問題でした。
中央にボールがある時は、絶対に中央に効果的なパスを出させないようにマンマーク。
サイドにボールがある時は、ブラジルの高速連携を阻害し、中央のスペースを消す動き。
非常に厄介な2人ですね。
ブラジルは、4つの方法を駆使してクロアチアCHに対応していました。
1つずつ見ていきましょう。
対応①:ネイマールのWG化
まず前半早々に見られたのは、ネイマールがWGの位置に移動して、クロアチア右CHに難しい対応を迫らせたプレー。
ただ、以上のようなプレーは、クロアチアSBの活躍もあり、これ以降あまり見ることはなかったです。
ネイマールにはパスさせない!!
クロアチアの修正力もさすが!!
対応②:SBダニーロのMF化
2つ目は、左SBダニーロがMFとしてプレーし、クロアチア右SHと右CHをうまく引きずり出したプレー。
SBダニーロが1列前に移動させ、クロアチアSHやCHが変則的な対応を迫っていました。
ネイマールが降りてきたタイミングで、ダニーロが少し高い位置を取ります。
それによって、ブロソビッチがダニーロをマークするべきか迷いが生じます。
マークするか迷ったことでダニーロへのプレスが遅れ、サイドに展開され・・・
サイドで1対1という危険な状況を作られました。クロアチアSHとCHとの距離が遠いですし、かなり危険でしたが・・・
クロアチアSBが完璧な間合いで対応し、ブラジルWGに何もさせず。
その間にクロアチアSHとCHが高速でサポートに回り難を逃れました。
どれだけ走るんだ?クロアチアは?
対応③:SBミリトンのMF化
3つ目は、後半からの大幅修正。右SBミリトンをMFとしてプレーさせ、クロアチア左CHを困らせていたプレー。
これまではカウンター対策として後方に残っていたSBミリトンをMFとしてピッチのあらゆる位置でプレーさせました。
これによって、右サイドにおけるクロアチアのマーク交換が間に合わなくなっていきます。
まずは後半開始早々のプレー。
SBミリトンが非常に高い位置に進出。それによって、パケタをマンマークするコバチッチは2人同時に対応しないといけない状況。
コバチッチの対応が遅れたことを見逃さず、スピードを上げてスペースに侵入しようとするミリトン。
WGからのスルーパスに先に触り中央にクロス。
味方に当たって危うく失点しかけますが、GKがファインセーブ。
得点にはなりませんでしたが、ミリトンのMF化によって大きなチャンスを作りました。
また、10分後のプレーでも大きなチャンスを作り出しました。
ミリトンとパケタが距離をとり、中盤にスペースを作ります。
スペースを作ったことで、ミリトン→CB→パケタに縦パスが通ります。ここからスピードアップ。
まずWGがスペースに侵入しパケタからパスを受けます。その間にFWが裏に走り込みます。
WGからFWにパスが通り、その間にパケタがエリア内に侵入。
FWからクロスが入りますが、惜しくもパケタには合わず。
この大幅修正は、クロアチアをかなり困らせていましたね。
これがブラジルの底力か!!
対応④:”プレーメーカー” ロドリゴの投入
最後の大幅修正は、若きプレーメーカーであるロドリゴを投入して、ネイマールとダブルプレーメーカーで攻めることでした。
まずはロドリゴ投入直後のプレー。
ロドリゴがクロアチア中盤トリオを引き付け、中央にスペースを作る。
そして、パケタがスペースに侵入。
ロドリゴからの鋭いパスを処理ミスするクロアチアCB。
ボールはパケタの前に。先制点を奪える大きなチャンスだが・・・
GKスーパーセーブ!!何回止めるんだよ。
続いて、10分後のプレー。
ドリブルで中盤トリオを引き付けるロドリゴ。
FWへの縦パスが通り。
裏に抜けたネイマールへスルーパス。
決定機ですが・・・
また止められた。いい崩しでしたが、なかなか入りませんね。
以上のように、ロドリゴの投入でより攻撃がうまく回り出したブラジル。
そして、ブラジルが行ったこれまでの対応が身を結び、延長前半に先制点を奪いました。
パケタをマンマークしていたコバチッチがサイドにいる。これによって、中盤にスペースができ、ブラジルはそこを狙う。
タイミングよく降りてきたロドリゴとワンツーをして、スペースに侵入するネイマール。
ここからスピードアップ。
再びワンツーで抜け出す。
これまで苦戦していたGKまで抜き去り。
待望の先制点を奪いました。ロドリゴ投入が当たりましたね。
さすが最強ブラジルといった攻撃!!誰も止めれない。
ブラジルの誤算と反省点
最後に、ブラジルの誤算と反省点を書いていこうと思います。
試合内容に関しては非常に良かったと思いますが、サッカーでは内容がそのまま結果に反映されないことがたまにありますね。
ただPK戦の末に負けたのは事実。優勝するにはそういう道も通らないといけないです。
今回のクロアチア戦での勝利を逃した原因は何だったのか?
試合内容が良かったのであまり見当たりませんが、3つだけ書こうと思います。
ブラジルの誤算:WGが完全に封じ込まれる
レアルマドリードの試合はよく見ますが、この試合ほどWGヴィニシウスが何もできていなかった試合を見たことありません。
これまで大活躍していたWGがまったく機能しなかったことは、ブラジル側の大きな誤算だったでしょう。
ネイマールは初戦で怪我をして、復帰したのはベスト16韓国戦。
それまで攻撃陣を引っ張っていたのは、第2の武器であるWGでした。
戦ってきた相手もスイスやセルビアという難敵でしたが、ブラジルWGにとっては問題なし。粉砕してましたね。
しかし、今回のクロアチア戦では完全に沈黙。SBと1対1だったのですが何もできませんでした。
正直、チッチ監督も予想外だったのではないでしょうか?
ヴィニシウスもラフィーヤも、レアルマドリードとバルセロナの所属する超一流です。
そのような選手が完全に封じられるとは、どの監督も予想できるものではなかったと思います。
まあ、クロアチアにとっては嬉しい誤算だったとは思いますけど。
ブラジル反省点①:得点後の気の緩み
ブラジルの反省点1つ目は、得点後に「簡単にボールを失う」、「守備をしない」などの気の抜けたプレーが見られたことです。
失点シーンを振り返りましょう。
試合終了間際、前線の切り替えが非常に遅くなっており、悪い形でクロアチアにセカンドボールを奪われる。
結果として、完全に後手に回るブラジル守備陣。
クロアチアがスピードに乗った状態でゴール前へと進み。
ゴールを決めました。
以上のように、セカンドボールに対する対応を怠ったことで、クロアチアの同点弾を生んでしまいましたね。
切り替えを速めて、ファールでもいいから潰しておけば、こんなことにはならなかった。
一瞬の油断で勝利を逃す。サッカー恐ろしや。
ここで決めるクロアチアもすごい!!
ブラジル反省点②:DFラインの背後を狙う回数が少ない
ブラジルの反省点2つ目は、足元でボールを受けることがほとんどで、DFラインの背後はあまり狙ってなかったことです。
クロアチアのカウンターはそこまで怖いものではないですし、ポゼッションも十分対応できる相手。
そして、トランジションでも互角といえる相手。
なので、クロアチアにポゼッションを譲ったり、カウンターを受けたりしてもあまり問題なかったといえます。
そんなチーム相手にショートパスを多用していたので、やや安全志向すぎた感じはあります。
もっとDFラインの背後にボールを蹴り込み、トランジションで上回りセカンドボール回収→ショートカウンターを狙ってほしかったです。
サイドにロングボールを供給。
クロアチアが回収した場合、素早くポジショニングやマークをして、パスカットなどを狙う。
パスカットなどでボール奪取し、お得意のカウンター。
クロアチアの守備が整う前に得点を奪う。いわゆるゲーゲンプレスですね。
試合展開はオープンなものになりますが、トランジションでは互角であるため、攻撃力で勝るブラジルにとって有利な展開。
90分で勝負を決めれたかもしれません。
ポゼッションでの崩しという攻撃一辺倒になっていたのは本当に残念でしたね。
まとめ
今回はクロアチアがブラジルを倒した戦略を解説しました。
最後にクロアチアの戦略を振り返りましょう。
クロアチアの戦略 ・中央は完全封鎖。何としても通させない。 ・SBの異次元の活躍に賭ける(賭けに勝った) ・ブラジルの隙を逃さず得意のPK戦で勝利
まずクロアチアの戦略は非常に優れていましたね。
選手たちを信じることを前提に、ブラジルの武器を完全にシャットアウトすることに成功。
本当にSBの活躍は凄まじかったです。
そして、何といっても同点弾。
ブラジルの気の緩みを逃さず、120分間で唯一のチャンスを掴み取ったのは、神が降りた瞬間を見た感じがしました。
ブラジルは若さが出たかな?
ただ今回クロアチアに負けたとはいえ、最強であることに変わりはないブラジル。
次のW杯での躍動、そして優勝に期待したいです。
今回はアルゼンチンが優勝ですけどね!!
今回の記事で何かご意見等ありましたら、気軽にコメントしてください。
また、これまでの優勝候補の戦いぶりをまとめた記事もありますので、ぜひご覧ください。
W杯を最後の最後まで楽しみ尽くしましょう!!
最後までお読みいただきありがとうございました。
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